離れた形

1度離れたものはもう二度と同じものには戻れない。剥がれた皮膚は、もう二度と同じものにはならない。


例え、見た目が同じでも……。


そこにあった痛みや苦しみは決して消えたりしない。いつまでも細胞一つ一つが覚えている。


でも、だからって離れることを恐れてはいけない。それから逃げてはいけない。

時には痛みや苦しみの中を突っ走らないと掴めない幸せだってある。


手を離せば、同じには戻れない。

離さなければ今のままでいられるかもしれない。


でも、変わらないことが幸せだとは思わない。


変わり続けて、変わり果てて。

何度離れてもまた違った形で隣にいれる。

そんな関係が1番だと思う。


忘れないで。

たとえその手が離れても、あなたの手の温もりは忘れない。

あなたが握ってくれていたことを、忘れたりなんてしない。

愛の形が変わっても、愛の方向が変わっても、あなたと築き上げてきた自分だということは変わらない。


大切な人の目が、あなたを捉えなくなっても、別の場所を見るようになったとしても、あなたはその手を下ろさないで。

いつか、戻ってきた時に、あなたの手の温もりが、また、そこにあるように。

いつか大切な人がもう一度、戻ってくる場所を見失わないように。

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