愛に抱かれる

振り上げた手を叩きつける

砕けてしまえと願いながら

声の限りに絶叫をあげ

喉も裂けよと呪い続ける


いらない、いらない、いらない

こんな私、もういらない


子供のように泣きじゃくる

嵐に投げ込まれた木の葉のように

ぐちゃぐちゃな感情を晒け出し

わぁわぁと泣きわめいて駄々をする


耳鳴りがして、頭痛に脳が揺れて

呼吸困難な肺が震え出す

ぽんこつな心臓はとうに限界

不意に、沈黙にすとんと落ちる私を


あなたは黙ったまま抱き締める

そうして背中を優しく撫でる


感情なんて無いのかと思っていた

血も涙もない奴と言われていたから

無表情で見送った日々の中で

綴る言葉だけが私を形作っていた


予測もしていなかった結婚に

ついていけない自分が暴発

些細な言葉に起こした感情の嵐を

あなたはきちんと受け止めた


いいんだよ、と囁かれて怯える

隠さず出していいんだと、あなたは

子供な私を心ごと抱き締めて笑う

これから一緒に生きようと


丸ごと全部、愛するからと…






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