ヤキモチ

灯花

ヤキモチ

君が クラスの女子としゃべってる


当たり前と言えば 当たり前



席が近いからね


趣味が一緒だからね




楽しそうに笑う君を見るのは


うれしい


でも


その笑顔が 私に向けられたものじゃないと


くやしい




「君がいちばんだよ」


そう言われた時はうれしいけど


たまに不安になる



君を信じられずにいる自分が いやだ




わがままだって わかってる


欲張りだって わかってる



でもね


やめられないの



あなたが 私だけを見てくれればいいのに



そう思うことは





こういうのって 重いかな


私だけを見て なんてね



君のことを想うほど


胸の痛みは 増していく



女子だけだったのが


男子と話している時も


先生と話している時も



胸が苦しくて


苦しくて


苦しくて





世界が




君と




私と




二人きりだったなら




こんな気持ちには ならなかったのかな







「ねぇ」


「なに? 」


「私が、男子としゃべってるときってどんな感じ? 」


「うーん、胸が苦しくなる」


「……そっか」


「でも」


「でも? 」


「君のいちばんは僕だって信じてる」


「……」


「どうしたの、急にそんなこと訊いて」


「ハグしても、いいですか? 」


「どうぞ」






世界は



二人だけになる





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ヤキモチ 灯花 @Amamiya490

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