妹×魔法少女バカ

この世界には様々な種族が混在している。その中でも最強の種、竜。俺は魔の力に苦しむ故郷を救うため、竜を封じ込めし最強の武器、竜槍ドラグランスを手にした。


「カイン、大丈夫か?」


「あぁ、なんとかな」


さすがに強敵だ、北大陸の覇王ガイアールは。でも、だからこそ燃える。闇を纏いし竜槍、この暗黒竜ファブニールと、相棒のレントがいるんだ、絶対に負けられない。負けるわけがない。


「よし、行くぞレント!」


「おう!」


「「『竜騎神装』!」」


「『暗黒竜ファブニール』!」


「『火炎竜イフリート』!」


俺たちは熱戦した。俺の闇が、レントの炎が、ガイアールを確実に追い詰めていく。

だが、あと少しのところでガイアールの方が一枚上手だった。覇王の気で拘束され、俺たちは身動きが取れない。ガイアールの巨大な剣が、目前に迫る。

が、そのとき。


キュートなハートビームが剣を弾き飛ばした。


「お兄ちゃん、大丈夫なの?」


俺の天使、妹のリナが助けてくれた。リナは魔法少女なんだ。


「あぁ、助かったぜ!リナ」


「ふふん、お兄ちゃんをいじめる悪い子は、この『マジカルリナリナ』がおしおきなの!」


俺のために怒るリナ。なんてかわいいんだろう。あぁ、本当にかわいいよリナ。


「おうよ、姉貴、いっちょでかいのかましたれや!」


リナの相棒、小型竜のチョッチーだ。あぁ、小動物を連れるリナかわいいな~。


「いくよチョッチー、マジカルリナリナ、おしおき神装!」


リナはチョッチーを竜槍に変える、竜槍を持ったリナはかっこいいな。そしてそれ以上にかわいいな。


「必殺、『リナリナラブリーすとらいく☆』!」


リナの一撃でイフリートはチリとなって消えた。自慢の妹だ。大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き


「お兄ちゃん、やったなの!」


変身を解き、全裸になったリナが俺のもとに寄ってくる。

俺はいつものようにリナを抱きしめ、肩口から胸元にかけての香りを楽しむ。妹の香りはいつ嗅いでも最高だ。

リナの柔らかい肌を楽しむ。

リナの温かい体温を楽しむ。


「お兄ちゃん、ご褒美してなの」


そういって顔をつきだしてくるリナ。はぁ、リナはどんな顔もかわいいな。

俺はリナの求めるままに唇を合わせ、より熱く交わらせていく。お互いの口の中で、お互いの熱を混ぜ合わせていく。

リナの愛を感じる。

リナは俺の愛を感じてくれているだろうか。

もっと、リナに俺の愛を感じさせてやろう。


以降、カインとリナが愛を深める表現が続く。



「で?これはなんだ?」


「お前にチェックを頼まれたから、俺なりにいくつか修整してみた」


「どこが修整だ!あらすじ以外ほとんど原形留めてないだろうが!」


俺は、俺の部屋で勇人に、前に渡されていた原稿のチェック評価を伝えていた。


「そうか?」


「この『リナ』は?」


「お前の設定資料にもあった、主人公の妹じゃないか」


「そんなことは分かってる!リナは序盤に旅立つ主人公を送り出すだけのサブキャラなんだよ!それがなんでこんな強個性で再登場してるんだよ!」


「サブキャラだと思われていた妹が突如現れピンチの兄を救う、ウケそうなストーリーだと思うが?」


「魔法少女ってのは?」


「魔法少女を出すことで、小さい子ども世代の支持を得る。なにより、俺は魔法少女が好きだ」


「小型竜のチョッチーは?」


「魔法少女によくいるマスコットだ。特徴ある関西弁で、人気が出そうだろ?」


すると、勇人がわなわなと震えだし。


「この話の世界設定は中世がモチーフなんだよ!関西も関東もあるか!」


そして、俺の書いた修整版の一部を指差し。


「一番の問題はここだ!」


「どこだ?」


「気付け!全裸で抱きついてキス求める妹と妹抱きしめて匂い嗅ぎまくって濃厚キスする兄とか、ただの変態兄妹じゃねぇか!この衝撃行動のせいでレントの存在が消えるわ!」 


「変態?お互いを大切に想う兄妹がこういったスキンシップをとるのは常識だろ?」


「そんな常識あってたまるか!」

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妹は魔法少女である仮定 秋野シモン @akinoshimon

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