第10箱


竜宮城から帰ると、急いで玉手箱を開けることにした。


「絶対に開けてはなりません」


そう言われていたが、中が気になって仕方がない。玉手箱には宝石が装飾され、とても豪華な作りになっている。


ワクワクが止まらない。

乱暴に紐をほどきふたを開けると、

ひとまわり小さい、もっと豪華な玉手箱が出てきた。


これは、中身を焦らすための工夫だな。乙姫様はユニークな人だなぁ。

そう思って、また ふたを開けると、さらに小さい玉手箱が入っていた。


以後、開けても開けても箱が小さくなるだけだった。


「バカにしているのか!」


腹が立って、公衆電話から竜宮城にクレームを入れると、ヒラメが確認しにくるという。


「これは収納グッズですよ。思い出の写真とかネックレスとかそういう小物を入れてください。」


そういうことだったのか。

結局、箱は全部で10個出てきた。

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