後編

目を開けると、そこには、先輩の寝顔があった。

………って、えええぇぇぇぇっぇ!!、

ど、ど、どういうこと!?なんで、私先輩に、膝枕されてるの!?って、そんなことより、先輩の寝顔可愛すぎなんですけど!!

その時だった。先輩の顔が私の顔に近づいてきたのだ。

………え、ままままさか、先輩とキスしちゃうの私、そ、その心の準備が………

「…………っぅ………あ、やっと起きたのか」

こ、こんなの生き地獄です!!なんですか!!期待させておいて、なんなんですか!!

「…………先輩は、ひどいです………」

「ん?なにが、酷いのかな?」

「………………………知らないです!!そんな 、酷い先輩にはお仕置きが必要ですなので………えいっ!!」

そして、私は、先輩の唇に自分の唇を当てた。

…………ふ、ふふへへ、えへへーー、ついに先輩とキスしてしちゃったよ………

「………こりゃあ、驚いたな。いきなり、キスしてくるだなんて」

先輩は、特に照れることなく、唯キスされたことに対して、驚いただけみたいだった。

…………それって、なんか、私のことを意識してもらっていないみたいで、悲しいですね。

でも、よく先輩の顔を見てみると、ほんの少しだけだったけど、赤くなっていた。

………先輩、その顔はずるいですよ、可愛いすぎます!!

「どうした?そんなに、僕の顔を見て?」

「な、なんでもないのです。先輩の寝顔が可愛かったからもう一回見たいとか、そういうのじゃありませんから」

私は、捲し立てるようのそう言うのだった。

………って、私は、なにを言っているの!?

先輩の寝顔をもう一回見たいとかそういうのじゃありませんからって、もう一回見たいと言っていると同じじゃない。

私のこの言葉が、先輩のからかいスイッチを押したのか。

先輩は、私の方をニヤニヤした顔で見てきた。

「へぇー、そう。僕の寝顔がもう一回見たいね。姫は変態さんなのかな?」

「わ、私は、変態なんかじゃありません!!」

「そう?でも、人の寝顔をもう一回見たいだなんてね………それに、姫は、僕ともう一回キスしたいでしょ?」

「……………そ、そんなことは、ありませんよー」

「そうなのかー、それは、残念だなー。もし、姫が、そうですと言ったら、僕からキスしてあげようと思ってたのになー」

先輩が、そんなことをするわけがないと分かっているのです。だから、わ、私は、そんなことぐらいで、屈したりなどしません!!そう、しないと言ったらしないのです!!

「そ、それって本当ですか?」

「ああ、本当 、本当。というか、本当だったかな」

…………いや、これは嘘なのです。

私をからかうためのものでしかないはずなのです!!

「せ、先輩、そういう嘘、私はよくないと思うのです」

「あら、なに、姫は僕が、嘘をついていると?」

「はい、そうです。先輩は、唯私のことをからかいたいだけで、そんなことを言ったのですから!!」

「それは、心外だなー。僕は、別に嘘で言ったわけではないのだけどなー」

「え?」

「はは、まあ、姫がそう言うなら、そういうことなのかもね?」

先輩は、とても楽しそうに笑った。

………もう一回キスしたかったよ…………





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