1-7)本文を用いた言葉選びについて

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 この記号は時間が経過したときによく使います。日数変わってたりすると特にですね。場所だけとかだと改行三つくらいでながします。これはただの趣味でとくにきまりがあるわけではないです。さっくり。


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「おう、ちゃんと来たな」

「はい、あの、でも俺」

「とっとと座れ」

「……はい、失礼します」

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 まともに話を聞く気のない山田です。あの転以降は結構会話のテンポがさくさくします。(書き手主観)

 山田の粗野な部分だけでなく、遮られると続けられない横須賀の押され弱いところを描写する会話でもあります。山田が押した分横須賀が引くような、ある意味ではちょうど良い関係ですねこいつら。


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 大きな体を小さく縮こまらせ、山田の言葉に横須賀は素直に従った。事務所自体は小さな一室のようだ。おそらく客用のソファに座りながら、どうにも落ち着かず横須賀はきょときょととあたりを見渡す。

「履歴書」

「あ、はいこちらです……え、っと、じゃなくて、俺」

「あ?」

 サングラス越しに山田が凄み返す。びくり、と横須賀は体をさらに縮こまらせ、しかしそれでも、という様子で山田を見返した。

「申し訳ありません、お時間いただいて失礼なのですが、俺探偵なんて」

「誰がてめえに探偵やれなんて言ったんだよ」

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 前から引き続きまともに言わせてもらえてないです横須賀。横須賀の末尾だけとれば、「俺」「俺」「俺探偵なんて」ですね。中々言えないことを描写するために俺を二回、三回目の探偵すら遮られてます。この音のリズムなんですが、以前別の場所でもお話ししたんですが私の癖ですね。三、というリズムが好きです。


 「ああ、ああ、ああ」と三回繰り返すことでどうしようもない嘆きを表現したり、「いえ、いえ、いいえ」と三回目をほんの少し帰ることで三回目の言葉を静かだけれども染み入るように使えたらいいなあとか、あとは単純にリズムが好きなだけです(ぶっちゃけそこがでかい)。今回のは台詞が続いたというより横須賀の台詞の末尾だけという変則ですが、「俺」「俺」「俺探偵なんて」と三度目で探偵なんてということで言葉に少しだけ戸惑いの色を強くし、そしてその強くなった戸惑いすら山田によって簡単に否定されてしまうという表記をしています。


 また、俺、と言っているのに、座れと言われたら失礼します、履歴書と言われたらこちらですと従ってしまう横須賀の性格も表現していますね。あと、山田呼んだくせに偉そうです。偉そうなのは山田のスタンスとして必要なんですが、このときの「誰がてめえに探偵やれなんて言ったんだよ」が実はとくに大事な台詞で、それもあって「俺」「俺」「俺探偵なんて」なんですね。三度目の強さをさらに強く否定することでこの言葉が浮けばいいなあって感じです。

 クトゥルフ神話という性質上、山田の探偵業務は神話生物に関わり発狂しかねないものです。山田は被害者を増やすつもりはなく、そのため横須賀にはこれから再三お前は探偵じゃない、探偵に向いていないといった言葉を向けることで横須賀を守ろうとします。そのはじまりの言葉ですので、この言葉は書き手にとっては大事なのです。ただ山田のその内心まではこの段階で悟らせるわけにはいかないので、そういったことに関係する説明はしていませんね。


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 いらだちを隠さない声が続く。横須賀は別段、怒られること自体には怯えない。怒らせてしまう、ということに怯えるのだ。だからひどく申し訳なさそうにしながら、言葉を探している。

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 横須賀の気の弱さは保身のためと言うよりは申し訳なさからですよーという説明です。伝えたいことを直接的に言うなとどこかで読んだことがありますが、別にこれは隠す必要もないですし直接的の何が悪いというさくさくっぷりです。俺は俺の道を行く。


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 山田はそんな横須賀の様子にはかけらも興味ないのか、履歴書にざっと目を通してあっさりと封筒にしまった。手の中でぱたぱたと団扇のように仰ぐ様は、雇い主としては好ましくない姿だろう。

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 前半でやけに本や紙を大事にしていた横須賀との対比です。山田は紙や記録に頓着してませんね。紙は所詮紙なんだ。にしても偉そうですし態度が悪いです。逆に自分の態度にどこまで従順なのか測っているのでしょう。普通こんなことしないだろう、という意味で、「雇い主としては好ましくない姿だろう」という言葉をつけています。説明しすぎと言われそうですが個人的にはこれくらい説明したくなっちゃうんですよねえ。趣味です。


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「パートはいつやめられる」

「あの、」

「『ご利用いただきありがとうございます』、だろ。金払って利用してやるんだ、感謝されていいくらいだぜ?」

 山田が口角をつり上げて、のどの奥で笑う。横須賀は自身の右手を左手で撫で、包むように握りしめた。

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 横須賀のバイト先の様子を書いています。気が弱く使われるのが好きな青年の姿が透けて見えればいいなと思いつつ、山田が注目したのはそこだったのかな、という示唆です。興味持つきっかけのシーンですね。


 右手を左手でなでる、のは、横須賀の心理描写ですね。基本女性がお辞儀をする際右手と左手を揃えますが、その際右手(一般的な利き手)を左手で握ることによって敵意がないという礼儀の示す形となっています。

 別にそんなこと普通は考えないでしょうが、文章情の演出として右手をなでるという描写をすることで、なにか言いたいことがあっても押さえつける横須賀の心理描写としています。


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「あんなテンプレみたいな文章、心の底から言える人間なんて初めて見たね。アンタの本質はそういうトコだろ。俺がうまく使ってやる。アンタは使われるだけでいい」

 横須賀の生気のない瞳が、山田を縋るように、しかし縋るには力がない色で見返す。

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 山田の失礼極まり無い言葉が横須賀にとっては希望のようで、しかし使ってくださいと言うには自身を肯定できないために戸惑いから縋るには力がないという意味での表記です。お前は出来る子なんだよと書き手は思いつつ横須賀の目は死んでいる。お前はそういう奴だよ。


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 山田はくつくつと笑って履歴書の入った封筒を横須賀の目の前に投げて寄越した。机の上から横須賀の体の前にはみ出すぎりぎりのところで、封筒は止まる。

「アンタがあの時書いてた履歴書も、読んでた本も統一感がねーな。事務ってだけで仕事選んでんだろ? 司書の資格がある見てぇだが、それを使う気はない、と。どーせその面の就職浪人、今勉強している資格が手に入っても実績ねえから落とされる。書類選考で落ちるだろその死んだ顔どーにかしねえと。なあ?」

 山田の言葉を聞きながら、横須賀の視線が落ちる。それでも山田は同情するような色をひとかけらも見せない。

「ここだってその気が無くても面接練習に使ってやるくらいの胆力なきゃお前みたいのはやってけねえよ。つーか探偵事務所ってだけで拒否るとかアホか。仕事内容聞けってんだ、なあ」

 言葉は返らない。山田は足を組み手を組んで、うつむく横須賀をのぞき込むように体を机にもたれかけさせた。

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 一方的に投げられる言葉を横須賀はただ聞くしかできない。このときのイメージは上から降りかかる暴言ですね。しかし暴言だけでは意味がないので、ここで山田が前傾姿勢になります。それまで横須賀の視線など気にしなかったのに、覗き込むような所作をするのです。

 山田が横須賀をみた、という描写ですね。


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「俺はアンタを資料係として雇いたい」

 ゆるり、と横須賀が顔を上げる。

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 短い台詞と短い地の文で、山田の言葉が横須賀に届いた、それもタイムラグはほとんどないだろうという描写です。


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「アンタみてーのに事務なんてもったいねえな。アホがさせることだ。俺は調べ物はからきしで、事件だって必要ないと判断すれば頭から消していく。知識が多いから整理しねーともったいねーからな。だから、アンタには補佐を頼みたい」

「しりょうがかり、として」

 ひとつ遅れて横須賀が復唱する。山田が大仰に頷いた。

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 横須賀を肯定する言葉ではなく、さきほどの資料係という言葉にこそ心が揺れた描写です。横須賀はそこまで自身に肯定感をまだ持てていないため肯定する言葉に照れもなにもせず、しかし資料係は自身が好む仕事があるだろうという、あこがれのような夢のようなもので、夢のようだからこそひとつ遅れた復唱となっています。かみしめるような意味ですね。


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「自分の家でもねーのに分類違うだけで覚えているような無駄な頭してんなら向いてんだろ。まだまだアンタは経験が足りねえが……そうだな、アンタにはワトスン程度にはなってもらおうと思う。この事務所にいれば、それくらいには成長できるだろうよ」

「わとすん」

 横須賀がまた復唱する。それが非常に愉快だったのか、山田は「はは、」と声を上げて笑った。

「そうだ、ワトスンだ! 光栄に思え!! この探偵の元で、てめえはワトスンになれる。俺はホームズのように気まぐれに事件を解決するだろう、てめえはそれを特等席で見る権利を得るんだ。愚図のようなてめえを、この探偵様が使ってやる」

 不遜で、尊大で、そしてひどく相手をバカにした言葉だ。怒ってその場を立ち去るのが正しいだろう。

 しかし横須賀は、自分自身が愚鈍であることに気づいている人間だった。

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 横須賀の言葉に対してさらに言葉を重ねて、それからようやく一番の今回の目的であるワトスンを出せました。ワトスンという言葉が大事なので、横須賀に復唱してもらっています。ここで山田の感情が表にでてきた勢いを出すために、「はは、」という言葉を使っています。笑うって行為は一般的には酸素を吐き出す行為なので、そこに感情が出てくる、という描写をしたわけですね。


 このあとの山田の言葉は山田のワトスンに対する、ホームズに対する印象を示しています。あくまで一般的な程度の情報に留めていますが、中の人的にはワトスンはシャーロックの親友であるという印象の方が強いです。喧嘩もするけど親友ってめっちゃいうんですよあの人。だからこの口上は、読み手からしたらシャーロックと自分を同一にしてこき使おうとする尊大さですが、書き手的には友達にしてやろう的な口上ですね。かわいいなーと思ってます。山田にはそこまでの自覚は薄いでしょうが、それでも相棒を求めたのでしょう。目が悪いので危機感からと本人はおもってそうですが、だったらワトスンなんて言わなくていいんです。山田はこの段階で既に相棒宣言していました。横須賀はわかっていません。


 書き手的にもわかられると困るので、この愛らしい口上には否定的な地の文で畳みかけます。こいつ偉そうだよー怒っても良いよーってやつですね。またこの怒ってもいいという言葉には、でも横須賀は怒らないという意味もあります。「自分自身が愚鈍である」という言葉はだから怒らないということですが、それ以外に、断定は否定される準備であるという私の文章の癖でもあります。愚鈍でないよ、と思いながら愚鈍だよ、と言ってるわけですね。断定については当たり前すぎるから本当だよと言う使い方と、本当にそうかな? の二パターンくらいで使いやすいです。


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「本気で嫌なら、優しい優しい俺が選択肢をやろうじゃねえか」

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 これまでの過程で優しくないだろう! とつっこみが入れば万々歳です。書き手としては本当に優しいと思っているので、山田は優しいよ! という宣言でもあります。

 山田自身はこの選択肢は優しさだぜ、お前は選ぶ権利がある、というポーズをしているだけですが。選ばない結果より選んだ結果のが当人に残りますのでね。俺の手を取れ。取りたいんだろうお前は。そういう意味です。


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 ゆらゆらと揺れる視線が、山田を写す。山田はその黒点のように小さな瞳の中で、愉快そうに笑っている。

 それから少し腰を上げ、先ほど横須賀の前に落とした封筒を横須賀の体の前まで押しつける。浮かした腰を深くソファにかけ直し、体を尊大にそらして口元を引き結び山田は横須賀を見上げた。

 横須賀が、おそるおそる封筒を手にする。

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 横須賀の心理状態の描写と、体をそらしても横須賀を見下ろすんじゃなくて見上げる山田の身長差の主張部分です。「動揺したようにあちこちに」ではなく「ゆらゆら」という言葉が、横須賀の緩慢な水の中にある望みのようなもの、に近いかなあとその単語を選びました。動揺とかですと望みより戸惑いが大きくなるので。このときの横須賀は、暗い暗い誘惑のような甘い水に呼ばれてるのです。ほしい。けれど唐突すぎるオアシスの水に、それは手を伸ばしていいのかもわからない。そういう心理ですね。


 そして封筒は契約の形です。横須賀に押しつけることで山田は言葉だけでなく物理で横須賀に選択肢を与えたという描写です。選択肢に喜ぶよりもおそるおそる触れる横須賀は、選ぶことになれていないのだろうという描写でもあります。性格的にも、これまでの経験的にも実際なれていないと思います。


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「破れ」

 山田の声が横須賀の体を縛る。びくりと強ばらせ、横須賀は視線すら動かせない。

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 驚いて顔を上げるのではなく、視線すら動かせなくなる。「破れ」という言葉が横須賀にとってひどく恐ろしいものである、戸惑うものであるという示唆です。


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「雇われたくないなら、破れ。そしたら無かったことにしてやる」

 横須賀は紙を破るということに抵抗がある。それは無かったことにする行為だと、わかっているからだ。いやしかし、履歴書に書かれた彼などなんの意味があるのだろうか。横須賀自体に横須賀は意味を見いだせない。なら横須賀を物語るそれを、破り捨てても問題ないだろう。

 それでも横須賀は、手を動かせなかった。中の資料にふれることも出来ず、山田を伺い見る。

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 さきほどの示唆を受けての、重ねるように紙を破ることが苦手なこと、その理由を書いています。示唆の後理由を重ねることで、これは強く横須賀の内側のことなのだという描写ですね。


 先ほどの山田の台詞は、「破れ」という単語の強さを伝えるために「破れ」しかありませんでしたが、何故破れなのか破るというのはこの場面ではどういうことなのか、を補足するために言葉を重ねています。山田はあくまで補足ですが、地の文の破るということが横須賀にとってどういうことかというものは重ねがけによる強調です。読み手にとってどう感じるのか、実際これ際がどれくらいあるのかわかりませんが、書き手自身にとっては声の大きさが違うような、説明と強調で音が違って聞こえる気持ちで書いてはいます。実際どうかは知りません。テクニックがあるわけでもないので……。まあそういう気持ち、ということですはい。


 破ることが怖いこと、に重ねて履歴書に書かれた彼の意味についてふれています。「書かれた彼などなんの意味があるだろうか」は、意味がない、という意味での言葉ですね。書かれた彼に意味はない。と先に言って、その後に「横須賀自体に横須賀は意味を見いだせない」と続ける。履歴書の彼も当人も意味がないってことになりますねこれ。でも履歴書は意味がないと続けるための言葉でしかありませんが、次の言葉は横須賀は、なので、横須賀以外は意味を見いだすかもしれないという言葉でもあります。


 最後の行はそれでも破れない横須賀、選ぶことになれていなくて他人の顔を見てしまうという横須賀の自己主張のなさを書いています。


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「破らねえのか?」

 くつり、と引き結んでいた口角を山田は持ち上げた。横須賀はじっと山田を見ている。山田のサングラスは山田を見せずに横須賀の不安げな顔を見せる。

 横須賀は膝の上で拳を作り、曲がっていた背筋を伸ばした。

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 山田による確認の台詞と、背筋を伸ばすということで回答になりますね。

 「山田のサングラスは山田を見せずに~」は、山田の顔がわからないことに加えて、横須賀の表情がわかりやすいこと、見える見えないの対比、山田を見ることで横須賀は自分を見る、という示唆になっています。特に最後のことは横須賀が山田といる意味にもなってくるので、大事に混ぜ込みます。混ぜ混ぜ。こういう表現は連続させなくても話のなかにちょいちょい混ぜて繰り返して刷り込めたらラッキー、とか思ってます。


 最後の行の「膝の上で~伸ばした」は、イメージしたのは面接の時の姿勢ですね。ここで面接の時にしなければならないだろう姿勢をきちんと取ったことで、横須賀がこの仕事に向きあうことにした答えを暗示しています。


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「……よおし、それでいい」

 山田が穏やかな声で頷く。それから口元に手を当て、くつくつと喉を鳴らす。

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 嬉しくて穏やかな声だす山田かわいい。とか書き手は思ってます。性格には嬉しくて、と言うよりは、優しい見守る気持ちで、若い気の弱い青年ががんばろうと背筋を伸ばしたことを受け入れた為つい、という感じです。大丈夫、それでいい。君に居場所をあげる。そういう傲慢なようでとても優しい、山田太郎の本質がこぼれた声です。あと、穏やかな声を出せる人という明示です。この人の声の本質はこっち側だよーと思いつつ、さらりと混ぜ、その声をごまかすように「口元に手を当て」、わざわざ作ったように「くつくつと喉を鳴ら」させるわけです。


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「でかいの、アンタを俺が使ってやる。アンタは使われればいい。求められた結果に答えればいい。簡単だろう? それで金が貰えるんだ。ほら」

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 山田は横須賀の名前を呼びません。そのための、「でかいの」です。使われればいい、求められた結果に答えればいい、というのは、横須賀に仕事上では選択肢を与えず、責任を負わせないと言う宣言です。山田の仕事はクトゥルフ神話関係で、簡単に人が発狂します。また人を切り捨てることもあります。そのため、その責任は横須賀にはないこと、心労を積んではいけないという宣言です。山田は相方を求めているのですが、同時に自分のせいで失うことも恐れています。そういう山田の本質を、横須賀への言葉でまぜこんでいます。またこの台詞は横須賀にとって甘美な水という提示でもあります。横須賀は使ってもらうことが嬉しい、使われることがありがたいと心の底から思う人なので。


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 山田がもう一枚紙を投げて寄越した。そちらを、横須賀は手に取る。

「判子わすれてねえだろうな」

「……はい」

「じゃあ、てめえの愚図ついた頭でもするべき事はわかるな?」

 山田が笑う。横須賀は紙を破れない。

 選択肢はひとつしか、無かった。

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 山田の横暴な態度と横須賀の動けない受動的な態度の描写です。これまでの山田が使うという言葉、横須賀が使われる言葉、こういうことで横須賀は山田に逆らえないだろうと言う描写の総まとめです。そして最初に提示された総まとめは基本否定するためにあります。こういった力関係を強く描いて、だからこそ横須賀が山田のために山田の望まないことをする、ということがたぎるなあと思う中の人の趣味ですね。

 また、そこまで横須賀がする理由として山田の本質のいいひとのぶぶんもゆっくりゆっくり混ぜていきたいです。伝わらなくても良いけれど、読み返したときに優しかったんだ、と気づいてもらえたらな、という形での今回の序でした。


 以上、簡易ですが何を考えて文章を書いているかの思考を書き出してみました。


 基本終わりがあって、そのために文章を積み重ねていますね。実際はここまで深く考えずに音を選んだりしていることもありますが、ふりかえるとこここういう意味で選んだなーとかあります。書いている最中は、しっくりくる形やここで山田いいひとって伝えよとかそれくらいの曖昧さだったり。でも実際言葉選ぶときは先に示したような基準で選んだりしています。

 これらは伝わらなければ意味がないと言いますが、書き手としてはそんなのわかるわけないので好きに書いてます。こういう感じで、という指針があると、膨大な言葉の中から勝手に絞り込まれるので便利とも思います。ワンパターンになりがちですが……

 まあ楽しければいいよね! くらいの気軽な案配でお送りしたものです。

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