八十一歳だって冒険をする――。これは、ほのぼの異世界転生の最高峰。

異世界転生物は星の数ほどあれど、八十歳超えのおばあちゃんを主人公に据える物語は、私の知る限り佐月先生の作品でしかお目にかかったことがない。

萌え、ハーレム、ラッキースケベなど、ややもすると男性読者に媚びへつらった内容になりかねない異世界転生物ですが、だからこそ、ある意味異端とも言える本作がこんなにも読まれているのかもしれません。

異世界転生は好きだ。でもどれもこれも同じで食傷気味。どこかに異色の異世界転生はないものか――。そういった「サイレント・マジョリティ」の渇望に応えた結果――。私はそう思っています。

主人公であるおばあちゃんとそして孫のような少年による、「埋めきれないジェネレーションギャップ」が最大のウリとなっており、そんな二人による「ズレた会話」にくすりとさせられること間違いなし。

異世界転生などどれも一緒ではないのかと眉を顰める方にこそ、読んで頂きたい本作。
煎茶もいいですが麦茶をすすりながら読むと、より一層本作を楽しめるかもしれませんよ(#^.^#)

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