第3話

 僕はかばんから携帯ゲーム機を取り出した。老舗しにせゲーム会社三宝堂さんぽうどうから昨年発売された携帯ゲーム機、サンポウドーPS。確か、正式名称はサンポウドープレイスタイルだったはずだ。

 大きさは、僕がよく読んでいるマンガの単行本よりもふた回り小さいぐらいだろうか。二つ折りになっていて、開くと上下両方に画面が付いている。画面はどちらもタッチパネルになっていて、指で画面に触れることによって操作が可能となっていた。

 上の画面の両脇にはスピーカーが付いている。両方のスピーカーからまっすぐ下へ降りてくると、折りたたみの結合部の少し上に小さな穴があった。これはマイクとなっており、オンライン状態ならばゲームをしながらでも相手との会話が可能だった。電話代が掛からないためオンラインにしてゲームをせずに、サンポウドーPSを電話代わりに使用している人もいるらしい。

 下の画面の左側には十字型のボタン。その下にきのこがつぶれたような形をした、コントロールスティックがある。十字型のボタンで項目の選択等を行い、コントロールスティックで――多方向に操作が可能のため――キャラクターを移動させるような使い方をするゲームがほどんどだった。

 下の画面の右側には、丸型のボタンが四つ配置されている。四つのボタンにはαアルファβベータγガンマδデルタが印字されていた。こちらのボタンについては、各ゲームの内容によって機能はさまざまだった。

 画面の右下の延長線上にも、αボタンなどの四つのボタンよりも小さなボタンが二つある。これはスタートボタンとセレクトボタンだ。ゲームを始める際に、タイトル画面でゲームモードを選択するぐらいしか用途はなく、頻繁ひんぱんに使用されることはなかった。

 本体を持った際、ちょうど両手の人差し指が当たる部分にもボタンが配置されている。横長で、αボタンの二倍の大きさがある。これはレフトボタンとライトボタンだ。このボタンも各ゲームによって機能はさまざまだったが、主に操作を補助するような機能が割振られていることが多かった。

 サンポウドーPSはカラーバリエーションも豊富だった。僕のは空。タカは海だった。サンポウドーPSはカラーバリエーションを漢字一文字で表現している。空は青。海は濃い青――もしくは群青ぐんじょう色か――。他にも、闇、雪、桜、苺などのカラーが存在する。

 僕はビースト・オブ・ザ・ゴッドのパッケージを開け、中身を確認した。中には説明書とPSD――プレイスタイルディスク、これがサンポウドーPSのソフトだ――が入っていた。

 PSDを取ると、サンポウドーPSへセットした。僕は説明書を読まない主義だ。ただめんどくさいだけだが。

 ベッドへ寝そべり、サンポウドーPSの電源を入れると、上の画面がゆっくりと明るくなっていく。下の画面に変化はない。画面に三宝堂の文字が現れる。その文字が消えると、ビースト・オブ・ザ・ゴッドのオープニングムービーが始まった。

 青空に雲がいくつか浮かんでいる。画面の下には山脈のような尾根が映し出されていた。その空をグリフォンが力強く翼を羽ばたかせて、翔けていく。カメラが近づき、グリフォンは画面いっぱいに映し出されると、咆哮ほうこうする。カメラはそれにおびえたかのように、ゆっくりとグリフォンがから遠ざかっていった。

 グリフォンの上空には白い物体があった。次にカメラはそれに向かって近づいていく。その白い物体は馬だった。しかし、背中には翼が存在する。全身雪のように真っ白なそれは伝説上の生物、ペガサスだ。グリフォンとは違い、ゆっくりと翼を羽ばたかせ優雅ゆうがに空を駆けていった。

 画面は切り替わり、森の中へと入っていく。森の中は薄暗く、太陽の光もここまでは届かないようだ。カメラは木々の隙間をぬうように、奥へ奥へと進んでいく。森をしばらく進むと、泉が現れた。泉には一頭の馬が水を飲んでいた。この馬も雪のように真っ白だった。薄暗い森の中で、その馬だけが光を放っているかのようだった。馬の額には一本の角が生えている。ユニコーンだった。ユニコーンの周りには、何匹もの蝶が舞うように飛んでいる。ユニコーンが頭を上げると、一匹の蝶が額の角へと留まった。

 また、画面が切り替わった。山の中腹に大きな穴が開いている。その穴は闇が充満しているかのように暗く、中の様子までうかがい知ることはできない。カメラはその洞窟の中へと入っていく。しばらく闇の中を進んでいると、奥に灯りが見える。灯りは壁にかけられたいくつかのたいまつだった。通ってきた道よりも広く、天然の広場のようだ。一つのたいまつの側に、一匹の竜がうずくまっていた。眠っているのだろうか。竜はピクリとも動かなかった。よせばいいのにカメラはゆっくり、ゆっくりと竜に近づいていく。手を伸ばせば竜に触れられそうだ。途端、竜の目が見開いた。今度はカメラの動きが止まる。そして、カメラはゆっくりと後退こうたいを始めた。竜はゆっくりと頭を上げると、カメラに向かって口を開いた。次の瞬間、竜の口から炎が噴き出し、カメラを包み込んだ。

 ゆっくりと画面が暗くなり、ビースト・オブ・ザ・ゴッドのタイトル画面が現れた。どうやらオープニングムービーが終了したらしい。茶色の背景に、黒で縁取りされた赤い文字でビースト・オブ・ザ・ゴッドと書かれている。

 スタートボタンを押すと、画面はキャラクター選択画面へと切り替わった。ここで自分の分身を作成するようだ。

 僕はいくつかのベースから、一つを選びキャラクターを作成していった。髪型、髪の毛の色、目、鼻、口などの顔のパーツなど、服装などを自分好みのものへ変更する。つんつんした黒髪のキャラクターができあがった。最後にキャラクター名を決定する。僕はキャラクター名をKYO――なぜかキャラクター名はアルファベットでしか入力できなかった――に決めた。

 キャラクターの作成が終わると、画面が暗くなった。そして、暗い画面のまま、声が聞こえてきた。

「ようこそ、ヴァースへ」

 画面に声と同じ内容の文字が表示される。

「……ヴァース」

 僕が思わず呟くと、それが聞こえたかのように画面の声は続けた。

「そう、ヴァース。なんじらのいる世界とは別の世界。強大な力を手に入れ、この世界の王となるか。蔓延はびこりつつある魔を滅し、英雄となるか。まだ見ぬ財宝を探し出し、莫大ばくだいな富を手に入れるか。それは汝の自由」

 声はさらに続ける。

「この世界では、神獣しんじゅうと呼ばれる生物が存在している。神獣と行動を共にするためには、汝を神獣に認めさせなくてはならない。試練しれんを受けるか?試練を受けるなら奥へと進むがよい」

 声が話を終えると、上画面がぼんやりと明るくなった。上画面の中央に先ほど作成した自分の分身が立っていた。下画面はメニューが表示されている。画面が薄暗いのは洞窟の中だからのようだ。先ほど作成した自分の分身である、KYOの周りを岩壁が囲んでいる。

 目の前には道が続いていた。奥へというのは、この道を進めということだろうか。周りを見渡したが、他に道は見つからなかった。

 道を歩いていくと、だんだんと道幅が広くなっていく。広場のような場所へ出ると、複数のモンスターがうろうろと歩き回っていた。

 ビースト・オブ・ザ・ゴッドのジャンルはRPGロールプレイングゲームだ。一般的なRPGは、キャラクターを操作して、敵――主にモンスター――と戦う。戦闘はコマンドを選択する方法が多い。戦闘を繰り返しながらキャラクターを成長させ、行動範囲を広げていく。行動範囲を広げることにより、新たな仲間との出会いやイベントが発生。物語が展開していき、最終的に架空世界の危機を救う――これが、おおまかな流れになってる。

 一般的なRPGでは、街や城などの安全地帯以外を移動すると敵が出現。戦闘画面に切り替わる。しかし、ビースト・オブ・ザ・ゴッドではそうではないようだ。すでにモンスターが見えている。うまくモンスターをすり抜けていけば、戦う必要はないだろう。

 βボタンを押すと、KYOはその場でパンチを放った。これで攻撃こうげきするらしい。

 ちょうど前方をモンスターが歩いている。モンスターはKYOの半分ほどの背丈で、頭には角が生えている。中腰で腕を地面ギリギリまで下ろして歩いている様は、まるで猿のようだ。しかし、猿のように体毛があるわけではない。裸で腰にだけ布を巻いていた。猿と鬼を足して二で割ることができたとしたら、このような姿になるかもしれない。

 猿と鬼の混合体――猿鬼とでも呼べばいいのか――はすばしっこそうだが、力は強くなさそうだ。KYOは猿鬼に近づき、パンチを放った。パンチが背中に命中すると、猿鬼は三歩ほど先へ吹き飛んだ。

 猿鬼は突然攻撃されたことに驚いた様子だった。だが、すぐさまこちらへ向き直ると、飛び掛ってきた。猿鬼が空中で腕を振り下ろすと、KYOの体に痛みが走った。

「うわっ!」

 僕は思わず声を上げた。爪で引っかかれたようで、KYOはたいした傷ではない。しかし、猿鬼のすばやさに驚いて、僕はひるんでしまった。

 猿鬼はそれを見透かしたように、攻撃を続けてくる。今度はKYOの腕に痛みが走った。僕はその攻撃で我に返った。反撃しなくては。

 パンチを放つと、猿鬼の顔面に命中した。猿鬼は後ろへと吹っ飛ぶ。その顔は怒りに満ちていた。

 距離があってはKYOの攻撃は届かない。近付こうとした瞬間、猿鬼が飛び掛ってくる。先ほどとは違い、僕は冷静だった。飛び掛ってくるところを横っ飛びして避けると、その背中へとパンチを放った。

「ぎゃあああ」という耳障みみざわりな断末魔だんまつまを残し、猿鬼は姿を消した。代わりに、コインが地面を跳ねる。どうやらモンスターを倒すことができたらしい。跳ねているコインはこの世界の通貨なのだろう。

 コインを手に入れると、広場の奥にいる複数のモンスターが目に入った。広場は、猿鬼の仲間たちで溢れていた。全部倒していきたいが、それは不可能かもしれない。僕は慎重に広場を通り抜けることにした。

 しかし、広場の中央までも到達しないうちに、猿鬼が飛び掛ってきた。KYOは二匹目の猿鬼を倒す。猿鬼が姿を消すと、ビンのようなものが現れた。隣でコインも跳ねている。ビンの中には紅い液体が入っていた。

 ビンとコインを入手し、また奥へと進む。何匹かの猿鬼を倒し、いくつかの新しい傷を作ったところで、やっと広場を抜ける道へと入った。

 広場を抜けた時点で、KYOは先ほどの紅い液体の入ったビンを三本と、ナイフを手に入れていた。ナイフを使えば、一撃で猿鬼を倒すことができる。ナイフを手に入れてからは、戦闘がだいぶ楽になっていた。

 道なりに進むと、また広場が現れた。猿鬼たちがうろうろと歩いている。この広場に入って二匹目のモンスターを倒す。と、また紅い液体の入ったビンが現れた。これでこのビンを五本手に入れたことになる。

「これは体力を回復できる薬みたいなものなのかな?」

 僕は飲んでみることにした。まさか、毒薬ってこともないだろう。絶対にないとは言えないが――。

 KYOは猿鬼の攻撃を受けて、かなり体力を消耗している。ゲームの中ではHPヒットポイントという数値で表されている。KYOのHPはすでに一桁だった。この数値がゼロになると、死んだとみなされるのだ。

 サンポウドーPSの下画面にはHPのバーが存在し、視覚的にHPの増減がわかるようになっている。バーの色は通常時は緑。HPが減るにつれて、バーの色はオレンジへと変化する。そして、バーが赤になると死が近いということらしい。すでにバーの色は赤になっていた。

 ビンの紅い液体を飲んだ途端に、KYOの体が光り輝く。体が光を放ったのは一瞬だった。そのまま光は、体の中へ吸い込まれるように消えていった。すると、みるみる傷がふさがった。先ほどまでの傷はすっかりなくなり、HPのバーの色も緑へと変化した。

 また広場を奥へと進む。奥に新たなモンスターが立っているのが見えた。猿鬼とは明らかに違う。体格はKYOの倍近くあり、筋肉質だった。腕は太く、KYOの胴回りほどあるように思われる。そして、顔には大きな目が一つと口があるだけだった。

 すでにKYOは、その大きな目の視界に入っていた。KYOが一歩進むと、一つ目の巨人も一歩距離を縮めてくる。

「ここを通すわけにはいかん」

 巨人が口を開いた。どうやら、この巨人を倒さないことには先に進めないようだ。巨人の後ろには道が続いている。

 僕は意を決して巨人へ近付く。巨人は見るからに力が強そうだ。近付くのが得策ではないとわかっているが、近付かなくてはこちらの攻撃も当たらない。飛び道具でもあれば話は別だが。

 KYOは巨人の右側へと回り込むと、ナイフを振るう。腕にナイフが当たり、巨人がった。

 なんとか戦えそうだ――と思った瞬間、巨人のこぶしがKYOを殴りつけた。KYOは壁際近くまで吹き飛ばされる。巨人は見かけ通り、怪力だった。最大値だったHPのバーが三分の一ほど削り取られた。

 KYOは再度巨人に近づき、ナイフを振るう。巨人も拳で応戦してくる。そんな一進一退の攻防がしばらく続いた。巨人は体力も人間とは比べ物にならないらしい。KYOが体力を回復しながら戦っているにも関わらず、互角に渡り合っているのだ。すでに四本あった回復薬は、最後の一本になっていた。

 巨人は渾身こんしんの力を込めて、拳を振るう。KYOは壁まで吹き飛ばされ、激しく背中を打ちつけた。HPバーは減り、オレンジに変わる。

 KYOは最後の回復薬を服用する。これで、回復薬はなくなってしまった。後、三回ほど巨人に殴られれば死んでしまう。それまでに倒せるだろうか。

 KYOがナイフで巨人を切りつける。巨人はお返しとばかりに拳を振るう。後、二回。KYOのナイフ。巨人の拳。後、一回。巨人はまだ倒れない。

 しかし、KYOには攻撃するほか道は残されていなかった。押し切るしかない。KYOは残っている力の全てを込めて、ナイフを振り下ろした。

 巨人の拳――がKYOに向けられることはなかった。

「無念……」

 という言葉を残し、巨人が姿を消す。つま先から足、腰、胸、そして頭へゆっくりと。まるで、消しゴムでもかけられたように消えていった。

「……やった」

 僕は思わずつぶやく。巨人の奥にそびえていた道が、祝福しているかのように輝いているような気さえした。

 KYOは慎重しんちょうにその道へと進む。体力が残り少なく、まだ猿鬼がうろうろしているからだ。今、猿鬼に攻撃を仕掛けられたら、命を落とす危険性があった。

 慎重に慎重をきっして、KYOは広場を抜けた。なんとか猿鬼に攻撃をされずにすんだ。巨人の奥にあった道は今までとは少し違っていた。道を進んだ先に、洞窟の中には不釣合いな豪華ごうかでいかにも頑丈そうな扉がそびえていた。

 扉の先にまた巨人が待っていたら――。しかし、進むしかないのだ。KYOはゆっくりと扉を開けた。

 扉の中は先ほどまでの広場の数倍の大きさだった。すると、また謎の声が響く。

「よくこの試練を耐え抜いた。汝のこの世界での相棒になりたいと志願した神獣が、待っている。神獣を選ぶがよい」

「神獣を選ぶ……」

 部屋の中には、神獣と呼ばれる伝説の生物が三体たたずんでいた。神獣は全てKYOの五倍ほどの大きさがあった。

 右は、わしとライオンの混合体。グリフォンだ。頭と前足、翼が鷲で、それより下はライオンのようだった。鋭いくちばしと爪を持っており、つかまれたらひとたまりもないだろう。鳥の王者と百獣の王の体、両方を併せ持つその姿は、たたずんでいるだけでも気品が感じられた。

 真ん中は、巨大なトカゲのような体。ドラゴンだ。頭には二本の角があり、頭から背中にかけて、ふぞろいなのこぎりの刃のようなたてがみが三本走っている。背中にはこうもりのような翼が生えている。背中に翼が生えている恐竜といった感じだ。鋭い牙と爪が光っている。強そうだが、恐ろしい印象を受けた。

 左の神獣は、巨大な蛇のような体に手足が生えている。頭には鹿のような角が生えていて、口元には長い髭がある。手足は鷲のようで、鋭い爪が生えていた。こちらもドラゴンだ。先ほどの竜が西洋の竜なら、こちらは日本や中国のような東洋の龍といえばいいだろうか。体は純白で、自身が神聖な存在であることを物語っているようだった。

「グリフォン以外はどっちもドラゴンか……」

 僕は正直、今の状況にうんざりしていた。マンガもゲームもドラゴンばかりが扱われている。確かにドラゴンはかっこいいし、強そうだ。僕だってドラゴンは嫌いじゃないが、どれもかしこもドラゴンでは飽きてしまう。もう、ドラゴンはおなかいっぱいなのだ。

「よし、グリフォンに決めた!」

 僕はグリフォンのたたずまいに好感が持てた。それに、ドラゴンを相棒にする人が多いであろうことは容易に想像がつく。人と同じなのは嫌だ。

 KYOはグリフォンの前に立つと、神獣を決定した。途端、他の神獣に光が降りそそぐ。二匹の神獣は光に包まれたかと思うと、頭上へ吸い込まれるように姿を消した。

 サンポウドーPSの下画面が切り替わった。相棒に名前を付けられるようだ。初期値として『グリフォン』と記入してある。

 僕は相棒の名前を『グリフィン』へと変更した。始めのままでもよかったのだが、それでは愛着が湧かないだろう。

 名前が決定すると、グリフィンは背中にKYOを乗せた。これでやっと僕は、グリフィンに指示を出せるようになった。

 グリフィンはKYOと比べるとやはり巨大だ。体全体を使っても、頭を覆い隠せない。僕はグリフィンがとても頼もしい存在に感じた。

 また謎の声が響いた。

「さあ、ゆくがよい」

 その声と同時に部屋の奥にあった扉が開く。洞窟内に眩い光が差し込んできた。扉の先は外へと繋がっているようだ。

 KYOとグリフィンはそこから外へ出た。扉の先は、ちょっとした広場のようになっていた。視界一面に青空が広がる。どうやらここは丘の上らしい。

 頭上には澄み切った空が広がり、雲一つない。丘の下には草原が続いている。右手には、川があるようだ。太陽の光が乱反射している。さっきまでの洞窟とは対照的に、この場所は光に満ち溢れていた。薄暗い洞窟に目が慣れていたので、まぶしいぐらいだ。

 丘の上は、複数の草花で溢れかえっていた。風に揺れる草花は、新しくこの世界にやってきたこと、そして試練を耐え抜いたことを祝福しゅくふくしているかのようだ。なんて穏やかな世界なのだろう。

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