第16話 帰路を行く

そら、絵筆をとろう

空を描いてやろう


絵空事を現実に変えて

空言を真実に変えて


見えぬ空を描けるなら

言えぬ音を描けるなら


朝、手紙を書いて

君の眼に届けよう


朝露に象られた薔薇の香りを

宵闇に象られた明星の光りを


人々と共に食べたパンの味を

懐かしき鴎が舞う町への道程を


そら、これがぼくの足音だ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る