るり子おばあちゃんに魅了されてしまう

るり子おばあちゃんの語りが優しくて可笑しくて、思わず笑いながらも癒されてしまいました。物語はテンポよく進んでいくのに、るり子さんの語りで地に足がついた落ち着きがあるというか、上品で心地良く感じます。
81歳の主人公が異世界を冒険する、という設定がすでに個性的ですが、お年寄りのカリカチュアの部分と、なるほどそう考えそうだなというリアルな思考回路の加減が絶妙で、物語がよりふくらんで見えるようでした。
孫ほど歳の離れた相棒の翔君との凸凹なバディぶりもすごく微笑ましいです。この二人の関係性は、言葉にするのが野暮な、尊いものを感じました。
年齢はおばあちゃんでも中身はひとりの女性、そういう部分もるり子さん像をより深くしています。
異世界ファンタジーは世界観が難しそうだな、とか、専門用語が分からなくて苦手だな、という方はむしろぜひ読んでみて下さい。るり子さんがほのぼのと優しく案内してくれると思います。そしていつの間にかこのおばあちゃんに魅了されていることでしょう。

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