黒き森の魔女と白の悪魔

@zaku0083

プロローグ

どれ程の時が過ぎ―――

どれ程の時間が経ったのか―――

今の俺はそんな感覚さえ麻痺していた。

幾度となく人間ゴミをゴミの様に処理して、勝利を掴み任務を遂行する。

それが俺の今の希望だ。


そして―――やっと俺は自らの望みを叶えられる――――


『エネルギー残量50%――――いつでもいけちゃうよぉ~~』


「くそ!! くそくそくそくそ!! どうなってやがる!? 僕はこの地球≪インフィニティーワールド≫の”ワールドマスター”だぞ!! 何故、貪欲な存在≪プレイヤー≫に負ける!? あり得ない! ありえない!!! お前はなんだ! なんなんだ!」


「さぁな? 今となってはどうでもいい事だ。 じゃあ、死んでくれるか?」


「くそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



そして――――目の前は真っ白になった。



―――――――――ふと昔の事を思い出した。

家族を失い、親友を失い、恋人を失った俺のどうでもいい人生だ。

ある日”自殺”を決意した俺は真夜中の森の中で首を吊った。

のだが。 どういう事か”世界の女神”と言う奴に”死”を条件に頼み事をされた。

それは異世界を生成して好き勝手やっている男を倒す事だ。


その世界は俺の元居た地球にそっくりな景色をしているが中身は全くの別物。

奴ワールドマスターが選んだ人間にインフィニティ―アーマーと呼ばれるパワードスーツを身に着けさせ、トーナメント形式で一対一の勝負をさせる。

勝者には食料と望みの物が与えられる――――敗者には死だ。

名付けて”デスゲーム”死を掛けた戦い。


そんな世界であっても俺は敗北出来ない…なぜなら、俺には女神からもらった特別な力があるからだ。

この強大な力を身に着けた俺は、目の前に現れる人間をゴミの様に処理する毎日。

若干の抵抗はあったが、インフィニティ―アーマーのお陰で生々しい感覚はしなかった。

そして俺は――――遂に与えられた任務を終えた。


ワールドマスターを引っ張り出して、世界の創造主でもあるそいつに死を与えた。

これでようやく俺も死ねる。 

――――――――よな?


「ちょっとまて? なんで”また”ここに居る?」


この景色―――この真っ白な空間―――俺はよく知っている。


「女神…まだ俺に何かさせようとしてるのか?」


何も無い真っ白な空間の中で、俺は1人呟いた。

が―――何も返事は返って来なかった。


「ん?」


ふとした拍子で足元を覗いた俺は目を見開く。


「Relife? おい…どういう!?」


足元に浮かび上がった言葉の意味を追求しようとした時―――再び俺の意識は遠退いた。

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