帰宅したら女の子に抱きしめてもらいたい

むらた

第1話

私-れいこよ私を抱きしめておくれ。

れいこ-いいよ。


ふわっとした香りが私を包む。汗も混じってつんと酸っぱくて甘い。エストロゲンなんやって。会社でググった。鼻先を二の腕にうずめると頬に胸があたる。さわさわ。


れいこ-セクハラやで

私-うう

二の腕よりに顔の位置を変える。

柔らかくてぱつぱつで線引きをちゃんとするロリお母さんを私は求めてるんやな。他人にケアをまかせたいんやな。この後お茶とお菓子を出してくれて味噌汁とご飯が出てくるんやろ。わかってるんよ私の欲望くらい。あとぎゅむぎゅむして抱きしめてあったかいまんま一緒に寝て欲しい。れいこは何を考えてるんやろな。暖かい気持ちでいっぱいやで!って時もあるけど日常生活暖かい気持ちばっかで満たしていられない。怒りも悲しみも寂しさも不思議さも困るのも辞める時も健やかなる時もあるんやからね。どうしてれいこが私をケアするのみの存在であると信じられるのか。信じられるね。人のことを自分にとっての役割で見る私にとってはそんなん朝飯前のお茶の子さいさい。れいこは聖母や。崇め奉るから許したってや。さわさわ。


れいこ-湯たんぽ入れたウォーターピローでも抱きしめてな。自分でご飯くらい炊け。味噌くらい汁に入れろ。帰ってきたらすぐだらだら甘えて。無料のキャバじゃねえ。むしろキャバクラでもするな。


私-ご指摘大変有り難く頂戴いたします。キャバクラには行ったことございません。ご飯ほかほかのをいつもありがとうございます。汗くさい体をすりつけて申し訳ございませんでした女王様。


れいこ-わかったんなら風呂に入りな。くさいっていうより甘酸っぱい感じでにおいはきらいじゃないけど。


私-エストロゲンって言うんやで!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

帰宅したら女の子に抱きしめてもらいたい むらた @muratamurata

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ