とある者の物語


―――あの人達の消息が途絶えてもうどれほど立ったんだろうな……

 いつも騒がしかったのに急にいなくなってしまうなんて……

 それに調律の巫女達も全く音沙汰が無いものと来た。

 カオステラーはどんどん増えていくばかり。


 僕達もこの前は危なかったな。僕がしっかりと気を付け――ん?


 おや?目を覚ましてしまったのかい?

 あぁ、今のは独り言さ。気にしなくても良いんだよ。

 え、いや、別に子ども扱いしてる訳では無いよ。

 本当にただの独り言さ。


 ……え?お話を聞かせてくれだって?

 こんな時間なのに……?目が冴えて眠れない?

 はぁ、本当に―――はお話を聞くのが好きなんだね。

 今日はどんな物語を語ろうか……。

 シンデレラ?それとも赤ずきん?


 いや、だから別に子供扱いしている訳じゃ無いんだよ。

 それにシンデレラも赤ずきんも良いお話じゃないか。

 ……もっとワクワクするお話?しかも僕が作った?


 えぇ……僕はあまり自分の作った物語を語るのは好きじゃないんだよなぁ。

 それに僕はまだまだ半人前だし……。


 そんな事は良いから早く聞かせて?

 まぁまぁ、そう焦らなくても、僕はまだどこへも行ったりしないよ。


 そうだなぁ、じゃあ今日はとある少年のお話をしよう。

 ワクワクするかは分からないけど……まぁとりあえず話そうか。


 ちゃんと良い子に出来るかい?

 フフ、あぁ、そうだったね。―――はお話の邪魔をしたりはしない子だからね。


 始めの合言葉は分かっているかい?ちゃんと返してくれないと寂しいからね。

 ……それじゃあ話し始めるとしようか―――――――――――クリック?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る