第2話弁護士って一般家庭にはいないの?

時は経ち、小学一年生の頃。

そのころ我が家にはK先生という弁護士さんがよく来ていた。父も母もK先生が来るとお茶を出し、すごく丁寧なお持て成しをしていた。誰?と聞くと弁護士の先生だよと特に隠すわけでもなく紹介された。普通の家には1人弁護士がつくものなのだと勝手に解釈した。なので学校でも普通にみんなに話していたと思うし恥ずかしいことだとは知らなかった。数年後聞いたらば破産宣告の為に弁護士にお願いしていたらしい。恥ずかしい…。


父のギャンブルは止まることを知らず、競輪、競艇、オート、パチンコ、なんでもやった。給料は全部ギャンブル。足りない分はカードで借りる。母が働いていたので辛うじて生活はできていたものの、母は母でおかしく「あいつも好き勝手やってるんだから私も好き勝手にやる」と本当に好き勝手やっていた。

夜は飲みに出かけた。明け方帰ってくるので朝は起きない。私や妹たちは勝手に冷蔵庫のものを漁ってご飯を作って食べた。そして朝起こすと怒られた。例え学校の用事でもだ。「うるせー!寝てるんだから邪魔すんじゃねー!」なので極力話しかけるのをやめた。

小6のとき、初潮がきた。ナプキンの付け方も下着もどうしたらいいのか分からず渋々母を起こした。怒鳴られこそしなかったが、棚に一式入ってるから勝手にやれと言われ何か寂しかった記憶がある。

母のことは次の章で書こうと思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る