討伐

「Geeeeennn!!!」

と、声を上げながら私達の方にモンスターは近づいてきた。

ペディング。それは、狼を想像されるようであって、だが、狼ではない。とそんな感じのモンスターであった。

「おお、これから戦闘が始まるわけか………がいないのは、少しあれだが、素手で倒してやるよ!!」

彼がそう言った。

クレアはというと、

「聖霊を、宿りれ、地を、隆起させよ、グリムゾン!!」

と地面が盛り上がるという魔法を唱えていた。

………私もやらなくちゃね。

でも、私が、どんな魔法を使えるのかが分からない。

彼は、というと、本当に素手だけで、ペディングをなぎ倒していた。

私が、なにもしていないのに、気づいたのかクレアが

「女神さん、なにをやっているのですか、なにもしなければ、経験値を得られませんよ!!」

と。言った。

彼もクレアも、私のために、ペディングを、3体残してくれていた。

「………はは、えーと、とても言いにくいのだけど、私魔法一個も知らないんだよね?」

その言葉を聞いた瞬間クレアが溜息をついた。

それから、クレアと彼だけで、ペディング10体を倒し、クエストを完了した。

…………結局私はなにも出来なかった。

そして、今私は、クレアから説教を受けている。

「女神さん、もっと真剣にやってくださいよ。あれが、下級魔物だったからよかったものの、もし、上級魔物だったら、どうなったことやら…………それと、今日から私が女神さんには、魔法について、教育していきますからいいですか?」

………いやー、まあ、それは確かに、魔法を覚えていなかった私が悪いのは否定しないけどもさ…………この子こういう時だけ凄く饒舌じょうぜつのならない?

普段は、如何にも話すのが苦手ですという雰囲気を醸し出しているのに、なにか説明するときとかは、途端に饒舌になるんだから…………どっちかにして欲しいものだ。

「で、わかったんですか?」

「…………はい、分かりました……」

なんというか、とても情けない気がしてならない。私この世界で崇められている女神のはずなのに…………

彼は、というと、私達のやりとりを楽しそうの見ていた。

……あ、そういえば、聞きたいことがあったんだった。

「ところでさ、君?さっき戦闘中に相棒とか言っていたでしょ?それってどういう意味なの?」

「ん?ああ、言ったほうがいいか?」

「そうですね。私が知りたいので」

「わかった。俺が、相棒と呼んだのは、俺の元いた世界での相棒って意味でさ………ほら俺言っただろ、体術とかその他いろいろと嗜んでいるって、で、そのなかに剣術を入っていたわけ、で、…………ここまで言えばいいか?」

「なんでですか?」

「言うのが面倒くさくいから」

「面倒くさいって………まあ、いいです。大体は分かりましたから」

つまり、彼は、あの世界では、剣が相棒だったってわけか。

「……………剣といえば………」

と、クレアが呟いた。

そして、彼はクレアに今年にものすごく食いつくのだった。

「剣が、あるのか!!」

「え、えーと…………剣はありますよ………ですが」

「剣があるのか……よし!じゃあ、早速買いいこうではないか!!」

「君、私達お金ないのに、どうやって買いに行くのですか………」

「………そうだった……」

「で、クレアは、剣と聞いてなにを思い出したの?」

「………えーと、【剣術の達人】カープ姉妹を思い浮かべました………」

「それが、【破壊の魔女】メディア・セルシアと同じ異名持ちってわけなの?」

「はい。そうです。【剣術の達人】カープ姉妹とは、剣術がとても優れている姉妹のこと。

………おそらく、剣術で勝てる者などいないでしょう……」

へぇー、そんなにそのカープ姉妹って言うのは、剣術が凄いのか。

出来れば、会いたくないな。

「なあ、今勝てる人はいないと言ったか?」

「え?………はい」

「それは、もうすでに誰かそのカープ姉妹に挑戦した上で言っているのか?」

「え?……………それは、わからないです………」

クレアが自身なさげにそう答えた。

「そうか。…………ってことは、1番を取ることもできるかもしれないと言うことか……」

1番?なんのことだろう…………というか、なにか良くないことが起きる気がするのだけど……

「よし!!決めたぞ。俺は、そのカープ姉妹を。いや、全ての異名持ちを仲間にしよう!!」

「「っは??」」

私とクレアの声が重なった。

「な、なにを言っているんですか?………貴方は?」

「なにを言っている?って言われても俺普通のこと言っただけだ。異名持ちを仲間にしようってさ」

「…………それ普通じゃないです…………」

「そうか?だって、異名持ちって言ったってさ、俺達の変わらない人間だろ?」

「………それは、そうですけど…………」

「だろ?」

………はは、なんというか、この人は相当肝が据わっているのだなーと思う私だった。

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