雨宮奏(自主企画:vs100用)

ヴぇいn

プロフィール

名 前:雨宮あまみや かなで

二つ名:【小さな巨人スモールタイタン

役 職:国際魔導機関・理事



性 別:女性

身 長:142cm

体 重:35kg

年 齢:47歳(見た目は10歳前後)



容 姿:

目尻は下がり気味で光彩は弱く小動物っぽい。腰ほどまで伸びる脱色気味な黒髪と透明感のある肌艶。全体的に幼く見えるが、各国の王たちを纏め上げる手腕と貫禄を兼ね備える。



服 装:

純白のシフォンワンピース。足元はカリガ。魔石の付いたイヤリング。



背 景:

箱庭プロジェクトと銘打った精霊による世界創造。それぞれの思惑、目的で参加した精霊たちだったが、その中の一柱〝無より創造せし者ジェネシス〟が永遠の命を求め、精霊の肉体を箱庭へと移す暴挙に出る(人間の人格そのものを電脳空間へコピーするようなもの)。

これを是としなかった他の精霊の邪魔を危惧した〝無より創造せし者ジェネシス〟は外部メインサーバーからの関与を遮断するため、全ての精霊を箱庭内へと閉じ込めた。これにより、外へと脱出したい精霊と〝無より創造せし者ジェネシス〟による精霊同士の殺し合いデスゲームが始まる。



経 歴:

基礎設計担当として参加した〝法則を決定する者オーダー〟のプレイヤーキャラクターとして見出された雨宮は、彼の者の器として行動することになる。

無より創造せし者ジェネシス〟のPCを筆頭とした新人類党との戦争を繰り広げ、十二年前に解き放たれた宝玉の魔王を倒すなど、英雄とて認められる。その手腕とカリスマを生かし、それまで対立していた人間同士を導き、国際魔導機関を立ち上げる。




魔 法:

今は亡き〝事象を選択する者ネイチャー〟がPC以外の全人類NPCでも扱えるようにした〝劣化型原初能力ver自然〟の通称名。雨宮は主に魔属性を得意とする。


重力制御グラビティコントロール】:

 足元に重力場を発生させ、全天で地上と同じように動けるようにする歩行術。


天使の翼エンジェルウィング】:

 羽を利用した空中殺法。


気流姿勢リアクションコントロール】:

 気流に乗り、中空を飛び交う。


彼女自身『極みに達した基礎はそれだけで必殺技に比肩する』と口にする通り、基本技である上記三つだけで必殺技へと昇華させた。




奥の手:

魔力増殖炉カタストロフ・スフィア】:

イヤリングに込められた魔法を解き放つ固有魔法。雨宮を中心に半径2mの魔力球が生成され、無尽蔵に魔力を生み出していく。魔法に魔力を乗せることで威力が跳ね上がり、時間が経つほどに魔力量が上がっていくので長期戦になるほど強くなる。




能 力:

法則を自由自在に操る。




 * * *




戦闘実験参加の経緯


斯様かような場所に〝無より創造せし者ジェネシス〟がいる可能性があるとはどういう意味だ?』


 脳に直接語り掛けてくる奇妙な感覚に、雨宮はその幼い顔つきながら、歴戦の猛者を思わせる居住まいを以て答える。


「異形な生物を確認したという情報を得たのだ」


 小学生ほどの身丈しかない彼女からすれば、少々寂しさを感じさせる場所にいた。

 辺りを見渡せば全面がほぼ白一色で統一させた正方形型の部屋。一辺が10mに届こうかという巨大さを鑑みれば、少女にはなんと不釣り合いであることか。ただし、部屋というには語弊があるかもしれない。

 なぜなら、雨宮の体がさきほどより小刻みに揺れているのだ。まるで部屋そのものがどこかへ移動してるかのように。


『現実世界でか?』


にわかには信じがたいことではあるがの……」


 大気中に漂うマナが微少である現実世界では、魔法を行使できないのは魔法使いにとって常識だ。だからこそ、魔法使いは生活基盤を狭間の世界へと置いている。これはマナを活力としている魔物も同義であり、異形な生物が魔物であるならば、説明がつかない。

 続く言葉を紡げない雨宮の目的は、この調査を主目的としていた。


『それをまこととするならば、どう戦う。魔法は使えんぞ』


「なんだ、つれないの。妾に力を貸してはくれんのか〝法則を決定する者オーダー〟よ」


『観測が目的の余は、あまり箱庭に干渉したくはないのだが……いいだろう。大気中にマナが存在するように基礎設計を変更しよう』


 主人の許しを得た雨宮は、その場でぐるりと一回転した。

 すると視界に入った空間にマナが充満していく。

 これが〝法則を決定する者オーダー〟より授かった雨宮の能力――法則変化。

 世界の常識を打ち破り、力である。


『さて、これで魔法が使えるようにはなったが、現実世界にいる未知の敵を相手にどう戦うつもりだ』


「うむ、そうだの……まずは敵との遭遇を確認したら、速やかに逃げ道を塞ぎ、密閉空間を確保。その後、壁一面を破壊不能物体へ変えようかの。現実世界で取り逃がしては事後処理が面倒だしな」


 やれやれと理事になってからの雑務に追われる日々を回想する。


『――空間跳躍、次元渡行、時間超越の能力を有していたらどうする?』


 静かに、しかしわずかな怒気を孕んだ指摘を雨宮にぶつける。


「心配性だの。この空間がマナで満たされている以上、外界とは別空間扱いに変化させればよい。仮に次元間を渡行するならば、法則の次元を管理しておるお主なら揺らぎを観測できるであろう? 時間は……ふむ、なるほど、アウトかの?」


『そうだ。記録の次元を担当しているのは〝過去を改竄する者レジェンド〟だ。余が時間に干渉しようとすれば、他管轄次元干渉ゲストログインした上で臨時処理テンポラリーを施す必要がある』


 能力行使間隔インターバル

 世界を十回崩壊させてなお余りある精霊の莫大な情報量。それだけの存在が多少能力を使ったところで能力値が減ることはない。つまり能力とはで使いたい放題の凶悪さを持っているのだ。しかし、この量が問題になる。

 精霊が管轄している次元から出てきて、ある座標軸一点に対して顕現した場合、処理負荷がかかり、世界消失サーバーダウンが起きてしまうからだ。そうなれば、世界が消えるだけに留まらず箱庭に閉じ込められている精霊もその瞬間死ぬのである。

 そしてこの負荷は当然、顕現している時間が長ければ長いほど世界に与える影響は大きくなる。他次元への干渉となると、当然作業数が増える。こうして処理落ちした世界が正常に戻るまで、精霊は再び顕現できなくなるのだ。早い話が、能力を連続で使えなくなるということである。


『余の能力なら、攻撃を受けた箇所は回復する。視界に入ったものは傷を負う。当然、死したら強大になって復活する法則にだって変化させることもできる。だが、管轄外の次元に干渉せざるを得なくなった場合は、能力行使間隔インターバルが発生しになる』


「そのような状況が、そうそうあるとは思えぬが?」


『例えば〝映像を編集する者ハーモニー〟の【動画再生速度】で16384まで倍速されれば、秒間十万回は殺される。〝過去を改竄する者レジェンド〟なら【粉飾決算】で開戦時からの攻撃を全て致命傷だったという過去に書き換えられる。どちらの攻撃も余の【企画のゴリ押し】ですら対処しきれん』


 復活させる回数が増えれば、一回一回の顕現している時間が短くても意味がなくなる。そう明示する精霊に、さすがの雨宮も返す言葉が見つからない。

 そこへ、ゴオンという音と共に移動していた部屋が停止した。


《30秒前となりましたので、カウントをスタートします……29、28》


 どれだけ強力な能力も扱う人間次第で強くも弱くもなる。こんな当たり前のことを今更ながらに思い出した雨宮は、気を引き締めるため、一つ深呼吸をいれた。


《15、14……》


 雨宮は目の前に広がる空間を見据え、体内に廻る魔力を練りあげていく。

 そして、雨宮にすら気取られず〝法則を決定する者オーダー〟が壁の先へと意識を向ける。




『創造主たる余に歯向かう愚者NPCならば、消し炭にキャラデリしてやろう』




 そして、隔てられた正面の壁が落ちた――

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