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ミツキ

森の主

遭遇

第1話おさそう

——照りつける太陽、ジリジリと鳴く蝉、扇風機の回る音、適当なテレビ番組から聞こえる笑い声、インターホンが鳴る——


「はーーい」


全くこんな暑い日に誰だよ、こちとらエアコン壊れてイライラしているのだぞ。俺の部屋のエアコンは壊れてないが、テレビはリビングにしかないのだ。扇風機は、ついているが。

足早々に歩きリビングを出る。インターホンなんか見ずに、玄関のドアを開けて確認する。


「なんだ好矢か」

「なんだとはなんだこんな暑い日にわざわざきてやった俺を労え!」

「うるせぇ、さっさと上がれ」

「辛辣だ.......おっじゃまっしまーす」


ああ、なんでこうも熱苦しい奴を読んでしまったのだ俺。

こいつは、染井 好矢せっかくならもう少し静かな奴呼べよ俺。


「ああ、エアコン壊れたから......牛乳でいいか?」

「おい、ちょっと待て今なんと申した」

「牛乳嫌いだったかお前コーラあるからしばし待たれよ」

「牛乳は嫌いだが、マジでエアコン壊れたのか?」

「マジだ、無駄に陽当たりいいから外より暑いな」

「......コーラ氷ましましで」

「まあ、俺の部屋は壊れてないけど」


そーいやもう一人呼んでたな確か、千崎だったかな。


「多分、千崎も来るかな......暑い」

「へーあいつも来るのか......ってマジかよ!」

「そーいや、おまえ好きなんだっけ?」

「ぁぁ、まぁ、その」

「フッ、初々しく腹が立つ」

「そこまでか?」

「もっと正直になれよ好矢」


——ピンーポーン


インターホンが鳴る。


「はいはーい」

「誰?」

「千崎かも」


宅急便だろう多分、印鑑を取ってついでに好矢を引っ張る。


「あーはい印鑑で」

「どこに置きますか」

「あそこで」

「はーい分かりましたぁ」


——ガシャン


「好矢それ、俺の部屋に置いといて」

「あ、うん」


俺はそそくさとテレビや扇風機を消して、ニヤける。一つは今届いたもの、もう一つは、


「ヌワァ!?なんで」


好矢の声と共にドンッと音が聞こえる。あいつアレおとしてねーよなぁ。


「お、おい純、いるなんて聞いてねえぞ」

「そりゃぁ、言ってないもん」

「ふふ、相変わらずね二人とも」

「千崎もいるならいえよ」

「口裏合わせて」

「好矢くんを驚かせようって」

「グルかよなんか俺に恨みでもあんのかよ」

「「特にないよ」」


千崎 琴乃、俺と好矢は、小学校からの仲だ。あ、好矢燃え尽きた。まあいいや、早速だけどアレ開けちゃいますか。


「千崎最近どうだった?女子高行ってからほぼあってなかったから好矢悲しんでたよ」

「まあ、ぼちぼちね特にこれといって何もないかなぁ純たちは?」

「こっちもぼちぼちでお金がかつかつバイトはじめよっかなぁ」


ちなみにだが所持金380円くらいだ。まじでバイトしよっかな。

よし、もうそろそろかな。


「で、純それなに、ゲーム?」

「VRMMOって、聞いたことない?バーチャルリアリティなんちゃらこーちゃら」

「ええと、たしかフルダイブ式のVR

だったよね感覚、視覚、聴覚、嗅覚、

をどうにかして巨大サーバーが処理して......「早速やっちゃうか」そうね」

「せやな」

「んじゃ、千崎、妹の部屋でこれ着てきて」

「はーい」


バーチャル空間に自分の体のかたちや、心拍とかを測るスーツ。かなりお高めだが持ちうるコネを使って手に入れた。決して自分のお金じゃない。

話が変わるが、さっき千崎が言ってたように嗅覚は再現できたけど味覚は再現できなかったらしい。まあ、そのうち味覚も出来るだろう。


「んじゃ好矢も着てこいや」

「へーい、てかおまえは?」

「もう着てる」

「準備が早いわ」


ちと改造したがな......まぁ、サイズ合わないかっただけだけど。


「仕方ないだろ‼︎」

「急にどうした」

「仕方、ない、だろ」









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