初クエスト!!

クエストへ行く道中。

「なあ、そういえばさ、クレア、俺達が自分の役職を知らなかった時点で、お金を持っていないと気づけたんじゃないか?」

「…………いや、商売でもやっていたんじゃないかなーって思ったので………その時点では分からなかったですね」

「ふーん、そっか。………ところでさ、クレアは、さっき魔力量がとか言っていただろ?」

「………はい、確かに、そう言いましたけど……」

「その魔力量ってのはさ、どうやったら分かるんだ?それと、魔力があれば魔導書に書かれている魔術を展開することって可能なのか?ああ、それと、魔力ってなし状態から魔力ありの状態にできるのか?」

「………え、えーと………」

クレアが、あからさまに困っていた。

彼の方を見てみると………明らかにそのクレアの困っている姿を面白がっていた。

「ねえ、君、クレアが困っていますよ。一度に沢山のことを聞くもんだから」

「はは、そうだな。ごめん。……でも、面白かったぞ、クレアが困っているところを見るのは」

「…………ひどいです………」

クレアがとても小さな声でそう言った。

だから、彼には聞こえていないようだった。

「じゃあ、まず、魔力量がどうやったら分かるのか教えてくれないか?」

「………わかりました。…………自身の魔力量が分かるのは、冒険者カードのステータス欄を見ればわかります」

「おお、そうか」

彼が、ステータスを見るのにならって私も自分のステータスを見た。

「へぇー、俺にも一応は魔力あるんだな」

彼がそう呟いた。

「そうなんですか?因みに、どれくらいありましたか?」

「30だ」

「………そうですか……」

「こっちが、教えたのだし、そっちも教えてくれないか?」

「別にいいですけど…………いいですか?」

「なにが?」

「いやー、だって、私の魔力は、それこそチートみたいなものですよ?」

「つまり、女神様は俺にこう言いたいのか。自分との差を感じさせてしまうと」

「そ、そこまでではないですが…………それに似た感じではありますけど……」

「別にいいさ、だって、もう女神様の役職が魔法使いという時点でチートなわけだし、それに、俺は、あまりステータスを気にする気がないからな」

「そうですか………なら、いいですか。………えーと私の魔力は、1500000ですね」

「おお、やっぱり凄いな。………あ、そうだ、クレア、【破壊の魔女】さんの魔力量って知っていたりするか?」

「…………わかんないです……」

「そっか。じゃあ、次の質問だ。魔力は、増やすことはできるのか?」

「…………基本的には、無理です………」

「そうか。にはか」

(ってことは、なにか方法はあるわけか………)

「よし!じゃあ、最後の質問だな。魔力があれば魔導書に書かれている魔術を展開することを可能?」

「…………可能です…………ですが、多くの人は、魔導書を持っていません…………その理由は、魔導書の数が少なく、高いからなのです………」

私は、そこで少し疑問に思うのだった。

「ねえ、 多くの人は、魔導書を持っていないのだよね。それなのに、魔導師は、魔法士の数には劣るとしてもいるのに…………それってなにかおかしくない?」

「……………えーと、魔導師とは…………そのー、こう言っていいのかわからないのですが…………役職として存在しているだけで、架空の存在みたいな…………ってこれじゃあ分かるわけありませんよね………」

「へー、じゃあ、魔導師って言うのは、名だけってわけね」

「……そういうことになります……」

「でも、いるんだろ?しっかりとした魔導師だって、数は少ないかもしれないが」

「…………はい、いますよ。…………3人……」

「ほぉー、3人もいるのか。1人だと思ったんだけどな」

「………3人いると言いましたけど………今活躍していて、………尚且つ、異名持ちなのは、1人だけなんです……」

「異名持ちか。その人の名前は?と聞きたいところだけど、丁度、敵が現れたわけだし、敵を倒して、食事している時にでも聞くとするか」

そして、私達と、ペディングとよばれるモンスターとの戦いが始まるのだった。

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