得たもの

ガルガード

強き光

愛する家族と居場所を失い彼は光を失った………轟々と燃える炎を見ながら………



彼は幼い頃から孤独だった………


炎を見ると思い出すあの日のことを………全てを失い孤独になった日のことを………


死ぬことの出来ない身体を持て余し


彼は1人闇を歩く


光なき道をゆく


何世代もの世界を見………友を得ては失うの繰り返し


彼を知る者は彼を1人置いて逝く………彼の心に渦巻く轟々と燃える炎を知らず………


幾人もの友に先立たれとうとう友人を作ることをやめた彼に


強き光とその手を差し伸べたのは弟を失った悪魔と兄を失った天使だった………


彼は彼らに自分の持つ情報の全てを少しずつ明け渡した………そうして彼らもまた自分を置いて逝くのだと………


そう思っていた


しかし彼らはどんなに現状が地獄でも………情報屋のそばを離れなかった………


彼らもまた愛する人を失い生きる理由をなくしながら………運命によって死ぬことの出来ない身体を持て余していた………


愛する人を失った悪魔と天使


愛する家族と居場所を失った情報屋


同じ共通点を持つ2人に情報屋は少しずつ着実に心を開く………


いつしか彼は強き光と伸ばしてくれたその手を取り共に肩を並べて歩き出す


護り護られ愛し愛される………こんなにも幸せだったのはいつぶりだろうかと思いながら………


彼は愛しく誰よりも大切な強き光を持つ存在を手に入れた


彼は彼らのおかげでいつからか忘れてしまっていたその温もりと優しさを………失ったその居場所を得た



彼の心に渦巻いていたあの日の炎はもうなくなっていた

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