秘密〜とある少年と裏社会〜

囲会多マッキー

俺の家の地下に・・・

秘密組織への加入

第1話 我が家の秘密に気づいた日

宝田浩介、現在中学3年生。1月からの3学期というとても大事な時期に俺がいる場所は――自分の布団の中である。

何故かというとそれはだな俺が不登校だからだ!

自己紹介が終わったとこで、俺のパソコンにあるソフトが届いた。そのソフト名は神の声らしい。馬鹿げた名前である。

そのアプリは

《さっさと学校行きなさい!》

――嫌に決まってるだろ!

《なんで?》

――行きにくいから。

これはただの不登校児の言い訳に過ぎない。

《大丈夫だから。》

――どこが大丈夫なんだ?

《いじめられてるんでしょ?》

――そうだよ!

《なら、部屋から早く出てみなよ。》

――お前は誰だ?

《私の名前はおいおい話すから。》

――ならなんて呼べばいい?

《天の声なんてどうだろう?》

――じゃあ天の声。俺にどうしろって言うんだ?

《ある人を探してほしいんだ。》

――どうやって?

《大丈夫。テレビに出てるから。》

――尚更無理だろ。

《犯罪者だから大丈夫。》

――あんた、何考えてんだ?

《君には捕まえてほしいんだ。》

――無理だろ。

《階段の下の液晶の電源をつけて。》

――こうか?

《うん。》

――どうすればいいんだ?

《自分で頑張って。》

――どうやって!?

《めんどくさいから本物の天の声にパス。》

「今行くから待ってて!」

「母さん、なんのイタズラだ?」

「イタズラじゃないわよ。」

よく見れば母さんの服装がいつもと違う。

「私はこれでもスパイなのよ?」

「何言ってんの?」

「スパイは嘘だけど、秘密警察ってところかしら。」

「・・・」

「信用してよ〜!」

母さんは必死に説明している。これは私を学校に行かせるための罠ではないかと思い、キーボードを叩いて天の声(?)に問う。

――母さんが秘密警察ってホントか?

《ホントだよ。》

――いつからだ?

《3年前から。》

――父さんは?

《知ってるよ。》

――防衛省の関係か?

《そうだよ。》

――母さんは死ぬのか?

《君が訓練しないと死ぬ確率は100%だ。》

「というわけだからよろしく!」

「命には関わらないのか?」

「え・・・!?」

母さんは急に冷や汗を流し始めた。

「な、ないわよ?大丈夫。」

「嘘だな。」

「なんで分かったの!?」

「そんな反応して分からないやつがおかしい。」

「もし、仕事をミスったら地球では生活できない。」

「それって、死ぬってことか?」

母さんは笑いを苦笑いしながら

「いや、そうじゃないけど・・・」

「地球では生活できないなら・・・?」

「一生じゃないけど、1年はいられないわね。」

「・・・」

《浩介は今日からギャンブル犯罪者の人生のかかったギャンブルをすることになる。》

――お前、AIじゃないだろ。

《バレちゃった?》

――AIにしては口が達者だからな。

《そうか・・・バレないと思ってたのにな・・・》

――とりあえず、おまえの名前は?

《宝田浩介。》

――父さん!?

《お前が息子か!?》

自分の息子だとわからずにAIの真似をしていたらしい。

――母さんのこと、知ってたんだね。

《あぁ済まなかった。》

――そういや、なんで俺が息子って知らなかったの?

《母さんが隠してたんだろうな。》

――マジか!?母さんそんな芸当できたのか!?

「浩平、父さんと何話してるの?」

「何でもないです!」

「パソコン見せなさい?」

「ダメ!プライバシーがあるからダメ!」

《母さんが隠すことなんて出来ないと思ってたのにな・・・》

――そうだよな。そりゃびっくりだよな。

《名前が同じだから怪しいとは思っていたんだが・・・》

――母さん、何者なんだ?

《少なくとも俺よりは立場が上だろうな。》

――それってもしかして、幹部クラスってことか?

《多分そうなんだろうが、幹部クラスが現場に出るって不思議でしょうがないんだよな。》

確かにそうだ。幹部ってきくと椅子に偉そうに座っているようなイメージしかない。

《受験はどうなんだ?》

――1、2年のおかげでそこそこの所には行ける。

《どんなとこにいこうと思ってるんだ?》

――とりあえず、普通科の高校。

《最悪落ちても大丈夫だからな。》

――いや、絶対に受かる自信あるし。

《そうなの?》

――それより、父さんはどこにいるの?

《言えない場所。》

――父さんも結構幹部に近い存在なんじゃないの?

《違うよ。私は普通のleibiinだぞ?》

――どこの役職なの?

《人の話を聞いてたか!?》

――だってウソでしょ?

《なんでそう思うんだ?》

――さっきスペルミスしてたから。

《それだけか?》

――文章がいつもと違ったから。

《それだけでその答えを導いたのか?》

――合ってるでしょ?

《ハズレ。》

――嘘つかなくていいから。

《嘘じゃない。父さんは母さんの部下だ。》

――ということは父さんも秘密警察に?

《母さん、秘密警察って言ってたのか?》

――うん。そう言ってた。

《秘密警察ではないが、まぁそうだ。》

――そうなんだ。

《とりあえず今から戻るから母さんと訓練していてくれ。》

――わかった。

俺は母さんに父さんがもう少しで帰ること、俺を鍛えてくれと言った。

「じゃあ、地下に行ってて。」

「うちに地下なんてないだろ?」

「階段の下のボタンを押して。」

「これか?」

「そう。」

ボタンを押すと不思議な装置が飛び出てきた。

「ここに指置いて。」

「こうか?」

「いいよ。」

きっと静脈認証をしていたのだろう。俺が登録されると床が下にスライドした。

「そのままじっとしてて。」

「分かった。」

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