雷雨

 上野を出たころは雲一つない青空が広がっていたのだが、秋葉原、大手町、有楽町、新橋、日の出、芝浦ふ頭、そしてレインボーブリッジを渡ってお台場に着いた辺りで雲行きが怪しくなってきた。

 それでも西の空は相変わらずの晴天で、まあ、降っても大したことはないだろうと高を括っていたのだが、みるみるうちに雨雲が空を覆い、どころか雷鳴まで聞こえてきた。私は半ば自棄になって、雨の中を東雲から築地の駅まで歩いてやった。なあに、これぐらいで風邪をひく私ではない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る