第4話終戦ウェハース

「それじゃあ、三枚目いってみようか! いいよね? 言えないから、はい! どーぞ」


本当に、僕の都合はお構いなしだな! でも、これで新記録達成だ。作戦から実行にいたるまで、完璧な計画。唯一の障害はのりこだけだった。そののりこが、今は黙って見ている。


「本当に、良い顔で食べるねぇ。その目が、何とも言えないなぁ」

僕は当然カリカリカリカリカリカリカリカリしているけど、ここで油断したら、台無しになる。のりこから目を離せば、またあの邪魔が入ってしまう。


え? つかまってるわけじゃないから、持ちかえればいい? 


甘いよ、君。それは素人考えってもんだ。


「あれぇ。やっぱりむりだった? でも、あとちょっとじゃない! がんばるんだ! くるみちゃん! お! やるねぇ」


おっと、君も障害だったか……。まったく、君たち種族は油断も隙もあったもんじゃないね。


あぶない、あぶない。


第一考えてみなよ。

今、のりこの目の前から巣の方に行ったとしても、すぐにのりこにつかまってしまう。あんな話方してるけど、結構素早いんだ。


それにうまく帰ったとしても、全部入れたところを見せないと、のりこが難癖つけてくるよ。

これは、僕の新記録がかかってるんだ。邪魔しないでほしいな。


もうすこし、あとちょっと。


「頑張れ、くるみちゃん! もうすこし!」


うん、もう少し! 

よし! 新記録たっせいだ!


「おほぉ! やるね! くるみちゃん!」


うむ、大義であった!


「そのドヤ顔が、ますますいいね! もう満足だろ? 出しといでよ。新記録おめでとう!」

ふふふ、言われるまでもない。早速、今日の成果を確認しようっと!


あ、君もご苦労さん! で? 何しに来てたんだっけ?

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