どんなに短い人生でもどんなに長い人生でも

等しく生きたその瞬間から

悲しさやつらさや虚しさはどこからともなくやってくるでしょう

そんなものたちに喰われることなく上手にお付き合いするために

動けぬ心のための処方箋

まずは冷えた体を温めましょう

節約のことはひとまず気にせずに、わかしたての湯船に一人で一番風呂

好きな入浴剤を入れて、凝った肩や首を揉みほぐし、ツボ押しや呼吸法もいいでしょう

お腹が空いたら食べたいものを食べましょう

今日くらいちょっと脂っこいものや即席の食べ物を食べたってばちは当たりません

家にあるものでもよし、少し歩いて買ってくるもよし、甘いものでも何でもいいのです

とにかく今満たされないものを埋めてください

今日ばかりはしたくないことをするのはやめましょう

明日の自分に期待しましょう

回していない洗濯機、片付けていない台所、課題やテキスト、書類や論文、ちょっと見て見ぬ振りをして

良心の呵責と怠惰な心、今日はどちらをとっても誰も責めません

そして自分の心の赴くままに

目を閉じて自分の心が言うことだけを聞きましょう

今日はあなたが世界で一番悲劇のヒロインなのだから

叫んでいいでしょう泣いてもいいでしょう

歌ってもいいでしょう誰かを責めてもいいでしょう

ピアノに向かうスケッチブックに向かう全部全部いいでしょう

今日は見たくないものから目を背け、見たいものだけ見たらいいのですから

そうして気が済んだら

そのまま布団に寝転がって

足元には湯たんぽ隣には抱き枕を用意して

温かい飲み物を飲んでぬくぬくと毛布にくるまって

おやすみなさい

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