【完結】残酷な白雪姫の殺め方

空廼紡

白雪姫

「僕は君のことを愛せない」


 真剣な眼差しで断言した王子に対し、白雪姫は寂寞を滲ませた瞳で王子を見据えた。

 そっと瞼を閉じ、そう、と応えると王子は焦って言葉を綴る。


「勘違いしないでおくれ。別に君がまだ十歳だからじゃない。継母を殺したからでもない。ただ君が生きているから愛せないだけなんだ」


 白雪姫は、うっすらと瞼を開けてほくそ笑んだ。


「最低な弁解ね。素直なのは良いことだけど、それじゃ逆効果よ。王子様」


 笑みとは裏腹に冷え切った声色に、彼はたじろぐ。十歳だが美しい容姿をした少女が放った声に怖気ついたのか、顔色を悪くした。


「す、すまない」

「心ない謝罪は結構。でもまあいいわ。表向きだけとはいえ、王子のお嫁さんとして不自由ない生活を約束されたのですもの。妥協してあげるわ」


 そのまま笑みを刷りながら、彼女は告げた。


「大丈夫。わたしもあなたのことを愛さないわ。だからお気になさらないで」







「なーんて、言ったこともあったわね」


 雪が降りしきる灰色の空を見上げながら、白雪姫は溜め息とともに独り言を吐いた。

 お供はいない。たった一人で灰色の世界を歩く。時折空を見上げたり、爪先で丸まっている小さな雪の塊を蹴ったりしながら、ある場所に向かっていた。

 悴んだ両手を白い吐息で暖め、黒髪についた雪を払い落とす。ついでに外套の雪も叩いた。

 この国の冬は厳しい。冬には必ずといっていいほど大雪に見舞われる。今日の雪は穏やかな方だが、それでも長時間外にいれば凍死してしまう。幼い白雪姫だと尚更だ。


(それでも、暖かくても冷たい城よりかはマシだわ)


 溜め息一つついて、白雪姫は再び歩き出した。

 白雪姫が継母を殺してから、二年の月日が流れた。

 あの日の宣言通り、王子は白雪姫を愛さずただ后として手元に置いた。


(それでもいいって、妥協したのはわたしだけど)


 王子は死体しか愛せない性癖の持ち主、簡単にいえば死体愛好家だった。

 だからあの日、毒林檎を食べて死んだのに生き返った自分に対して「君を愛せない」ときっぱりと断言した。


(死体しか愛せないのは理解に苦しむけど、まあそんな性癖があってもおかしくはないわよね)


 本当は「愛せない」という言葉を聞いて内心怒りを覚えた。正々堂々としすぎだ、もっと言葉を選んで発言しろ。だがその怒りはすぐに収まった。下手に隠されて真実を知らされるよりかはマシかもしれない、と思い直したのだ。

 その瞬間、心に大きな穴が空いてしまったのだけれど、それは王子にとっては関係ないことだ。


(そう、関係ないこと。王子様は生きているわたしを愛してくれないもの)


 生きている白雪姫を愛してくれたのは、実母だけだった。その人は白雪姫が四歳の時、病気でこの世を去った。今となっては母の事をよく思い出せない。けれど、自分に囁いてくれた愛の言葉は今でも鮮明に覚えている。


――白雪、私の可愛い白雪

――雪のように白い肌、黒檀のように黒い髪、林檎のように赤い唇

――私の理想通りに生まれてきた、この世界で一番可愛い私のお姫様

――あなたが幸せになれるように、魔法をかけてあげるわ


「……ばかばかしい」


 冷たく一蹴して、記憶を掘り返すのを止めた。

 今の白雪姫にとって愛された記憶は、胸を抉るモノでしかない。


「お母様は嘘つきね」


 なにが幸せになれる魔法だ。

 わたしは、全く幸せじゃないわ。







 愛して欲しいと願う人たちからは死を望まれた。

 父は愛してくれたが、時が経つにつれ実の娘に対して邪な感情を抱くようになった。大好きだったはずなのに、いつの間にか大嫌いになっていた。


(生まれ育った城を出て継母に何度も殺されかけて、王子様の后になったのはいいものの誰からも愛されない。我ながらロクな人生じゃなかったわね)


 そして今は、城を抜け出して一人ぼっちでここにいる。


「いえ、もとから独りぼっちね」


 自嘲気味に小さく笑う。

 王子の后になってからも、白雪姫の味方になってくれるような人は現れなかった。


(当然よね。何度も殺されかけたとはいえ、継母が死にいくのを嗤いながら見た子供を、誰が擁護するのかしら)


 あの日、白雪姫は捕らえた継母に鉄で出来た靴を履かせた。ただの鉄の靴ではない。長時間、炎に焼かれた鉄の靴だ。兵に命令し、拒絶する継母に無理矢理履かせた。

 甲高い悲鳴を上げ続け必死に許しを乞う、かつて自分の命を狙った継母。美しく咲き誇った深紅の薔薇のようだと評された美貌は醜く歪み、激痛から逃れようと両足をジタバタさせていた。それはまるで、下手な踊り子のようだった。


 継母から漂う焼けた肉の臭い。人々はその臭いに顔をしかめ、一部では嘔吐する者もいた。

 臭いは不快だったが、それ以上に胸が高鳴った。

 今まで白雪姫は、継母を恐れていた。しかし今はどうだ。その継母は、白雪姫を恐れている。許して、ごめんなさい、もう殺そうとしないから、と喚いているではないか。

 自分が味わった思い、いやそれ以上の苦痛を彼女に与えている。そう考えただけで、嗤いが込みあがってきた。


 いい気味だ。散々人を殺そうとして挙げ句、無駄に高かった自尊心を放り投げて命乞いして。どの面が言えるか。その程度で許してあげると思っているだなんて、なんておめでたい頭をしているのだろうか。

 見れば見るほど滑稽で、ついには堪えきれなくて大声で嗤った。継母が絶命するまで、嗤いが止まらなかった。

 あれが切掛けで周りの人たちが自分を恐れるようになったのに、継母を殺したことは不思議と後悔はしていない。


(後悔してやる義務もないわ。そうじゃないとわたし、あの人に殺されていたことだし。やられる前にやった。ただそれだけのことよ)


 しかし周りはそう思ってはいないようで。城の人々から『継母を殺した残忍で冷酷な少女』『美少女の皮を被った悪い魔女』『復讐姫』と囁かれていることは知っている。


(べつに復讐したつもりはないのだけど、みんなにはそう見えていたのかしら?)


 白雪姫は嘆息した。


(結局、何回も殺されかけようが殺した方が悪いっていうことかしらね)


 そうだとすれば、なんて理不尽なことか。笑いも泣きもしない喜劇でしかないのか。


(……考えるのをやめましょう。答えが出ない問題は、どうせ答えはないのだから)


 解答があっても、もう自分には関係ないことだ。

 その時、ボトッと雪の上に何かが落ちた。何気なしにそれを見ると見覚えのブロッシェが落ちていた。大きなスマラクトが埋め込まれたそれを感情のない目で眺める。

 愛せない、と断言した王子だが時折白雪姫に物を贈ってきた。召し使い経由で渡されたのがほとんどだが、稀に王子から直接手渡しされたこともあった。このブロッシェもその一つだ。


(王子様…あなたは残酷な人ね)


 こんな物渡されたら、あり得ないことだと分かっていても期待しちゃうじゃない。


(あそこに行くための、資金にしようと思っていたけど、もう必要ないわね)


 目的地はすぐそこ。これは拾った人の好きにすればいい。

 ブロッシェから目を逸らし、再び歩き出す。振り返る素振りもなく、ブロッシェは雪の中に埋もれていった。






 白雪姫が辿り着いたのは、人気のない城だった。人がいなくなってそれほど月日が経っていないが、手入れする者がいなくなった庭は荒れ放題だった。枯れた雑草が積もった雪からはみ出している。

「思った以上に荒れていないわね」

 冷たい廊下を歩きながら、城内を探索する。蔦は巻かれていないし、崩れている所もない。ただ人がいないだけの綺麗な城だった。


「懐かしいわ……」


 きゅっと胸が締め付けられる。ここには楽しかった思い出、そして辛かった思い出が詰め込まれている。

 父が急死していた、という連絡を受けたのは后となってからだった。亡くなったのは白雪姫が子人たちの家に居候していた頃だったという。跡取りもいなかったから仕えていた人は皆去った、とかつて白雪姫の命を狙った狩人に告げられた。

 それを聞いた時、悲しいと感じなかった。自分でも驚くほど、何とも思わなかったのだ。

 薄情な娘ね、と自分で嘆いてみたがすぐに思い直した。きっと、あのねっとりした視線を向けられた時点であの人が父親だという認識がなくなったんだわ、と納得させた。


(一通り見たら、最後にお墓参りしようかしら)


 おそらく父の墓は、母の墓の隣にあるだろう。供える花はないが、一応哀悼の意を見せようか。母には今まで墓参りに行かなかったことを詫びて、祈りを捧げようか。


「……しなくてもいいわね」


 どうせもうすぐ会うことになるのだから。

 踵を返して、倉庫に向かう。白雪姫の小さな足音が、暗く冷たい廊下に虚しく響いた。




「君は本当に凍えるほど美しいね。とても、十二歳には見えないよ」


 愛せない、と宣言してあまり関わってこなかった王子。しかし后になってから一年後、時々だが白雪姫の部屋に訪れることがあった。最初はどうして来るか分からなかったが、回数が重なるにつれ公務か勉強をさぼっていることに気付いた。どうやら、召し使いでも滅多に来ない白雪姫の部屋を避難場所にしたらしかった。

 特に何をするわけでもなく、それぞれ好きに過ごした。会話を交わすこともあったが、長く続くことはなかった。数えるほどしかなかったと思う。その台詞も、その一つだった。一週間ほど前のことだったので、その後の会話もまだ思い出せた。


「あら。それってつまり、わたしが老けているっていうことかしら?」

「まさか。大人びているってことさ」

「物は言いようね」

「君は、褒め言葉を素直に受け止める努力をするべきだよ。美しい薔薇には棘があるっていうけど、やっぱり棘はないほうが愛でやすいと思うんだ。できれば君を愛でたいからね」

「嘘吐き」


 吐き捨てるように言い放ち、白雪姫は笑んだ。


「どうせ、生きている君よりも死んでいる君のほうが美しかったって思っているのでしょう? 素直に受け止められるわけないじゃない。愛でたい? 笑わせないでくれる? 愛でたいのは死体のわたしでしょう? 見え透いた嘘はいらないわ。どうせなら、上手に騙してほしいわ」


 王子が白雪姫に「早く死んでほしい」と願っているのは明白だった。数少ない会話の端にそれが見え隠れしていた。

 王子は死んだ白雪姫に一目惚れしたのだから、生きている白雪姫は邪魔でしかない。

 王子は何か言いたげだったが、口を閉ざし視線を逸らした。それっきり言葉を交わすこともなく、時間だけが過ぎた。

 これが王子との最後の会話だ。






(王子様はどうせ追ってこない。追ってきたとしても、わたしが心配だからじゃない。死体が手に入らないから、手元に置いておきたいだけ)


 一通り城に燃えやすい素材と油を撒き終わり、城内から出て空を見上げる。しんしんと降り続ける雪が白雪姫の瞼の上に落ちた。


(王子様……)


 愛せないと告げられて、自分も愛さないと返した。

 死体しか愛せないと言っていたが、本質は優しいから白雪姫を無碍にできなかったことを知っている。

嘘吐きのくせに顔にすぐ出て、優しくて残酷な王子様。そんな人がわたしを救ってくれた。

 今はその救いすら恨めしい。


(嘘吐きはわたしのほうね)


 愛さないと言ったのは、強がりだった。

 蘇って初めて視線を交わしたあの時から、惹かれていたというのに。


(気持ち悪い)


 この想いを抱いている自分が、おぞましい。


(でも愛しちゃったのよね)


 あの王子を愛しているという事実に、吐き気がこみ上げてくる。王子に対する愛が汚物のように思えてくるほど、胸が嫌悪感に満ちていた。


「だから、大嫌いなのよ」


 愛しているけれど、それ以上に大嫌いで。矛盾した想いは昇華できるものでもなく、ましてや軌道修正できるものでもなかった。


(そりゃ愛してほしいと願ったこともあったけど、夢物語すぎて諦めた)


 容姿ばかりが美しいだけの可愛い気のないお姫様。継母を殺した少女を誰か愛せようか。


(残念なことに、死んでいるわたしでもいいから愛してほしいって思うほど、殊勝な性格していないのよ)


 愛してくれるなら、生きている自分を愛してほしい。そう願うことすら罪なのだろうか。


(罪じゃないと肯定してくれる人はいないでしょうけど)


 倉庫から持ち込んだ火打ち石を取り出して、じっと眺めながら歪に笑む。


「ふふふっ。あれほど生きることに必死だったのに、なんだかんだ死を選ぶなんて。これがわたしの運命だったのかしら」


 大嫌いで大好きな王子様。あなたの望む通り、死んであげるわ。けど死体になってまで、あなたに愛されたくないの。それでも死体のわたしを愛すのなら、いっそのことあなたが愛さないよう灰になってやるわ。これはわたしのささやかな復讐。


「こんな結末になるんなら、わたしなんて生まれてこなきゃよかったのよ」


 屈んで油に浸っている本の傍で、火打ち石を打ち続ける。火花が本に当たり、一瞬にして燃え上がった。炎の勢いは増し、やがて城を覆い尽くした。炎に包まれ、天高く火柱が立つその様子は、まるで白雪姫を導いているようだった。

 引き寄せられるように、一歩踏み出す。


「姫っ!」


 その声に硬直した。

 まさか。どうして。ここにいるわけがない。

 おそるおそる振り返ってみると、息を切らした王子の姿があった。綺麗な銀色の髪が遠くから見ても濡れているのが分かる。


(わたしが心配だから追ってきたんじゃないわ。わたしの死体を手元に置きたいだけよ)


 言い聞かせて、動揺を隠す。

 一応理由を訊こうか、とにっこりと笑みを刷った。


「あら、王子様。ご機嫌よう。どうしてここに?」

「どうしてって、君が城にいないから」

「いつもはわたしが何しても気に留めないくせに、どういった風の吹き回しかしら?」

「君が城のどこにもいない。人に聞き回ったら街から出たっていうじゃないか。心配するに決まっているよ。城のみんなも、君のことを心配していたよ」

「嘘はやめて。言ったでしょう? 見え透いた嘘はいらないって」

「嘘なんかじゃない!」


 彼にしては珍しく荒らげた口調に、肩が震える。

 彼が焦燥していることに気付いたが、だからといって信じられる内容でもなかった。


「知っているわよ。城のみんな……いいえ。民もわたしを恐れていることくらい。わたしがいなくなって、さぞ安心したのではなくて?」

「僕は本当のことを」

「もういいわ。不毛なだけよ、こんな会話」


 王子から目を逸らし、再び燃えさかる城に向き直る。


「なにやっているんだい……? そこは危ないよ。ほら、こっちに来なさい」

「危ないから、ここにいるのよ」

「何を言っているんだい。そこにいたら死んじゃうよ」


 振り返って笑ってみせる。それは繕った笑みではなく、自然に出た笑みだった。


 王子は愕然と白雪姫を凝視する。


「まさか君……死ぬためにわざわざここに……?」

「そうだとしたら?」

「馬鹿なことをしないでおくれ。故郷と共に死ぬことはないじゃないか!」

「馬鹿なこと? どの口が言えたことかしら」


 王子と向き合うよう踵を返しながら、鼻で笑う。


(故郷と共に死ぬですって? 勘違いにもほどがあるわ。故郷は滅んだ。ただ、形があるだけよ)


 廃墟は存在しているとはいえない。過去の残像でしかないのだ。


「ねぇ、王子様。わたしはもう耐えられないの」

「え……」

「臣下や召し使い、民の視線でも孤独だからじゃないの。あなたに死を望まれていることが、なによりもわたしを苦しめた。もう偽ることなんてできないわ。もう、この世界にいることに疲れたの」


 王子の顔の色が失っていく。悲しみ、あるいは絶望を映している表情に怪訝に思った。


(つねつね、この人は空気を吸うように嘘をぺらぺらつくくせに、思っていることはすぐ顔に出るって思っていたけど……なにがそんなに悲しいのかしら)


 最後まで理解しがたい人である。


「王子様。もう帰ってもよろしいのよ? わたしはここで死にたいの」

「どうして」

「毒殺も飛び降りも嫌。死体が残っちゃう。骨も灰も残さず、ぜんぶ持って逝きたいの。あなたのお城だと、他の人たちが巻き込まれるし。死に場所については、そうね。なんていえばいいのかしら?」


 考える素振りを見せながら、ああ、と呟く。


「わたしも人の心を持っているの。最後くらい、故郷に帰りたいって思ったのかしら? 短い間だったけど、ここには幸せだった記憶があるから」


 生まれてから四年間。母が生きていた頃が、白雪姫にとって一番幸せな時間だった。

 きっと、その記憶がなんとなく死に場所を選んだのだろう。


「僕の城は君にとってそんなに辛い場所だったのかい?」

「辛い? 決まっているじゃない」


 馬鹿馬鹿し過ぎて、失笑した。


「きれいなお城だったわ。ご飯もおいしくて、気候も安定して過ごしやすかった。けど、それだけなの。みんなわたしを恐れ、あなたに愛されない。そしてわたしは孤独を愛していない。視線が怖くて、ずっと引きこもったわ。端から見ても幸せじゃないって分かるのに、どうしてわざわざ訊くのかしら?」

「それは……」

「ねえ、王子様。あなたはたまに物をくれたわね。でもね、正直いらなかったわ。未練もなく捨てられたくらいにね」


 花も宝石が付いた飾り物も必要なかった。必要だったのは、欲しかったものは、唯一の愛だけ。


「姫……」


 悲愴な声色。だが、白雪姫の心はもう揺るがなかった。

 王子を見据えながら一歩下がる。


「姫っ!」


 必死な形相で駆け寄る王子。

 白雪姫は目を細め、口の端に弧を描きながらその身を炎に委ねた。

 そして、声高々に嗤う。


「王子様、ご覧になって! わたしの死に様を! 嬉しいでしょう? でもあなたに死体をくれてやらないわ! 生きたわたしをその目に焼き付いて、一生苦しんで生きなさい!」


 全身が熱い。服も髪も肌も、燃えている。

 痛いはずなのに、苦しいはずなのに、辛いはずなのに、どこか他人事に考えていた。

 きっと、美しいと評されたこの顔は、醜く爛れているだろう。

 そう思うと清々しくて、心が歓喜に震えた。

 後ずさりながら奥へ進む。炎の壁の向こうに王子が何かを叫んでいる姿が見えた。

 何もかもが滑稽すぎて、嘲笑う。


「ざまぁみなさい」


 目前で何かが倒れた。王子の姿も見えなくなる。

 そして白雪姫は、母に抱かれた赤ん坊のように静かに瞳を閉じた。

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