《ラフェルトの帳面》より

世界のこと


 貴方は今踏みしめている地の下に何があるか知っているか?また、貴方は今見上げた空の上に何があるか知っているか?


 目を凝らしても見えず

 耳を澄ませても聞こえず

 身で触れようと形わからず

 その事実を当たり前に受け入れる人々よ。恐ろしくはないのか?


 そら、今貴方の踏みしめた土を見よ。

高大な建物が埋まるほど深き底に存在するモノを貴方は知るまい。

 それ、今貴方の振り仰ぐ空を見遥かせ。

一面の蒼穹のどこかに泳ぐ楽園を貴方は知るまい。

 今貴方のおる世界は貴方の知覚できるモノしか認知できない。認知は視野を狭めて世界を固定する。


 固定された世界には在るモノの楽園。

 意識の外にある世界は見えないモノの世界。


 貴方はそれを見つけることを望むか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

散佚セシ文学ヲ口承ス 朱鳥 蒼樹 @Soju_Akamitori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ