鉛筆

人生は鉛筆のようなものだと思う。

いや、それよりその鉛筆で描いていくストーリーだという方がいいだろうか。


細かい出来事も何もかもを白紙の紙に描いていく。その物語は同じものなどほかになく、他の誰にも作ることの出来ないたった一つの作品。


良くも悪くもそれはかけがえのないもの。


だが、それは永遠ではない。

鉛筆が書けなくなれば削る、また書いてまた削る。それを繰り返すたびにその鉛筆は短くなっていく。


書けないほどに短くなってしまったそれをあなたはどうするのか。

何とかして書き続ける?

それとも諦めて捨てる?

最後を大切にするかどうかであなたの人生は素晴らしくも、最悪にもなりうる。


でも、これだけは言える。


頑張って書いた人生のストーリーは絶対に面白い。



そして、人生を描くには消しゴムも必要だ。

苦しみや悲しみなどの残したくない過去を消してしまう。

でも、それはあなたの中で消えただけで、紙にはしっかりと悲しみの痕が残っている。

だから、悲しみや苦しみを忘れようとするたびにあなたの心の消しゴムはすり減っていく。

そして、いつか、それはなくなってしまう。

その時あなたは、苦しみの本当の重さを知るだろう。


耐えられなくなって逃げ出してしまうかもしれない。でも、なくなったものは元には戻らない。


だけど、これだけは忘れないで。

あなた一人の力では元には戻せない。

けれど、あなたの大切な人達と一緒になら、新たに築いていけるかもしれない。


だから一人で悩まないで。

顔を上げてみれば、消しゴムを貸してくれる仲間が、沢山いるから。


あなたはまだ、顔を伏せていて気づかないかもしれないけれど、あなたの周りはあなたの思っているより明るいよ?

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