第1章-4 持ち物検査(セルフ)

 姉に色々と聞いていたら、ロリが帰ってきたので切り上げた。

 聞きながら魔法の手ほどきも受けた。2、3分も教えてもらったら、簡単にできるようになった。

 習ったことは、後でノートに纏めようとおもう。


「じゃあ俺はそろそろ寝るんで、今日一日ありがと」


「こちらこそパンを譲っていただき、誠にありがとうございました」




 姉妹が部屋を出て行ったのは、バッグにつけている腕時計が正しければ7時前になる。自分の感覚とも合ってると、思う。多分。


 部屋に照明具はあるが、中にロウソクや電球があるのではなく、魔法の光ライトを上に反射させ、間接照明にする道具らしい。姉曰く、「照明具は無くても問題はないが、夜にライトだけで作業をすると目が疲れる」のだという。



 一人になって暇になったので持ち物を全部出してみる。

 まずポケットに財布とスマホ、イヤホン。

 高校生の多くが同じ装備だろう。


 次にバッグにはタオルが2枚、ハンカチ1枚、頭痛薬とお腹の薬に絆創膏、薬用の水350ml、アルコールウェットティッシュが2パック、ティッシュが3つ、ビニール袋が3枚。

 ふむ、医療品は大事だよね。


 まだまだある。割り箸が2膳、モバイルバッテリーと充電器のセット、筆箱に新品のノートが2冊、B5のルーズリーフが残り50枚ほど、ほぼ何も書いてない手帳が1つ

 ノートもルーズリーフも高校を卒業した俺には必要もないのに。


 最後に、非常用マネー5000円、飴が3種合計30個ほど、折りたたみ傘。

 折りたたみ傘、とても大事。


 これで全てになる。


 ビビリな性格で、ものを沢山持ち歩くタイプなのだが、これで日本に帰ることはできなそうだ。反省、、しても何を持っていれば日本に逃げれるのかはわからない。



 にしても俺のバッグの中身は多いな、だからいつも肩がこるのか。




 ノートと筆箱を取り出し姉に聞いたことを書き込む。

 まず、今いる場所はメゾン王国のノルマンディー領。隣国にクオリの国とハイツの国、そして魔境や海と接している。


 次、俺の今後について。サクラサクという組織に帰属する。約300人の日本人がいる。これだけか。

 あとはここの家族構成やロリ達のことも書き加えておいた。


 次、種族について。人間以外にエルフや獣人、ドワーフ、魔人などがあるらしい。詳しい形態は知らないと言われた。


 次、一番おかしなこと、魔法についてだ。魔法は火、水、風、土、雷、無、の6属性からなり、人間は全てを使えるようだ。

 無属性というのが浄化やライトといったものだ。

 魔法は自分から半径1m程度しか操れないようだ。

 1mを超えると急に操作が効かなくなる。

 風も1m以内なら好きに操れるのだが、1mを超えるとそのまま進んでゆく。


 ほかの属性をここで発動させるのは、やめてほしいと言われた。



 無属性が一番汎用性が有り、生活魔法と戦闘魔法に分けて考える人もいるのだという。

 生活魔法の浄化、ライトから始まり、回復、テレポー。、戦闘魔法には、肉体強化などがあるそうだ。

 逆に雷は一切使い道がないそうだ。雷も1mしか操つれず、1mを超えると近くの物に当たってしまうため、攻撃できないと。


 人間族は最も魔法を操るのが下手で、他種族はもっと遠くまで操れるのだという。そして最大出力も圧倒的に劣っている。しかし無属性魔法の発展が最も優れているため、なんとかいくつかの国が存続していると。



 姉から聞き出せたのはここまでだ。魔法はもっと使ってみたいけどライト、浄化、風、以外は教わってないし怖いのでここでの練習はできない。


 もうすでに気が付いている。地球ではない、と。

 魔法がある。変な種族がある。明らかに地球に比べて、文明が劣っている。


 この3点から未来の地球だとか過去の地球だとかは否定できる。それに俺にも魔法が使えるのだ。まず間違いなく地球じゃない。グラフルさんの別の惑星だのパラレルワールドだのが現実味を帯びてきた。


 散らかしたバッグの中身を整理して寝る事にする。因みにスマホは圏外だしWi-Fiも1つもないしゲームくらいしかやることがない。充電の減りを考えて電源を切っておく。モバイルバッテリーも考えてあと300%分くらいは残ってるかな。

 明日のことは明日考えよう。

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