第33話 夏祭りの告白


 みんなと別れると僕達は早速屋台のある方へ歩き出した。


 「玄月げんげつ祭り凄いですね。どこを見ても人でいっぱいです」


 余程この光景が珍しいのか、辺りをきょろきょろする愛莉。

 確かにこのしおり市にここまで人が集まるのはこのお祭りくらいだけどね。


 「愛莉はこういったお祭りはあまり行かないの?」

 「そうですね。たまに兼元さん達に誘われて行く時はありますが……。それでも自分からというのは今思えばなかった気がします」

 「そうなんだ。って僕も基本的に充達から誘われて行くようなもんだけど」

 「ふふっ、こういったところもお揃いですね♪」

 「はは、喜んでいいのか微妙なところだけどね……おっと、危ない」


 ここは田舎とはいえやはりお祭りだ。

 人が多くて愛莉がぶつかりそうになったところを既のところで抱き寄せる。


 「ふぅ、愛莉大丈夫?」

 「は、はい……先生が守ってくださったので……」

 「それならよかった。折角のお祭りなのにケガとかしたら台無しだからね」


 とは言ってもこの人の多さだからケガもそうだけど迷子……なんてのも気をつけなきゃいけなさそうだ。


 「愛莉、良かったら手を繋がない?」

 「えっ?」

 「ほら迷子になったらそれはそれで大変でしょ?」


 僕はそう言って手を伸ばすものの、愛莉は何かを考えているのか手を取らずに僕の手を見つめていた。


 「……愛莉? 嫌ならやめるけど──」

 「えいっ!」

 「ッ!?」


 僕が手をひこうとしたその時だった。

 愛莉は僕の手……ではなく、腕を取った。正確に言うと僕の腕に抱きつくような形で、まるで恋人がするように。


 「え、えっと愛莉、さん?」

 「これで行きましょう先生」

 「でもこれは少し恥ずかしいというか……ほかの人に見られたら……」

 「今の先生は女性の姿なので仲の良い姉妹にしか思われませんよ」

 「そうでした……」


 今の今まで忘れていたよ。僕が女装していたってことを。

 だって仕方ないじゃん、このワンピース意外と着心地がよくてこの股のところがスースーするのさえなんとかなってしまえば快適なんだもん。


 「なのでこうしていても大丈夫です♪」


 そう言って腕に力を込める愛莉。

 確かにこの僕が女装しているという光景なら通報されることはないだろう。

 僕が女装しているとバレない限り。


 「そう言えば愛莉は初めてだって言ってたけど、なにか行きたい屋台とか食べたい物とかないかな?」

 「んー、そうですね」


 言いながら辺りを見回す。

 焼きそばにたこ焼きにりんご飴などの食べ物もあれば、水風船吊りや金魚すくいに射的などもある。


 「あ! 私あれ食べたいです!」


 そう言って指差したのは赤くてらてらと輝く美味しそうなりんご飴。

 確かにあそこのりんご飴は他よりも美味しそうに見える。


 「じゃありんご飴買おうか」

 「はい!」



 「はむっ……。ん〜、美味しいですっ!」

 「それはよかった」


 愛莉のりんご飴を購入し、食べ歩きしながらお祭りの雰囲気を楽しむ僕達。


 「私初めて食べ歩きというものをしましたが、なんだか不思議な感じですね」

 「そうなの? ……まあそうか、愛莉達ならそうかもね」

 「先生はよくするんですか?」

 「うーん、そうだなあ。よくはしないけど充達と出かける時セプンに行ってからあげ棒を買った時はするって感じかな」

 「からあげ棒?」

 「ああそっか、からあげ棒なんて見ないよね……。とは言ってもその名の通りからあげを串に刺してあるだけの食べ物なんだけど、食べやすいから食べ歩きには持ってこないなんだよね。それにからあげだからお腹にも溜まるし」

 「そうなんですね。私はあまりセプンとかも行かないので……。また今度先生さえ良ければ私を連れていってくれませんか?」

 「セプンなんかで良いならいつでも連れて行ってあげるよ」

 「ありがとうございます先生♪」


 お祭りの雰囲気によく合う笑顔を咲かせる。

 こんな事でこの笑顔が見れるなら毎日でも連れて行きたいものだ。


 「これではあまりお礼にならないかもですが、りんご飴少し食べますか?」

 「え、いいの?」

 「はい。先生さえ良ければ」

 「じゃあ遠慮なく……」

 「あっ」


 その時私は気が付いた、意識していなかったとはいえ自分の少し食べた方を先生に向けるなんて失礼をした。

 そう思った時には既に遅く、彼の口はすぐそこまで来ていて。


 「……うん、美味しい!」

 「食べちゃった……」


 美味しいと彼は言うが、私はそれどころでは無かった。

 だって私の食べたところを愛しの先生が食べたってことは……。


 「〜〜〜っ!!」

 「どうしたの愛莉?」

 「い、いえ! なんでもありません!」

 「……やっぱり食べない方が良かった?」

 「そうではないので大丈夫です。むしろ食べてもらえて良かった……」

 「えっ?」

 「な、なんでもありませんっ!」


 そう言いながら私も彼の食べたところを食べる。


 「……さっきより美味しい。ふふっ♪」

 「さっきから愛莉独り言みたいなこと言ってるけど……どうしたの?」

 「なんでもありませーん」

 「教えてよ」

 「いくら先生でもこれは秘密なんです♪」


 言いながら愛莉は僕の手を取り。


 「さあ先生、まだまだ時間はあるので早く行きましょう! 目指せ全屋台制覇ですっ!」

 「ちょ、全屋台制覇!?」

 「行きますよ先生♪」


 今日は僕が愛莉に引っ張られている。

 (こんな愛莉を見るのは初めてかもしれないな)


 「だったらまずは何から行くか決めないとね」

 「確かに計画性は大切ですね……んーと、それなら……あっ、あれやりたいです!」

 「ん? 射的?」

 「はい!」


 愛莉が指差したのはよくあるコルクの弾を打ち、景品に当てて落とせたら貰えるタイプのあれ。


 「わかった、まずはあそこから行こうか」


 二人仲良く手を繋ぎながら射的屋へと向かう。

 ここは一回五発で百円というやる側が心配になるくらいのところだった。

 ……まあこのおじいさん見た目は優しそうだけど多分簡単に落とせないようにはしているんだろうな。

 なんて思いながら僕はやる気満々の愛莉を後ろから見守る。


 「そう言えば愛莉は初めて?」

 「はい、初めてです……ねっ!」


 まず一発目。

 愛莉の放った弾は割と小さめの猫のぬいぐるみのど真ん中……から少し離れた腕に当たる。

 もちろん当たったとはいえほとんどかすったようなものなので落ちるはずもなく、少しズレただけで終わった。

 そして二発目三発目と弾を消費するばかりでぬいぐるみはピクリともしないまま最後の一発になってしまった。


 「うぅ……もう最後です」


 少しテンションが下がり気味の愛莉を見た店主は僕にちょいちょいとこっちに来るように手招きする。


 「アンタこの子のお姉さんか?」

 「まあ……そう、ですけど」

 「アンタ射的は得意な方か?」

 「人並みには出来ると思いますけど……それがどうかしましたか?」

 「最後の一発なんだけどな、どうしても取れなかった子供のために普通のやつより少し重いやつを渡しているんだよ。せっかくやるのに何も取れないのは寂しいだろう?」

 「まあそうですね。どうせなら取れるに越したことは無いですけど」

 「それでアンタ、あの子を手伝ってくれないか?」


 ここの射的屋のシステムは特別で一発打つことに店主が弾を渡すという風になっている。

 そのため店主からのサイレントサービスも受けられるというわけか。

 そこに少しでもなれている人の協力があれば……確実に一個くらいは落とせるだろう。


 「だけどいいんですか?」


 こんなことをして儲かるとはとても思えないのに。

 とか思っていたが、意外にもおじいさんは僕の質問に歯をキラッと輝かせ。


 「いいんだよ。俺は別にここで商売がしたくて店を開いたんじゃねぇ。子供たちの喜ぶ笑顔を見るために店を開いたんだから」

 「お、おじいさん……っ!」


 このおじいさんマジカッコイイ。

 とか思ったのもつかの間……。


 「おっと悪いロリンで何か連絡が来てしまったようだ」

 「……ロリン?」


 何故だろう。このおじいさんからとても聞きなれたアプリ名が聞こえた気がした。


 「えーっと、おじいさん?」

 「ん、ああいや。レインと間違えた」

 「……おじいさんひょっとしなくてもコンロリの方ですよね」

 「コンロリ……? ああズージャ読みか! 待てよ、てことはアンタも?」

 「はい」

 「「…………」」


 なんというか物凄く気不味い雰囲気になる。

 いや、本来なら同志と巡り会えたということに喜び合うべきなのだろうが。

 今回は状況が良くなかった。


 「えっと……じゃあすみません、特別弾お借りしますね」

 「お、おう……」


 なんとも言えない空気のまま僕はこの特別な弾を愛莉に触られぬよう、もうちょっとキツくして威力を高めたら〜というそれっぽい言い訳で上手く愛莉の銃にハメることに成功。

 そして僕と愛莉の共同作業により無事に猫のぬいぐるみは愛莉の手に渡った。



 「ふふっ、先生と二人で取っちゃいました♪」


 猫のぬいぐるみを嬉しそうに抱きしめる。

 なるほど、これが天使の笑みというやつか。

 今はしおり公園にある僕達の出会った丘の上で休憩中。

 ここに来る途中で食料とか飲み物には困らない程度には買ってきた。

 やきそばに焼きイカにたこ焼きなどいろいろ。

 流石に初めて参加した愛莉はもちろん、僕も普段こんな人混みなんて見ないし夏コミでの記憶が蘇り……うう考えるだけで震えてきた。


 「先生も抱いてみますか? 結構抱き心地良いですよ」

 「うーん、僕は遠慮しておこうかな。今はお腹すいたからご飯食べたい気分だし」

 「そう言われると確かに私も少しお腹がすいてきた気がします」


 お祭りマジックというやつかな。

 あちこちに食べ物の屋台があるせいでなんかお腹すいていてもいなくても常に食べたいという食欲が出てきちゃうのは。

 どれもこれも高いのはわかってるけどついつい買っちゃうんだよね。


 「あ、先生次はあれが食べたいです!」


 そう言って指をさした先にあるのはたこ焼き屋さん。

 気前の良さそうなおっちゃんが焼いている。


 「あのたこ焼き? というのはとても美味しそうですが先生は食べたことありますか?」

 「そりゃもちろんあるけど……」


 もしかしたらだけど愛莉はここにある屋台のほとんど行ったことがないのではないか? と思い始めてきた。


 「あのさ愛莉、もしかしてだけどこの屋台にある食べ物ってほとんど食べたことない?」

 「……はい」


 恥ずかしそうに言うけれどまあ愛莉とか菜穂ちゃんなら考えてみると別に意外ってわけでもないな。

 何故だか紗々ちゃんはよくお祭りとかに行くイメージはあるけど。


 「それじゃあ今日は沢山食べないとね」

 「はいっ」


 元気よく答える愛莉。

 浴衣ロリの笑顔は本当に別格だ。

 愛優さんほどではないけれど、この素晴らしい笑顔は是非とも何かの形で残しておきたいものだ。


 「あ、そうだ。愛莉ちょっと待ってて!」

 「は、はい?」


 僕はそう言うと急いでたこ焼きを買うと、邪魔にならない場所へ愛莉と移る。


 「あの先生なにをするつもりで?」

 「記念写真だよ。愛莉との初めての夏祭りデートと初めてのたこ焼き体験のね」

 「それはいいですねっ! 私も先生と記念写真を撮りたいです!」

 「なら決まりだね。それじゃあ写真は……っと」


 楊枝ようじでたこ焼きを取り、顔の前に写るようにする。

 あとは写真を撮るだけなのだが……。


 「あ、あれ……? 意外と難しいな……」


 普段自撮りなんて全くしないせいか、上手く写真を撮れない。


 「うーん、中々上手くいかないな」

 「あの、よかったら俺撮りましょうか?」


 僕達のやり取りを見ていたのか、優しそうなお兄さんが声をかけてくれた。


 「いいんですかっ!?」

 「うん、俺趣味でカメラやってるからさ」

 「それなら安心できますねっ。よろしくお願いします!」

 「あ、う、うん。任せてよ」


 愛莉の屈託のない笑顔に少し頬を赤めるお兄さん。

 気持ちはわかるぞ、この笑顔の前では向けられた方も嬉しくなるからね。

 でも残念ながらその笑顔は僕だけのものなんだけどねはっはっはっ。

 そう思うとなんだか誇らしくなってくる。


 「それじゃ先生一緒に」

 「うん」

 「おっ! いい写真になりそうだ。二人共仲良いけど姉妹?」

 「しま、い?」


 その言葉で僕は思い出してしまう。

 今の僕が女装しているということを。


 「はい、とっても仲良しなんです。ね、お姉ちゃん♪」

 「え、あ、うん」


 こういった時、愛莉の適応力が羨ましく思うこともあるな。


 「おっ、その顔いいね! それじゃまず一枚……」

 「え、ちょっ……!」


 パシャリというシャッター音がなる。


 「お姉さんもほら笑って笑って。はい、ちーず」

 「い、いえーい」


 再びパシャリとカメラのシャッター音がなる。

 どうやらいい写真が撮れたのだろう、うんうんと何回も頷く。


 「じゃあ次はお互いでたこ焼きを食べさせ合おうか。で、次は片方が食べさせ合う……そうそう、いい感じいい感じ」


 お兄さんの様々な指示に従いながら何枚もの写真を撮ってもらった。

 そのうちの何枚かはとても良い写りなのか撮ったお兄さん自身が思わず「いい写真だ」と賞賛するほど。

 どれどれと写真を確認すると、お兄さんの言っていた通りどれもこれも良い写真ばかりだ。


 「……ん?」


 しかしその一枚……割と新しい方の写真の背景、後ろの先は特にお店も無いはずのところを歩く人物が目に止まった。

 色々な写真を見て幸せそうにしている愛莉にそっと耳打ちをする。


 「ねえ愛莉、この三枚前の写真……写ってるのって奈穂ちゃん達じゃない?」

 「えっ?」


 写真をスライドして三枚前の写真を確認する。

 そこには僕達がたこ焼きを食べさせあっている後ろでどこかに向かう二人の姿が写っていた。


 「……これは、どうなんだろう」

 「気になりますけど……」

 「えっと、どうかされたんですか? もしかして撮るのが下手だったとか?」


 写真を見ながらうーんとうねっていると写真のできに心配したのかお兄さんが不安そうな声で訪ねてくる。


 「あ、いえ。写真の方は大丈夫です。本当にいい思い出になりましたありがとうございます」

 「は、はあ? では俺はこれで行きますね。玄月祭り楽しんでください」

 「はいっ」


 お兄さんとお別れした僕達はこの後屋台を回ろうという気になれず、ダメだとわかっていながらも充達が向かったであろう方へ向かっていた。



 「……あっ、いた」


 二人はゆっくり歩いていたお陰ですぐに見つけられた。

 しかし二人が向かっているのは明らかにお祭り会場ではなく、僕と愛莉が出会ったしおり公園の方だった。


 「先生あっちの方向って」

 「うん。僕と愛莉の出会った公園だ」

 「……もしかして」


 何か心当たりがあるような顔をする。


 「愛莉何か知ってるの?」

 「あ、いえ……知っている、という訳では無いんですが、着替えている時天海さんに質問されたんです」

 「質問?」

 「はい。確か『湊さんと将来を約束した恋人になったらどんな風に世界が変わりますか?』って」

 「どんな風に世界が変わる?」

 「私もどういう意味なのかわかりませんでした。でもあの時の天海さんの表情が見たことないくらい真剣だったのが少し気になりました」

 「……ちなみに愛莉はなんて答えたの?」

 「私ですか? 私は……」


 あの時の会話が脳内に浮かぶ。



 「えっ? 私と先生が恋人になって、ですか?」

 「うん。愛莉さん、湊さんと恋人になってから本当に変わったので」

 「……私は、毎日がより楽しくなりました。別に先生と出会う前確かに少し辛い時期はありましたがそれでもみなさんのお陰で楽しい日々でしたが、先生と出会ってより楽しくなりました」

 「楽しい……ですか。確かに湊さんとなら大抵の事は楽しくなりそうですね」

 「天海さんの言う通り毎日が楽しいです。あとは頑張れる……ですね」

 「頑張れる?」

 「はい、例え辛いことがあっても、大変なことがあってもこの人のためと思うとそれだけで自然と乗り越えられます」

 「愛のパワーってのかな」

 「ふふっ、そうかもしれませんね」

 「……最後に一つだけ聞いてもいい?」

 「はい、大丈夫ですよ」

 「では……愛莉さんは年の差とかは気にはならないのですか?」

 「年の差ですか。……確かに気にならないと言えば嘘になりますが、私は思うんです。年齢がどうとか身分の差がどうとかはいい訳だって。本当に好きだったらそういったことに縛られずに好きなら好きと言えばいいって……。って、これは先生──拓海さんが書いた小説の中で主人公が言ってたセリフなんですけどね」

 「……ふふっ、そうかもしれませんね」

 「? 天海さん?」

 「いえ、愛莉さんありがとうございます。……あ、あと物凄く今更なんですけど“天海さん”ってのは無しにしませんか?」

 「えっ?」

 「私達は親友ですから名前で、ね?」

 「は、はいっ。では改めて……奈穂さん」

 「うんっ。愛莉さん」

 「「ふふっ」」




 「……愛莉?」

 「ふえ?」


 どうやらそのまま考えがあちらの方にいってしまったらしい。

 いつまで経っても答えない私を心配して彼が私の顔を覗き込んでいた。


 「大丈夫? もしかして慣れないところにいたから体調でも悪くなった?」

 「あ、い、いえ大丈夫です、よ? 少し考え事をしていただけなので」

 「それならいいんだけど……あっ、二人ともあそこで止まったね」


 気がつけば既に公園の丘の近く。

 私達は二人から見えないところからこっそり見守る。


 (……今考えてみれば奈穂さんのあの質問はもしかして……)


 私がそう思った瞬間だった。


 「星川さん……いえ、充さん。私はあなたの事が好きです、大好きです。何回も話しているうちに私はいつもあなたの事を考えてしまう……それくらい好きになってました」

 「…………」


 (……あれ、おかしい)


 奈穂ちゃんの告白を受ける充を見て、僕はとてつもない違和感を覚える。


 「……充さん好きです。私とお付き合いしてくださいっ!」


 奈穂ちゃんの充に対する告白。

 ロリコン……特に充ならば喜んでOKするだろう。


 「…………」

 「充、さん?」

 「……ごめん」

 「──えっ?」


 充はそれだけ言うと、丘の更に上の方へと消えていってしまう。

 その場に今にも泣き出しそうな奈穂ちゃんを残したまま。

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