第11話 星戦士・金姫の剣

 其は、まさに悲劇であった。


 レイが『魔獣殿下』を吹き飛ばした瞬間、誰しもが此の非道な暴力行為が終わった。


 そう思った瞬間、その惨劇が起こった!


魔獣殿下まじゅうでんか』から切り離された巨大蛇、アナコンダがハルチカを襲い!


 隣にいたコーネリアが『魔導防御』と叫んで、ハルチカの前に出た瞬間、


 二人を薄緑色の光が包み込み、


 その光景を見たアンリとドリスはコーリの桁外れた魔導術に驚いたのも束の間、


 その薄緑色の光を巨大な蛇がバリバリと食い破る光景に恐怖し、


 薄緑の光が割れて、巨大な蛇がハルチカを襲った時、


 二人は信じられない光景を見る!


 コーリがハルチカを庇って、その喉元に巨大な蛇の牙が刺さっていた!


 自分達の悲鳴が、全力で駆け寄ろうとしているレイが、


 まるで別次元の出来事のように感じらたアンリとドリスは、


 その世界で、コーリの声をハッキリと聞く、


「良かった・・ハルが助かって・・愛してる・・・ハル」と囁く声を!


 アンリは死を賭けたコーリの思いに愕然とし、其の思いに今まで気がつかなかったハルチカに対して怒りが込み上げ、


 バカだ!!コーリは大バカだ!


 あんなに!あんなに!アイツの事が好きなのに!アイツは!アイツ!


 アイツはあんたの気持ちなんかこれっぽっちも気付いて無いんだ!!


 アンリは泣いていた。


 ドリスも泣きながら必死でコーリの側に行こうとしていた、


 田舎娘の自分ならコーリを助けらる!


 止血をして、それで、それで!


 ドリスは応急措置を思ろい出そうと必死だった!


 絶体、あんな蛇、畑にいる蛇と同じ!


 だから、だから、コーリは助かる!


 必死だった!


 二人がコーリのそばに駆け寄ろうとした時、


「ウァアアアアアアアアア!!!」


 ハルチカの叫び声を聞いた時、


 コーリとハルチカを黄金のまばゆき光が包み、


 アンリとドリス、二人は驚愕の光景を目にし、立ち止まる!


 光は僅かな時間、黄金色に輝き、


 その輝きより、現れし、ハルチカをかかえたコーリは、


 髪は光輝くプラチナブロンド、瞳に薄い金のアイシャドー、唇は薄く金に輝くメタリックピンク、首には金のチョーカー、耳には金のピアス、白きレオタードにオレンジの胸当てに同じくオレンジのミニの腰当て、胸当てには紺と黄金の飾り、腰当には黄金の飾りが付き、両腕に白きオペラグローブと両脚にはオレンジのハイヒール、そして黄金の地に銀の模様が刻まれた、黄金の錫杖ゴールドスタッフ・エルドラリアスを手にした、


 コーリが、


 星姫戦士スタープリンセスソルジャの一人!


星戦士せいせんし金姫プリンセス・ヴィーナス


 が世界に顕現けんげんした瞬間であり、


 アンリとドリスは愕然とする、


 コーリも、レイと同様に強き戦士として、生きて!


 生きて!


 自分達の目の前に、


 現れた!


 その事実に!


 そして、息もせず顔色が蒼白で、依然、下半身がスッポンポンのうえ、自慢のチンが小さく項垂うなだれているハルチカを右手でかかえたコーリは、


 左手に手にしている黄金の錫杖ゴールドスタッフ・エルドラリアスを高くかかげ、


黄金回帰ゴールドリカージョン!!』と叫んで、黄金の錫杖ゴールドスタッフを大地に打ち付けた瞬間、


 スパアァアアアアアンンンン!!!


 コーリを中心に黄金の輪ゴールドサークルが生まれ、


 輪は急速に広がり、


 星炎大社せいえんたいしゃを包み込む!


 大社の前庭で、バリーガントに敗れ傷ついて意識を失っていた『炎社磨人エンシャーマン』達が、黄金の光の中で、次々と元の姿に復活する!


 腕を吹き飛ばされた者は、吹き飛ばされた腕がある姿で、


 内臓を破壊された者は、破壊された内臓が元の内臓の状態で、


 死者以外は、全て、元の状態で、


 ブルフェス・リィーガントも!


 流石、『炎社磨人エンシャーマン』ナンバーワン!


 彼は虫の息でも生きていた!


 勿論、ナンバーツウーのジャリコス・チェーンソーも復活し、


 驚く事に、


「ウィ!」、「ウィ!」、「ウィ!」、


 あの、百人の戦闘員の皆様迄、元気に復活し、


 更に、破壊された星炎大社せいえんたいしゃも綺麗に復元し、


「ウィ!」、「炎炎!」、「ウィ!」、「炎炎!」と、


 前庭は大混乱!


 もちろん、我らのハルチカも顔色は戻り、パンツがズボンが復活して、息も正常に戻り、うっすらと目を開ける。


 コーリとハルチカのそばに駆け寄って来たレイは驚いて、


「コーリ!此は一体!」、とコーリに何が有ったのかを問い、


 コーリが説明しようとした時、


 記録官が右手を上げ、「おっと!解説は私の役目、仕事を捕らないで頂きたい!」、と分けの分からないちょっかいを偉そうに出し、


 何言ってんだ、コイツ、ってな顔と呆れた顔を加えて二で割った表情のレイとコーリは、記録官を睨む!


 記録官はうれしそうに、「良いですねぇ、その笑顔!」


 笑顔じゃないって!


 二人は怒ってるんだって!


 記録官はレイとコーリ、ハルチカの事を無視して解説を始める、「うん、此は勿論、回復の星力せいりょくじゃない、確か回復は『水姫プリンセス・マーキュリー』しか使えない筈だし、時間の逆行は時の使い手、『土姫プリンセス・クロノス』なら可能ではあるが、今、彼女は此処には居ない、となると、『金姫プリンセス・ヴィーナス』と『火姫プリンセス・マーズ』が出来るスキル、そうか、分かった!、『金姫プリンセス・ヴィーナス』の『黄金回帰ゴールドリカージョン』!!」


 、と記録官は言っているが、コーリはちゃんとスキルの名前を言ってるし、皆知ってるし、アンリも、ドリス迄が、何やってんだコイツはってな顔で記録官を見る。


 記録官は、そんな事お構い無しに、「『黄金回帰ゴールドリカージョン』は、事象の回帰、黄金の星力せいりょくを使って事象をかっての輝かしい黄金の時に戻す、『金姫プリンセス・ヴィーナス』の特集技能カスタムスキル、その制約は確か自転周期116日に一回しか使えない大技ビックスキル、つまり、今度、その星の鍵セイナルチン、いや『剣の主マスターソード』君に何かあったら、今度は救えないって事ですね。」


 コーリとレイがハルチカの前に立ち、「そんな事はさせない!!」、と言った時、


 ズズズズズズズズズ!!!


 大地が震度6で揺れ!


「わぁ!」、「キャァ!」、「うぉ!」、アンリとドリスが悲鳴を上げ、巫女長ミコマスタが腰を抜かし、


「うわっ!」、まだ意識のハッキリして無いハルチカは転びそうになり、


「ハル!」、「ハル!」とコーリとレイが両側からハルチカを支える。


「あ、有難う、コーリ、レイ。」、と二人に丁寧にお礼を言った後、


 回りを見回しながら、「処で・・・一体、何が起こったの?」、とまだ事態が呑み込めていないハルチカが二人に聞くも、答えたのは、


 蒼白な顔の記録官がハルチカに向かって、「我が眠れるあるじが怒っていらっしゃられます!あるじは壊れた物が元に戻る事が凄く嫌いな方で、壊れた物はもっと壊す事に美を感じる御方だ。」


「ええええええ?」、ハルチカは記録官が何を言っているのか理解出来ないので、


 チンに尋ねる、一体どうう事?


『眠れるあるじ下僕おもちゃあるじ、つまり、我々が言ってる『魔神』の事だ!』


 魔神!?


 ハルチカはビックリして記録官を見る、記録官はそんなハルチカに、我があるじの状態を理解しましたねって顔で、


「あまり、あるじを怒らせると、私でも容赦してくれないのが、あるじ、不幸を買うと、復活するのに二百年は掛かります、ですから此処等であるじが喜ぶイベントを開く事にしましょう。」


 と言って、


 パチン!


 と指を鳴らした瞬間!


『不味い!』、とチンが怒鳴った瞬間!


 前庭にいた百人の戦闘員の方々が!


 バァアン!バァアン!バァアン!


 と破裂して黒い玉となり、


 ヒューン!ヒューン!ヒューン!


 と『星霊山せいれいざん』のふもとに集まり!


 グニョグニョグニョグニョ!!


 と膨らんで、


 m(#▼(エ)▼*)m


 ガァオオオオオオオオ!!!


 其処に出現したのは!


 全長一千メータの超魔獣!


超魔獣殿下すーぱーまじゅうでんか・バリガンギアス』


 その姿は、『星霊山せいれいざん』の頂上のほこらにある『星炎大社せいえんたいしゃ』の洞門どうもんからハッキリと見る事ができ、


「えっ!何!あの熊の化け物!!」、とレイが叫び!


(*`Д´)ノ!


「ハル!」、と再びハルチカの手を握るコーリ、


(;゜∀゜)=O=(; ̄▽ ̄)



「ヒィエー!」、「イヤーン!」、とまたお互い抱き合いながら地べたにペタンとする、アンリとドリス。


(`ロ´ノ)ノY(>_<、)Y


 腰を抜かした巫女長ミコマスタは大きな口を開けている。


(゜〇゜;)


 その時、ハルチカはハッキリと天から笑い声を聞く、


【キャハハハハハハ】


 えっ?今の何!


 チンがハルチカの質問に答える、


『あれは魔神の笑い声だ、ハルチカ、お前の星力せいりょくのレベルが上がったから、魔神の寝言スルブトゥグゥスが聞こえるようになったんだ。』


 魔神の寝言スルブトゥグゥス


『そうだ、寝ているスルプ魔神グゥス戯れ言トゥスだ。』


 魔神グゥス


 ハルチカは此の時、初めて魔神の名前がグゥスである事を知る。


『今迄はハルチカの星力せいりょくのレベルが低かったから、魔神グゥスの話しが出来なかったし、仮に俺が話しをしたとしてもハルチカは理解する事は出来なかった筈だ、だがやっとまず、名前が聞き取れるようになった。』


 つまり僕が成長して、子供が言葉を覚えるように魔神グゥスの事が分かるようになったって事?


『そうだ。』


 言ってる事は分かったけど、でも何故、僕のレベルが上がったの?


『ハルチカ、お前が最初に星力せいりょくを使った時から今迄、多くの事を学び、多くの事を経験した、そしてそれに対して投げ出さず、自分の限界を超える努力をしてきた、だから、今、お前はまず最初の階段ファーストステップを登ったんだ!』


 最初の階段ファーストステップ


 って事は、僕はまだまだ努力しなくちゃいけないって事?


『そうだ、ハルチカ、まだまだ努力する必要がある、まずは兎に角、此の事態を切り抜ける事が先だ!』


 そうだね。


 二人の会話は現実時間で、一秒の十分の1、魔神グゥスの笑い声は記録官にも聞こえて、


「おぉ、我があるじがお喜びになられた、では、主役は『超魔獣殿下すーぱーまじゅうでんか』に譲り、私は此の舞台から降りるとしましょう。」


 ハルチカも、コーリ、レイもビックリして、


「えっええええええ!!」、と三人同時に呆れた。


 記録官はまたまた嬉そうに、「いやぁ、そんなに名残惜しがられても、また今度会えますし、」


 レイが怒りながら、「違う!此の状況をほったらかして逃げる事に呆れてんだ!」、と記録官を指で指して怒鳴る!


(*`Д´)ノ!!!


 記録官は笑いながら、


「遊んであげて下さい、『超魔獣殿下すーぱーまじゅうでんか』はあるじ下僕おもちゃ、此の『星霊山せいれいざん』を破壊する為に産まれた魔獣、宜しくお願いします。」、と言ってゆっくりと消えてゆく記録官であった。


 そして、その時、


 ズズズズズズズズズン!


 再び『星霊山せいれいざん』が揺れる!


超魔獣殿下すーぱーまじゅうでんか・バリガンギアス』が『星霊山せいれいざん』の破壊を始める!


 巨大な四本の腕を振り回しながら、『星霊山せいれいざん』の山柱さんちゅうを削る!


 m(#▼(エ)▼*)m☆☆☆∫∫∫


 ガリガリガリガリガリ!!!


 巫女長ミコマスタはやっと我に返り、立ち上がって炎社磨人エンシャーマン達に指示を出す!


「此処は危険じゃ!此の山にいる全員を、山から避難させるのじゃ!!」


 炎社磨人エンシャーマン、全員が、「はっ!マスター!!」、と指示に従い、社殿に隠れて此の非道な暴行からの被害をけていた従業員の所へ向かう。


 レイが、「私も手伝う!」と言った時、


「駄目だ!」、と言って握っているコーリの手を離して、目の前のレイの手を握り締め、走り出そうとしたレイを止める。


「ハル?」


 レイは困惑してハルチカを見る。


 ハルチカは必死に、「ある人が言ってるんだ、此の星霊山せいれいざんが破壊されたら終わりだって!」


 コーリは、「ハル、ある人って、コーリン・オーウェルの事?」


 ハルチカは、一瞬、躊躇ためらった後、コーリに自分のチンがまさか、コーリン・オーウェルだとは言えない為、「其は、僕にも、その人が何者かは知らない、只、分かってる事は、その人は僕達の味方だ!」


 ハルチカは言葉を続ける、「その人が言うには、此の『星霊山せいれいざん』は、星力せいりょくを集め大地に流し、『魔神グゥス』、を押さえているって言ってた。」


 レイは慌てて、「ちょっと、ハル、今、何て言ったの?何を押さえているって?」


 コーリも不思議そうに、「私も聞き取れませんでした、もう一度、おっしゃって下さい、ハル。」


「えっ!」


 ハルチカはコーリとレイの二人が『魔神グゥス』の言葉を理解出来ない事に愕然とし、


 此が、チンの言ってたレベルが低いと理解出来ないって事だと気付くハルチカであった。


 ∫∫∫☆☆☆m(#▼(エ)▼*)m


 ガリガリガリガリガリ!!!


 再び、『星霊山せいれいざん』が地響きと共に揺れ、


 ハルチカは慌てて、「と、兎に角、僕達なら彼奴あいつを倒せる!だから、」


 そんなハルチカをレイがさえぎる、「ハル、気持ちは分かるけど、あんなでっかい化け物、私達だけでどうすればいのさ、あれ、軍じゃなきゃ無理だよ!」


 「レイ、その人が言うには、此の大社には、あいつを倒す為の力があるって言ってるんだ、名前は『星姫守護機神スタープリスガーディアン』!」


 コーリとレイは同時に、「『星姫守護機神スタープリスガーディアン』!!」、と口にした時、


 彼女達が装着している、『星姫武装スタープリンセスガード』が、薄く光始める。


(;゜∀゜)(゜_゜;)


 その時『星姫スタープリンセス』である二人は、初めてハルチカが真実を言っている事を知る。


 更にハルチカは、社殿の奥の殿の方を指しながら、「彼が言うには、彼処に、それを起動させる鍵があると言っている、たがら彼処に行こう!」、と言ってハルチカは奥の殿に向かって駆け出す。


 レイは困った顔で、「ハル、でも彼処には、」、と言いながら、コーリとレイもハルチカの後に続き、


 取り残されると怖いので、アンリとドリスも、「私達も行こう!」とアンリが、「うん。」とドリスが答え、二人も後に続く。


 巫女長ミコマスタは、奥の殿に向かう彼等を目で追いながら、心の中でコーリン・オーウェルに祈り、そして避難する人々の指揮を取る。


超魔獣殿下すーぱーまじゅうでんか・バリガンギアス』は、『星霊山せいれいざん』の破壊を更に続ける!


 ∫∫∫☆☆m(#▼(エ)▼*)m☆☆∫∫∫


 ガリガリガリガリガリ!!!


 もはや、残された時間は少ない!


 急げハルチカ!!


 頑張れハルチカ!!!




 そのハルチカが奥の殿の先の本殿を見て愕然とする!


( ; ゜Д゜)


 其処にある御神体は燃え盛る黄金のチン


 炎金♂金炎


 勢い良く本殿に飛び込んだハルチカではあったが、此の光景に言葉が出ず、


「え、ええと、」


 レイは開き直って、「うちは、もともと、枯れたひとがうちの御神体を拝むと再び燃え立つ事が出来るように成る事で有名なんだけど、その力の源が此の御神体って分けで、私は女だから分からないけど、だいたい、ハルだって、立たなくなったから此の御神体に拝みに来たんでしょ、御利益有ったじゃない。」


("⌒∇⌒")


 その時、チンが此の御神体について一言、


『ハルチカ、その燃え盛る黄金のケンこそが、我が失われた、金と炎のつるぎ!』


 金と炎のつるぎって、


 金と炎のチン


 コーリン・オーウェルのチン


「ええええええ!!!」


 ハルチカはチンの一言で、ビックリしてつい、大声を出してしまい、


(゜〇゜;)


 コーリが、「どうしたの、ハル!」と心配して声を掛ける。


『さあ、ハルチカ!そのケンをお前の中に取り込むんだ!今のお前なら出来る!!』


 体の中に取り込むって?


 尻穴←


 ←尻穴


「ええええええええええええ!!!」


『ち、違う!俺の大切なケンを変な所へ突っ込むな!!』


 そ、そうだよね、あんなの突っ込んだら穴が切れちゃうし、焼けちゃうよ!


 ハルチカは安心して、


 じゃどうすれば良いの?


『簡単だ、ただ握ればい、今のハルチカだったら握れる筈だ!』


 えっ、握るの~


『あっ、今、ちょっと嫌だと思ったろ、おっ、俺だって野郎より、可愛い姉ちゃんに握られたいんだぞ、ハルチカ!』


 チンが怒ったので誤魔化すように、


 いや、熱そうだなって思っただけだよ。


(* ̄∇ ̄)ノ


『・・・確かに普通の人間が触ったら手が焼け落ちるが、レイと(ФωФ)にゃんにゃんしたお前なら大丈夫だ。』


 そっ、そうなの。


 ハルチカはチンに説得されて、御神体の前に行き御神体に触ろうとする。


 コーリとレイはハルチカの行動にビックリして、


「ハル!」、と言いながらハルチカの行動を止めようとするが、


「大丈夫!」、と言って二人を左手で止め、


 ハルチカは己れのチンを信じて、


 そうっと、右手を御神体に近付ける。


 確かに熱くない。


 ハルチカは一旦、瞳を閉じて、己れの決意を確認した後、


 グワッ!


 目を見開き、一気に御神体を掴む!


 ガシッ!


 その瞬間、


「ウァアアアアアアアアア!!!」


 ハルチカの悲鳴が本殿中に響き渡り、


「ハル!!!」、コーリとレイの叫びが、


 ハルチカの体の中に黄金に輝く炎が激流の如く流れ込み、


 流れ込んだ炎が全て、己れのケンへと集まり、


「ガァアアアアアアア!!!」


 ハルチカのケンが膨らみ、破裂寸前の激痛がハルチカを襲った!!


 ハルチカはケンを押さえながら、本殿の床を転げ回り、その激痛に耐えた!!


 しかし、ケンへと流れ込む黄金の炎の激痛は止まらず、


 遂に、


 ハルチカの限界を越え、


 バカァアアアアアンンンン!!!


 ケンが破裂した瞬間、


 ハルチカは現実の意識を手放し、


 一人、裸の状態で、清み渡る蒼空あおぞらが水面に鏡のように写る、水平線迄続く、水面に一人立つ!


 直ぐに、ハルチカは今までの状況と違う事に気付く、


 今までは、天空は星輝く夜空に対して、今回は雄大な雲海が流れる蒼天そうてん


 今までは二人だったのに、今回はただ一人、


 しかし、遥か彼方に、もう一人の影が見える。


 その影をハルチカが認識した時、


 ハルチカのケンは、猛烈に力の奔流が沸き起こり、


 ハルチカは本能で、此の力を外に出してはけない事を知り、


 その吹き上がる激流を押さえる!


『ソノチカラヲ私ニ!』


 えっ?


 ハルチカがその呼び掛けに意識を向けた時、


 グウワァアアアアア!!!


 景色は高速に流れ、一気にその影の前に立つハルチカ!


 えっ!


 その影の正体は、白き像、


 頭に飾りの無い白き宝冠ほうかん、胸にベスト型の白き胸当て、腰にミニスカート型の腰当、


 その姿勢は、膝を水面に付け、背筋を伸ばし、両手を水面に付けて真っ直ぐに延びきった状態ポーズ


 °| ̄L


 後背位バック・スタイル


 今なら分かる、自分が何をしなくちゃいけないのかを、


『ソノチカラヲ私ニ!』


 ハルチカは見る、その後ろにある美しい、


 ф


 ハルチカは理解する、自分が何をしなければいけないのかを!


 ф←


 ハルチカは、白き像の腰に手を当てて、自らの天に直下立そそりたつるぎでその像を、一気に貫く!


 ズバッシュウウウウウ!!


 ←ф


 その瞬間、


 白き像は、赤と黄金の閃光を発し!!


 ハルチカを襲う、万の快楽!!


「あっ!」


 ドバッシュ!ドバッシュ!ドバッシュ!


「えっ?」


 ハルチカはこらえる事が出来ず、


 その蓄えた星力せいりょくを一気にその像に放出した瞬間、


 ハルチカの意識が!


 レイの意識が!


 コーリの意識が!


 レイの意識が語る!


 ハルチカが燃え盛る黄金の御神体を握って、その御神体を握りながら絶叫して、床に転げ回った時、


 レイが、「ハル!」、と叫びながらハルチカに近寄った時、


 レイの星姫武装スタープリンセスガードが赤く閃光し!


 コーリの意識が語る!


 コーリが、ハルチカから御神体を取り上げようとして、「ハル!!」と叫んだ時!


 コーリの星姫武装スタープリンセスガードが黄金に閃光し!


 赤と黄金の光が一つになり!


 一つになった光は、白き光!!


 光は一直線に外に飛び出し、『星霊山せいれいざん』を破壊している、『超魔獣殿下すーぱーまじゅうでんか・バリガンギアス』の後方、一キロメータに着弾した!


 ズゥバアアアアアンンン!!


 その瞬間!


 デュッワァアアアアア!!!


 白き光はどんどん巨大になり!


 ズゥシシンンンンン!!!


 其処に立つは、


 全長一千メータの巨大な白き女神!


 頭には黄金に光輝く宝玉を装着した白き宝冠ほうかんを付け、その美しき顔には赤き燃える瞳、長き髪はブライトブラックにゴールドのメッシュ、


 胸に白き胸当て、腰に白き腰当て、


 全身に走るのは、金と赤のライン、


星姫守護機神スタープリスガーディアン・アーレスディーテ』が、


 世界に顕現した瞬間であった!




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