-新店舗準備中②-

どうもイズミです!王都に戻ってきて現在は店舗準備3日目になり新規開店までもう少し…のはず…

目の前には未だに手付かずの箱の山と書類の山…


「てんちょ~マンションの契約書どこにいれたっけ~」


「店長、このファイルに綴じていた書類が見当たらないのですが… 」


「イズミン…ここまでのデーター入力は終わったけど次はどれから手を付ける? 」


一日目で体力にものを言わせて作業したのは良いけれど、ファイルや書類出来る限り整理して陳列したはずがどこに入れたか分からなくなり、また魔道具でのデーター管理を使用と購入したが入力作業に手間取っているヒナタとフィンが書類探し、ヒスイと私の転生、転移者組の機械…主にOLとして入力業務をしたことある私達が作業をこなしている


「イズミさん、張り出しの物件ですが間取り違いかと思いましたが何枚か同じものが… 」


「おいイズミ! 給湯室の魔道具うまく動かないぞ? 」


クロ―ドとアキトからも質問が飛んでくる…問題だらけだ…私は深呼吸をしてから皆に向かい告げる


「よし、今日はここまでにして休もうか…」


「「「「「いやいやいや」」」」」


いまはまだ午前中…作業を始めてまだ数時間しかたっていない、しかしまったく進まない、進んでいるように思えない…3階に家はギリギリ住める状態にはなっているが仕事場優先でいまだに片付いていない

食事関係はカエデさんが持ってきてくれている、従業員の皆には残業で働いてもらっている、アキトも暇だからと手伝ってくれているが…


「猫の手も借りたい… 」


「獣人の手は忙しく動いでるよ~ 」


「竜王の手もじゃな 」


「エルフの手ですね 」


「まだ冗談を言う余裕はあるわけね…がんばって今週には開店できるようにしないとね」


もくもくと入力音と書類の音、物を動かす音が流れる…購入してきた魔導音楽プレイヤーもフル稼働中だ、大きな出費ではあったがなんだかんだで掃除機も購入してきて正解だった…


午後になり一息ついていると一人の来客があった

虎が描かれたマント、オールバックに固めた髪、金縁のサングラス、首から下がるアクセサリーや指にはめる指輪、全てが金で統一されているすごい成金な格好

ブリッド=キングス、ホテル、イスルス・キングスホテルのオーナーでありISEKAI CHINTAIの向かい側にリ・ワールド支店が現在も建築工事中だが…

今現在すごく忙しい中、対応している暇がないからお帰り願いたい人物


「どうもこんにちは、近々向かいで我がホテルの支店を建てる事になりその挨拶に来た」


「ご丁寧にどうも、店長のイズミです、キングスさんですよね? 港町ではホテルを利用させていただきました、とても快適でいい休暇になりました」


「いやいやうちなどまだまだ、王都では賃貸屋さんの提供する物件はどこも素晴らしいと評判ですよ」


「なんでまた王都に支店を? 」


「いやただの嫌がらせ…ゴホン、港町での営業も安定して来たので王都にも手を伸ばそうと思ってね」


思いっきり嫌がらせと言っている…いや、むしろ今現在、この場に来ているのが一番の嫌がらせだ、こちらはさっさと作業に戻りたいのに…なんだろ…ああ、そうだ自身が必死に残業をしないように日中の仕事を集中して行っているのに上司にくだらない話題を振られて集中力を削られる感じに似ている…

フィンやヒスイ、ヒナタ達も嫌な顔をしながら作業をしている…ちょっとクロ―ドその握り拳は振り下ろしてはいけない…ミスターとミスター2号も反応をしない…外敵なのに役立たずだな…


「それでだな…実はお願いがあるのだが… 」


「おねがい?キングスさんがですか? 」


「ああ、実はだな…急ぎで手配はしたものの汚物処理施設は見てのとおりできたのだが…肝心の建物を建てる職人がだな…逃げてしまってな…」


「え…」


「いや正確には建てる職人のリーダーが逃げてしまい、資材関係はあるのだが職人がいない…すこし無理な工程で頼んだのだが前金は弾んで渡したがまさか逃げるとは…」


「…それで私にどうしろと? 」


「この店を1日で建てたその能力で、我がホテルも建ててくれないか? 」


ニッと笑う顔…歯まで金だよこの人…え…何? 職人に逃げられたから私にホテルを建ててくれと? 話は解ったけどどうするか…ここは恩を売っておこうか…


「すまないが助けてくれないか? お礼はする」


キングスが腰を低くしてまで頼んでくる…はて…どうするかな…そうだ


「そうしたら条件をいくつか出させてください」


「条件だと? なんだ無理がない範囲でなんでも言うがいい、こちらは頼んでいる側だからな」


「それでは、まず何部屋かは私の店で提供する賃貸物件や販売物件の入居待ちのお客様の仮住まいとしていつでも提供してもらう事、それとホテル自体も賃貸物件扱いでキングスさんにお貸しすることを条件にどうでしょうか? 土地はもちろん私が買います」


「私は悪までイズミ殿に建物を借りてホテルを経営すると? そして部屋をいつでも貸出できるように調整が可能なようにしろと言うのだな? 」


「はい、どうでしょうか? 1階フロアはレストラン、カフェが経営可能にし当店の従業員と顧客は無料で利用できるようにして貰いたい、もちろん無期限」


「初期投資がでかいが長期的に見ればそちらに利益があるわけだな…」


「こちらにも十分利益があるし、もし閉業してもどちらにも痛みが無いわけだな…ホテルをイズミ殿がリフォームして使うことも可能なわけだ…」


「そうです、どうでしょうか? 」


「…うむ、それでいこう、それでいつぐらいにできる? 」


「いますぐにでも! 」


私は外に出てクロ―ドにも手伝ってもらい人払いをする、キングスから使用する資材を受け取り、デザインは私が決める、1階は飲食店と受付、2階は従業員フロア、3階から12階までは客室としようかな?、イメージとしては高級なビジネスホテルかな…

大地に私の魔力が満たされ、建設予定地に巨大な魔法陣が浮かび上がるそして形を成す


ISEKAI CHINTAIの目の前には12階建ての巨大な建物が出来上がった、通りにいた人々がざわつき、見上げる、黒く塗られた建物に金の装飾、照明で照らされた外観、正面の看板にはリ・ワールド・キングスホテルと金文字で掘られた看板、入口の前には金のキングス増が建つ


「これは素晴らしい!! 」


「喜んで貰ってよかったです…それでは契約書を作成するので店内で…」


「ああ…解った、これからもよろしく頼む」


「お互いの利益のためにね…あ、あと嫌がらせは今後一切やめてね? 」


私はキングスに向かい漫勉の笑みで言うとキングスは土下座して謝ってきた、それを見た従業員一同は笑いながら作業を続けた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る