第20話 効果は絶大だっ!


「腹ごしらえもしたし冒険再開するか!」

「はい!しっかり休んだので元気いっぱいです!」


昼食をとり、その場でそのまま少し休んだので私は元気いっぱいだった。


「っと、出発前に…。魔法、使ってみるか!」

「使ってみたいです!」


いや、まあ使ったことあるんだけどね?

一応ないっていう体で!…ね?


「まずは属性をつけない魔力を練って放出の練習をするといいらしいぞ?」

「こんな感じですか?」


私は杖を取り出しめいいっぱい魔力を練る。



しかし、


「ちょ、ちょっと待て!ストーップ!!」


ヨシュアさんに止められた。何故…?


「どうしたんですか?何か違いました?」

「いや、違うことはないんだがな?

練る魔力が多すぎだ!それを放出したら無属性魔法で、ここら一帯が荒地になる!」


え、そんなに?

私の魔力まだそんなにないよ?


『フィアちゃん、杖ですよぉー!その杖の効果ですですー!』


あ、消費する魔力抑えてくれるんだっけか。


って事は少ない魔力で強い魔法が撃てるってことだよね?あれ?


…少ない魔力で…強い…魔…法……?


いやいやいやいや、効率上がりすぎじゃね?

だってまだ部屋でそよ風吹かせた時よりちょっと多いくらいしか魔力練ってないよ?!


「もうちっと少なめで頼むぜ…、俺まで巻き添え食らう可能性があるからな…。」

「えっと、これくらいですか?」

「いやもっとだ。最初の半分以下で充分だ。」


竜骨の杖すげぇー!!!!効果絶大だ!!



私は体内で練る魔力を少なく、少な〜くしてやっとOKが出た。


「それくらいなら大丈夫だろう…。じゃあ、あの木あたりに放出してみてくれ」

「はい!…えいっ!」


ヒュンッ!…ドゴォン!!!


「「………、」」


杖の先から白色の小さな玉が出て、木に向かって飛んで行ったのだが……


玉が木に当たった瞬間、木が粉砕し跡形もなく消えた。ついでに周りの草も少し。

しかし実際に消えた訳ではなく、近づくと土の中に木の根が埋まっているのが見える。

なので、何とな〜く「ここに木があったんだなぁ…」とわかる感じだ。


「うん、もっと抑えてもいいな!」

「爆発はロマン…」

「いや、やめろな?その考えやめろ?

あと、その杖はちょっと封印しねぇか?

しっかり魔法が使えるようになってからじゃねえと危ねぇ気がするからな。」


まあ確かに…、爆発はロマンだけどいつかその爆発に自分が巻き込まれて爆発しそう。


ていうか私の性格上絶対なると断言する!

細かい調整苦手だし。


「そうですね、今日の所は殴るだけにします」

「おう。なんか、ゴメンな?」

「なんでヨシュアさんが謝るんです?」

「いや〜、あの武器屋紹介したの俺だろ?」

「でも選んだのは私です!なので謝る必要はありませんよ?」


そう言うとヨシュアさんは苦笑して頭を撫でてくれた。


「嬢ちゃんってやけに大人びてるよな…。

ほんとに3歳児か疑う時があるし。」


ギクリッ


まあ、中身は女子大生…ちなみに就活真最中だったもので。敬語の練習、しまくったんですよ。馬鹿だから物覚え悪くて今もまだ変だけど。


…バカで何が悪い!アホの子ほど可愛いんだろう?!ほら!?

まあ前世の事だからどうでもいいや。


「そうですか?」

「ああ、まあ貴族だしこんなもんか?」


…そういう事にしといてください。

ヨシュアさんが単純な人でよかった!うん!


「まあ、無属性も撃てたんだ。

今度ギルド図書館にでも行って、属性魔法の本でも探してみるか?」

「そんな所あるのですか?!行きたいです!」

「おう!じゃあ、明日あたりにでもまたギルドに来たら案内するぜ?」


ギルマス自ら?いや、仕事は?無いの?

少しくらい書類整理とかあるでしょうよ?

本人が良いならいいけど…、レーナさんに怒られても知らないよ?


「今日帰ったらお母様に聞いてみます!」

「おう!じゃあまずは無事に帰らないとな!」

「はいっ!」


この会話で、女子ってさ「今度会おうよ〜!」の“今度”って、その場である程度のこと決めないと永遠に訪れなかったりするよね、って事を思い出した。


凄くどうでもいい事でしたね、すみません。



『図書館行かなくてもエアちゃんが教えれるですですー!また忘れられてないです?!』


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る