TRPGと小説の互換性について

 では、「TRPGとはどんなゲームなのか」という点から見てみようと思います。


――以下wikiより引用

テーブルトークRPG、あるいはテーブルトーク・ロールプレイングゲーム(テーブルトーク role-playing game、略称はTRPG)とは、テーブルゲームのジャンルのひとつ。ゲーム機などのコンピュータを使わずに、紙や鉛筆、サイコロなどの道具を用いて、人間同士の会話とルールブックに記載されたルールに従って遊ぶ“対話型”のロールプレイングゲーム(RPG)を指す言葉である。

元々はミニチュアゲームから派生したもので、アメリカで考案された、テーブルトップゲームである。

TRPG、TTRPG、tRPGなどと略記されることがある。また、会話型RPGとも呼ばれる。なお、TRPGと会話型ロールプレイングゲームはホビージャパンの登録商標である。

――以上

(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AFRPG)


 正直、これだけではよく分かりませんね。


 私も軽く読んだだけなので確証はありませんが、一番大事な要素は恐らく『プレイヤーは、単なる無名の「戦士」や「魔法使い」ではなく、。』(wikiより)という言葉に表されているのではないかと思いました。

 また、『キャラクターや架空世界それ自体を表現するために、様々な世界設定やテイストやルールを持つゲームシステムが数多く発表・発売されている。』(wikiより)という言葉も目を引きました。


 この二つの要素から、①TRPGは一人称視点の物語である事、そして、②TRPGの発展形とも言えるジャンルがVRMMORPGではないかと考えられました。




――①小説でいうとTRPGは一人称視点の物語


 RPGと言うと、私などは「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」といったものが連想されるのですが、こういったRPGは全て三人称視点の物語であると考えられます。

 一見すると、プレイヤーは主人公キャラを操作しているのだから一人称視点だと感じられるのですが、上記などの一人用RPGにおけるキャラの。また、主人公の切り替えがあったり、ゲーム画面が俯瞰である事からも三人称視点であると言えるでしょう。


 これに対して、TRPGはプレイヤーがキャラクターを演じる、つまり訳ですから一人称視点と言って過言ではないと考えられます。

 演劇で配役を演じるのと一緒です。引き続き演劇で例えるならば、監督・演出・脚本がゲームマスターでしょうか。多才ですね。



――②TRPGの発展形とも言えるジャンルがVRMMORPG


 続いて、TRPGを発展させた形について考えてみます。

 TRPGの特徴はゲームマスターが作った未知の世界にキャラクターになり切ったプレイヤーが飛び込みゲームクリアを目指す点でしょう。

 ゲームマスターを運営に置き換えたら、そのままオンラインゲームになれそうだと思います。

 TRPGをオフラインで集まった人数制限のあるRPGだとすると、それをオンラインで多人数プレイできるのがMMORPGですね。

 

 このことから、小説におけるジャンルでTRPGを考えてみると、最近流行っているVRMMOと親和性が高いと言えるでしょう。



 上記の①と②をあえて合わせてTRPGを小説として表現するならば「一人称視点のVRMMO」が最近のトレンドを含んだ作品になりそうだと考えられました。


 しかし!


 ここで上記に対する反例として、TRPGに存在する『リプレイブック』というものを挙げましょう。


 リプレイブックとは、TRPGのプレイ例など、TRPGをプレイした様子を文章化したものです。そして、ドラゴンブックはこのリプレイブックを多く出版しています。

 ドラゴンブックではないですが、有名な作品で言うとスニーカー文庫の「ロードス島戦記」はリプレイブックを小説として再編集したものです。最近では、同じく水野良さんが執筆しアニメ化もした「グランクレスト戦記」もそうですね。


 ここでは具体例として「ロードス島戦記」を扱います。


 「ロードス島戦記」は主にによって展開されており、「ロードス島戦記」の魅力はこの群像劇にあると個人的に思っています。

 群像劇にする事でどのような事が魅力的になるかと言いますと、キャラの拠って立つ所が違うと、悪にも正義にも受け取り方が変わる点でしょう。「戦記物」という点から見ても、この「それぞれの正義をかけた争い」というものは非常に見ごたえがあるものでした。

 さらに、「ロードス島戦記」は流行りの異世界転生でも異世界転移でもありません。純粋なファンタジーです。


 つまり、ゲームのの物語であるTRPGも、リプレイブックというに早変わりする訳です。まあ、言ってみれば当たり前ですね。(笑)


 TRPGで言えばその世界観や設定など、ゲームマスター側としての考え方が物書きの皆さんには慣れ親しんだ視点ではないかと思いますが、プレイヤー(読者)の視点で考えてみると面白いですし色々な可能性を感じられました。

 コンテストでは色々な切り口の作品が登場するのではないかと一読者として期待しちゃいます。また、今回のコンテストを切っ掛けにTRPGを遊んでみるのもいいのではないでしょうか?



 さて、今回はここまでです。

 次回は「ドラゴンブックから実際に刊行されている本」について考えていきますね。

 ではでは。

 

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