5話

俺達は…今、最大のピンチに陥っている。

俺達は料理対決に引き分けという結果で終わったものの

各自の特技をいかして 田中、中田、根雪先生達を倒した。

美玲は避ける一方で福留先生に攻撃ができていない…。

俺は加勢したいと思っているが…目の前の敵に手一杯だ。

俺達が調理室で騒ぎすぎたせいで

赤坂と渡邉が騒ぎに気づいて駆けつけてしまったのだ。

俺たちの武器はナイフ6本(1本は簡易薙刀)(1本は使用中)。

先生たちからナイフを受けとれれば3本追加になるが

受けとる前に来てしまった。

ここで応援を呼んでも他の先生達が邪魔をするだろう。

真春と勇紀がいればここでケリをつけてもよかったが…。


赤坂『さて、ゲームを終わらせて…お前らには調子に乗ったばつをあたにゃいかんな…ねぇ渡邉先生?』

渡邉『そうですね…さて、どう片付けてやりましょうか?

西野は頭の回転が速い。下手に動けばゲーム継続になってしまいます』

赤坂『まあ…だったら他の先生も呼んで一気にやりますか』

渡邉『あ、いいですね。では私が呼んできましょう』

一哉『(まずい…このままだと…)』

明里『逃げるんですか?』

明里が……不意に挑発を始めた。

渡辺先生がその言葉を聞いて立ち止まる。

渡邉『あ?』

明里『生徒たったの5人相手に、生徒から恐れられてる2人が

てこずるんですか?』

渡邉『お前は、自分が何をいってるのかわかってるのか?』

明里『もちろん。先生ともあろうひとが?まさか?

大人数で生徒をいじめるんですか?』

生徒D『あ!確かに!明里さんの言う通りだ…!』

明里『ゲームだとしてもこんなことが世間に知れたら…』

渡邉『てめぇら…調子に乗りすぎだぞ?謝罪及び降参するなら今のうちだが?』

赤坂『ちょ、わ、渡邉先生落ち着いて』

明里『赤坂先生も渡邉先生も大したことないですね』

一哉『(その言葉は…禁句だろ…)』

予想通り…赤坂と渡邉がぶちギレた。

赤坂『あぁいいだろう!!!てめぇらなんざここで終わりだ!!

ついでに…ゲームが終わったときてめぇらは退学だ。

教師に牙を剥いたこと…後悔させてやるよ!!!』

赤坂が俺たちの方に向かって歩いてくる。

一哉『明里!下がって!それかして!』

明里『う、うん…で、でも一哉…薙刀やったことないんじゃ…』 

俺は…一か八か明里の薙刀もどきを借りた。

一哉『やるしかない!』

赤坂『おらぁ!!』

赤坂の拳が飛んでくる。

一哉『(ナイフで突くためならどんな手を使っても構わない…ってこういうことかよ…)』

俺はなんとか避けるが…隣から渡邉の拳が飛んできて避けきれずに

モロに喰らってしまう。

一哉『!!!』

明里『一哉!?』

一哉『俺達は…もう終わり…なのか…』

赤坂『当たり前だ。こんな馬鹿げたゲーム』

渡邉『もう終わりだ!』

しかし…その時だった。

??『一哉!』

??『一哉!!!』

??『大丈夫か!?』

一哉『真春!?勇紀!?太一!?』

赤坂『おーおーお前らも同罪だよなぁ。探す手間が省け……』

明里『スネェ!!!!!コテ!!』

赤坂『!!』

明里が…気を反らした赤坂を薙刀もどきで脛と手首をうつ。

渡邉『赤坂先生!?』

真春『明里!ナイス!』

真春達はそのすきに俺に駆け寄る。

太一『どんな手をって…こういうのもありかよ…』

勇紀『なるほどね…生徒だけじゃなく教師も体罰とは言われないと…』

一哉『勇紀!後ろ!!』

勇紀が振り返る前に…渡邉の拳が飛んできていた。

勇紀『!!!』

渡邉『だから…お前らは調子に乗りすぎだ!!!!』

勇紀『いってぇ…』

明里『きゃあ…!!』

一哉『明里!?』

明里が…倒れていた。

赤坂は何事もなかったかのように明里の薙刀もどきで

明里のベストのマークをついた…。

赤坂『さて、あとはお前らだ』

太一『!!…真春…一哉!勇紀と渡邉を頼む!俺は赤坂とやる…』

一哉『いや、1人は無理だ…』

太一『柔道なら俺の方が強い…!』

しかし、俺は立ち上がりたくても殴られた衝撃で

軽く脳震盪を起こしていた。

真春『渡邉を倒してから…手伝うしかないね…』

勇紀『おう…』

しかし…その時だった。

??『赤坂先生!渡邉先生!!ちょっと加勢を!!

生徒が暴走して先生方が怪我を負ってます!!』

赤坂『なに!?怪我!?…出血などさせたら失格では…』

一哉『(ならこの脳震盪も失格だよ!)失格です…そして失格後に

被害者を出せば普通の校則通りの罰がくだります…』

渡邉『まずいな…ちっ…赤坂先生、行きましょう』

赤坂『お前ら…後で必ず潰してやる。覚えてろ』

2人は…急いでその騒ぎの場所へと向かっていった。

真春『た、助かった…』

一哉『だれだ…騒ぎって…』

勇紀『とりあえず…Bの教室に戻ろう』

太一『おう…』

一哉『…ハッ!美玲!?』

美玲は…いまだに福留先生と対峙していた。

一哉『真春…頼む!』

真春『あぁ。わかった』

真春がナイフを構え、福留先生に近づいた。

福留『ハァ…ハァ…ハァ…あんたは……ハァ…』

真春『堀真春です。まだ授業でお会いしたことはありませんね』

福留『邪魔するんじゃないわよ!!』

福留先生は完全にヤケになってナイフを突き出してきた。

真春は…軽々と避けて…あっさりと胸にナイフを突き当てた。

真春『福留先生、脱落です…そのナイフをこちらへ。そして

脱落報告を校長へ』

一哉『あ!他の先生方もナイフをください…太一受け取って』

太一が3人の先生からナイフを受け取った。

真春『美玲、お疲れ様』

一哉『明里!…大丈夫か?』

明里『ごめん…脱落しちゃった』


放送『教師チーム 数学 田中先生 数学 根雪先生 理科 福留先生

家庭科 中田先生 …脱落。

生徒チーム 2-B 月村明里 2-B 長沢里奈…脱落。

教師チーム 残り54名 生徒チーム 残り 100名』


一哉『!!!…里奈!?』

真春『待って…さっきの騒ぎは里奈のせいだとして…やばい!2人が戻ってくる!!』

勇紀『明里…ごめんな……いくぞ!!』

明里『頑張ってね…』


俺達は脱落した明里を残し、急いでB組の教室に戻った。



隼人『一哉!?勇紀!?どうしたその怪我!?』

勇紀『…赤坂と渡邉にやられたんだ』

歩美『教師が!?そんなこと…』

真春『突くためならどんな手を使っても構わないっていうルールはこのためのものだった』

一哉『ついでにいえば、血を流す怪我をさせても…失格にはならない。本当に大怪我以外失格にならないようだ』

隼人『そ、そんなのありかよ…』

歩美『やばいよ…あとこっちも100人しかいない…』

一哉『真春、勇紀のチームどちらが人数を使った?』

勇紀『どうやら…両チームからかなり使ったようで…

逃げきれなかったのは12人だけでも怪我を負ったり皆がしてるみたいだ…』

一哉『俺たちがあそこで鉢合わせたせいで計画が…クソ!』

真春『じゃ、私と勇紀は自分のチームのとこ戻るよ』

一哉『あ、あぁ…健闘を祈る』

真春と勇紀が部屋を出ていった。

その2人が出ていった5分後に愛実が調達から帰ってきた。


愛実『ただいま…これ3グループ分だよ』

一哉『ありがとう、愛実…』



俺達はなんとか絶体絶命を里奈達の犠牲という結果と同時に

回避できたのだった。

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