第11話;「アカネ」家を建てる

アカネは魔物の多く住む森の上空に居た


この辺にするのですか?

「エリザベート王女には、国有山森の何処かに家を建てたいので土地を貸して貰えないかと言ったら、どこでも国内なら良いって承諾もらってる、魔物以外近くに何もない森にしようと思って」

【ルナ】:ただでいいって言ってもらえてよかったですね

「ほんと、ドラゴン討伐の報酬まだ一杯あるけど有限だしね、工房と住居は早めに手に入れなきゃね」

【ルナ】:魔素濃いですね~普通の人、入ってこれませんけどよろしいんですか?

「それは考えてるから大丈夫」

森の中央に降り立つと一気に魔力を開放する


<浄化結界><土壌ヒール><空間ヒール>


「直径1㎞くらいで良いよね」

直径1㎞範囲に広がる光、そして風

うっそうとした不気味な森の中に小さな草原が出来た


「あ!ガーゴイルが結界に引っかかった、空の結界も正常だね、前世の世界では昔の城なんかに雨どいとして彫刻されてたけど、この世界では魔物になってる、しかし不気味な顔よね~」

【ルナ】:ガーゴイルが雨どいって言うのはよく分りませんが、不気味な顔です




「ガーネットさん~儲かってます~?」

「どういう挨拶ですか?アカネさん」

「えー?いつもお金欲しいって言ってるジャン」

「まぁ言ってますけど、儲かってません・・・それよりあれどうにか出来ません?」

受付嬢の指す、奥のギルド内にある食堂の椅子に人相の悪い連中が数人が此方を見ている

「ん~、困ったねぇ、一度話しするかな」

「お願いします、依頼に来る人が怖がっちゃって、で、アカネさんは今日は?」

「私も依頼に、家を移転するのに作業員を雇いたくて、出来たら大工のスキル持ちで」

「家買われたんですか?何処に?」

「グラバトール魔境に土地を整備して家を移動しようと思って」

「・・・・・人住めませんよそこ」

「だからいいんじゃん~だれも邪魔されず、まったりライフ~」

「魔物の巣窟でまったりらいふ~って無理でしょう?」

「普通の人間ならだろ?」

「あっマーベルギルド長!あいかわらず隠してるところ少ないですね~」

「アカネならありえるって事だ」

「でもS級魔物の巣窟ですよ」

殆ど裸の筋肉隆々の女性、ウエーブのかかった黒髪に色とりどりのエクステンションを施し、眼力強めの黒い目、浅黒く日焼けしたその姿はいやらしさが微塵もないのが不思議なくらい露出度が高かった


「是非遊びに来てください、完成したらホームパーティ開くので」

うきうきのアカネにあきれる二人だった。


依頼を出すと人相の悪い連中も来た

『皆さん基礎作り協力ありがとうございました、館の移転しますので、後もよろしくお願いします』

200人はいる作業員に拡声魔法を使ってアカネが言った

「棟梁、よろしくお願いします!」

そう言うとアカネは移転した


「「うぉぉ~なんだ家が空を飛んでる」」


大きな館が空を飛んでる

アカネは、ゆっくりと基礎に館を下ろした


「どっかで見た事あるなぁ」

そう言ったのは冒険者、

「廃村にあった幽霊屋敷じゃないか!概観は綺麗になってる、蔦だらけで不気味だったのに」


「固めていくぞ!」

セメントの型を設置してコンクリートを流し込んでいく

魔法で直ぐに固めて、館の設置は終わった

「内装始めるぞ」

壁にモルタルを塗ったり壁紙と職人たちがどんどん仕事を進めていけば

1週間もしないうちに立派な屋敷が完成した。


(早いわね~ほんと魔法って便利~)

魔法を使いながら作業する様子を見てつくづく思うアカネだった


「打ち上げに屋台呼んでるのでみんなで完成打ち上げと行きましょう~」

敷地内の一角に魔法陣が設置されていて、そこから屋台が次々現れて

お祭りの様な雰囲気の宴会場が出来上がる


「「「かんぱーい」」」


荒くれ冒険者も中に居て、その相手をしながら皆をねぎらっていくアカネ

「何故ロベール王子がいるの?」

一角だけ雰囲気が違うと思ったら高貴なオーラを出して露天の焼き鳥を食べている

「出店だよ、あそこのワインバーは私の店だ」

見ると立派な屋台が、ワインがずらっと並んでいる

「店番はフインセントがしてるのは何故?また高級ワインを惜しげもなく」

ため息のアカネ

「追い出されたんですよ、皆さんにアカネ様のすばらしい所を語っていたら邪魔だと・・・」

「なっ・・・・は~・・・」

大きなため息しか出ないアカネだった

「あそこの人相の悪い人達と盛り上がりまして、何処かであったことあるような気がするのですが?」

「はは、覚えてないかま、良いけどお酒程ほどにしときなさいよ」

「酔ったら介抱」

「フインセントがね、・・・あなたの介抱する姿想像した・・・ら、あ~・・・可愛そうだわ」

がっくりうなだれるロベール王子、少し酔っているようだった

「アカネ様は飲んでます?」

「飲んでるよ~さっきエールをジョッキで3杯一気飲みしてきた、酔わないのよね私・・」

「私がアカネ様を介抱・・・」

「ありえないわね~お酒は美味しいから飲むけどあくまで味を楽しんでるわ」

そう言ってロベール王子の元を離れた


「ご苦労様」

でんとエールを5杯運んで人相の悪い連中の下に来たアカネ

「女神様・・・お疲れ様です、ありかとうございます」

めちゃくちゃ丁寧に挨拶してくる連中に苦笑いするアカネ

「でさ、あなた達これからどうするの?暗殺業廃業するの?」

「女神様にお使えしたいです、あなたが黒幕を処分して来いと言われたら即座に処分して来ます」

「それはいいよ、自分でするから、せっかく改心したのに・・・」

「「「「「「お願いします!あなたの元で働きたい、この気持ちどうしようもないのです、自分達でも分らない、この感情どうしようもないのです」」」」」」

「まるで恋してるみたいだな」

ロベール王子が後ろから近づいて言った

「王子・・・」

「「「「「そんな下世話な感情ではありません!!」」」」」」

否定を全力でしてきた、その様子に二人はかなり引いた

「僕として、いえ、いっそのこと奴隷契約でもかまいません、どうかおそばに居させてください」

【ルナ】:彼らのステータスが・・・称号に

 現生女神の崇拝者

<アカネのためなら何でもする、恋愛感情では無い>


(・・・・・称号に注意書き始めてみた・・・・いらない・・・けど・・・)

【ルナ】:アカネ様?


「分ったわ、社員として雇ってあげる、その代わり私に無断で暗殺、偵察、脅し、はしないこと、そして制服支給するから、ひげそり、散発、毎日のお風呂必ずして笑顔を絶えないようにして、清潔感のある姿になること、胡散臭い姿の人は即解雇とします!傷跡も消してあげるから好青年に見えるように努力すること!」

「「「「こ・好青年?・・・・はい!ありがとうございます」」」」」

泣き出す人相の悪い連中だった

「で、何人いるの?」

「5人6部隊30人です」

「・・・・え?そんなに居たの?」

驚いたのは王子だけだった

「いつも街に居ると私の周りに5人護衛のつもりかな?、私に認識させるため冒険者ギルドに常に5人、後は冒険者として小金稼ぎかな?」

「その通りです、さすがです」

「統率者は?」

「黒の暗殺者統率、ギンバレットと申します」(レベル60max,知力レベル55)

「左腕:ブルドル」(レベル58,知力レベル50)

「右腕:ザイード」(レベル59,知力レベル50)

「補佐:ジャック」(レベル50max,知力レベル50)

「会計:カイン」(レベル45、知力レベル60max)

(幹部5人か強いな)


【ルナ】:30人は多いですね、王都に店舗3店でしょう?余りますけど

(店番は可愛い子じゃないとね、やはり可愛い女の子と見た目のいい男の子よね、配送と工房もあるから、後行商も考えてるし)


打ち上げは楽しく終わり作業員と屋台は次の日移転魔法陣を使って街に帰って行った。


そして改めて知人を呼んでのホームパーティを1ヶ月後行った

1ヶ月かかったのは


「お招きありがとう」

受け付け嬢とマーベルギルド長がアカネに挨拶をする

「しかし凄いメンバーね」


呼んだのは

エリザベート第一王女夫妻

フィンセント・サンジェルマン公爵嫡とそのお友達(ロベール第2王子)

ゲッディズ ギルド長ギンガットと受付嬢アマリリス

王都 ギルド長マーベルと受付嬢ガーネット

後はsランク冒険者など、竜退治で一緒に行動した騎士達


「アカネさん人相の悪い連中話しつけていただいてありがとうございます。見かけなくなりましたがどんな説得を?」

王都受け付け嬢のガーネッットがアカネに言った

「見てるじゃん」

「?」

「お飲物如何ですか?」

爽やかな給仕が飲み物を勧める

「いただきます・・・・」

じっと給仕を見るめる

「え?まさか?」

「教育に1ヶ月かかってさぁ、客商売なのに人相が悪くちゃねぇ、あの笑顔作るの大変だったのよ~」

「凄い!イケメンじゃぁないですか?」


「元々皆若くて、一番年上でも30歳でさ、辛い身の上が顔に出てた感じだからね、心を入れ替えて努力すればこんな感じ?

まぁ、中にはどうしても見た目、好青年では駄目なのは居てね、運送と裏方に回ってもらったんだけど、何かそういううのも受ける女の子も居るらしくて、荷物を運ぶ姿か男らしくてかっこいいって、モテてるみたいで、求人にそれ目的の女の子も多くて裁ききれなくて困ってたのよ~」

「心次第って事?屋敷の後ろの工房も凄かったですね」

「う~ん、王都の店の求人はそれで埋まったんだけど、問題は工房のほうで、この周り魔境に不安を感じない従業員の確保・・・求人100人に決まったの最初20人で、さすがに寮は王都の方に確保することにしたらもう20人決った、しばらくはこの人数で進めるしかなかな?」


「アカネ様~何故私に招待状が来なかったんですか?」

ガーネットと話しているとロベール王子がさびしそうにやって来た

「打ち上げに来てたじゃない、もう来てたから招待状は出さなかったのよ」

「フィンセントには来てたじゃないですか~」

「彼にはとてもお世話になったから当たり前でしょう?店探しから手続きまで屋敷と棟梁の手配まで、本当に頭が下がるわ~一応お友達OKにしておいたでしょう?」


「アカネ様~」

「はい、嘘よ」

招待状をロベールに渡した

「反省してね、せっかくホームパーティに呼ぶつもりが勝手に打ち上げに来るからよ、ちゃんとしたパーティに呼びたかったのに・・・」

「・・・・ゴメン」

よしよしと思わず頭をポンポンとなででてしまったアカネ

その手をロベールに捕まれ腰を抱かれる

(え?ここで腰抱きされる理由は?)

「子供じゃありませんよ、私はあなたに求婚をしている大人の男です」

いきなり真面目な顔をしてアカネを見つめるロベールにドキンと心臓が跳ねた

(今度はギャップ萌え狙い?甘え顔ときりっとした顔の?)

「・・・わかってるわよ・・・」

「ちゃんと考えてくださいね」

そう言って離れたロベール

アカネは他の人のも挨拶するからと言ってロベールから離れた


『王族じゃなくて普通の町民だったらなぁ・・・迷わなかったかも・・・』


小さい声で言った、それをしっかり聞いていたロベール

そして離れていても聞いている地獄耳のフィンセント



王都の店は

スイーツの店と魔道具の店、雑貨屋の3店舗

行商は王都以外の街に露店として回る、需要がありそうなら出店して店を広げていくことになっている


社長はアカネ秘書ルナ

そして店の切り盛りと屋敷の管理として新たな眷族を生み出していた、執事のセバスチャン(やはり執事はセバスチャンよね)

攻撃力抑え目で知力強化の種族は魔族

(見た目は人間と同じ、角は小さいので整えた髪の中に隠してある見た目は厳しそうなロマンスグレーのオジサマ)

【ルナ】:魔族にして大丈夫ですか?

(大丈夫よレベルも50だし、ま、魔族だから人間の1.2倍の補正がかかるから人間でいうと60レベ、魔力も多いから魔族の中では弱いけど人間には負けないかな?知力の方に集中させたからね~)

【ルナ】:執事に丸投げするつもりなのが丸わかりです

(まったりライフ目指してるのに自分が馬車馬になって働くの可笑しくない?、でセバスチャンには鑑定魔法も強化、採用には十分注意してもらってるから)

【ルナ】:暗殺者集団の変わり様って言ったら・・・モテてるみたいですが皆振ってっるみたいですよ

(それ、いい娘さんいたら結婚して欲しいわ、過去は消せない、でも改心して未来を見ることが出来るのなら幸せになってもいいと思う、彼らに殺された人や家族や友人の思いも分かるけど」

【ルナ】:サリーナ様ですか?

(私のことを想い行動していて殺された・・・ぐっ・・・マリアンヌ様から聞いて悔しくて奴等を殺したくてたまらなくなった、殺したやつも分かってる、行商に出した奴・・・傍に居たら私、首をはねそうだから、皆うすうす気が付いてるみたいね、彼にだけ冷たいから私・・・彼の意思じゃないことは分かってるでもどうしようも無いじゃない、女神のスキルもちでも私ここで生きているのだから・・・)

【ルナ】:アカネ様・・・

(彼よりも黒幕!三下のミッシェル・ブラウニ男爵令嬢なんかどうでもいい、さらに裏の奴等仕返しはさらっとさせてもらうわ)



「で?なんであなた方がここに居る?」

冒険者ギルドに見慣れない人が居た

「え?フィ・・アカネが冒険者すればって言ったんじゃない」

「おか・・ミレーヌさん、言いましたけど、クランドール伯爵まで」

「エレオノールでいいぞ、同じ冒険者じゃないか!」

ミレーヌはAランク冒険者のプレートとエレオノールはSランク冒険者のプレートを出してクエストを受注していた

「領地は?どうされたんですか?ロベルトは?」

「もちろんロベルトに伯爵譲って、執事に補佐を頼んで領地運営頼んできた、いずれはこっちに領民とも移ってくるくるので受け入れ態勢よろしく!」

「え?何言ってんですか?」

「え?アカネが言ったんじゃない領民とも移ってくればって、あの国はもうだめだって」

「・・・いいましたっけ?・・・国はダメだってのは言ったかもですけど・・」

「家買ったんだって?とんでもない所に!今日は泊めてね、さっさと討伐してくるから」

両親のイメージがことごとく崩れてあきれるやら楽しいやら、心が少し殺伐としていたアカネにとっては救いの出会いだった

S級モンスターの討伐依頼を受けて出て行く二人の後ろを眺めていた

(一応護衛お願いできる?ルナ)

【ルナ】:かしこまりました






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