第10話 人は見かけで判断してはいけない

春咲と仲町さんに作戦を伝え、校舎裏にストーカー野郎を仲町さんに呼び出して作戦を実行してもらう。もし作戦が失敗してストーカー野郎が仲町さんに襲いかかることも考えて俺と春咲は影からその様子を伺う。正直この作戦はほとんど賭けだ。失敗した時のリスクが大きいがその分成功した時のリターンも大きい。


美香「本当に大丈夫なのか?」ボソッ


春咲が隠れていることをバレないように小声で呟く。あんまり耳元で囁かれるとドキッとしちゃうからやめてね。


鋭「大丈夫...とは言えないな。まぁなんかあれば俺が止めに行く。喧嘩とかした事ねぇけど」


美香「不安しかないな...」ハァ...


春咲が頭に手を当ててため息をつく。いや俺めっちゃ喧嘩できる自信あるからね?龍が如く四めちゃめちゃやり込んでたし多分強い。


美香「ん!?来たぞ!」


ストーカー野郎が仲町さんの所に来た。俺と春咲は後者の影に身を潜め様子を伺う。


ストーカー野郎「柚子ちゃん。話って何?もしかして俺と付き合う気になったの?」


うえっ、どんな奴かと思ったらめちゃめちゃデブの見るからに陰キャじゃねぇか。笑う時にデュフデュフ言いそうだな...。こんな奴が野球部とか柄に合わないな。

さて、ここからが本番。俺の作戦通り行けば上手く相手を諦めさせることが出来るはずだ。頼むぞ仲町さん。


柚子「いえ、告白の返事ではないです」


ストーカー野郎「え?じゃあなんの話だい?」









柚子「いい加減しつこいんだよ!この豚野郎が!!!!!」








ストーカー野郎「え...?」




____________________________________________


柚子「性格悪い人を演じる?」


美香「それは一体どうゆう事だ?」


2人とも俺の説明を受けて疑問符を浮かべている。ざっくり説明しすぎたかな...。


鋭「ああ、仲町さんに聞いておきたいことがあるんだけど、そのストーカー野郎は今まで仲町さんと面識があったか?」


柚子「ううん。告白された時が初対面だったよ?」


鋭「やっぱりか。じゃあ2人に問題です。自分と話したこともない人が告白してきました。何故でしょう?」


柚子「えーと...その人と付き合いたいなぁ~って思ったから?」


鋭「なぜ付き合いたいと思う?話したことも無い相手に」


美香「可愛いとか美人だったから、タイプだったからとかだな」


鋭「正解だ。ストーカー野郎が告白する理由は仲町さんが自分の好みの顔をしていたからだ。話してもないし面識もないならそれ以外に付き合いたいと思う理由がない。」


柚子「それが何で性格悪い人を演じることに繋がるの?」


美香「...なるほど、そういう事か」


春咲は気づいたみたいだな。自分のタイプの顔をしていても付き合いたくないと思う奴なんてザラにいる。それは何故か。そんなの簡単だろ。






鋭「仲町さんは性格悪いやつと付き合いたいと思うか?」




____________________________________________


ストーカー野郎はあっさり玉砕。しつこくストーカー行為をできるメンタルがあるのに暴言への耐性は無いみたいだ。俺は中庭のベンチで座っている2人のところへ行く。


鋭「悪いな、なんか変な役押し付けたりして。これ受け取れ」ポイッ


俺は自販機で買ったカフェオレを仲町さんに放り渡す。


柚子「おっとと、放り投げるなんて危ないよ!」プンプン


鋭「すまんすまん。ほれお前も」ホイッ


美香「ん、ありがとう」パシッ


春咲は仲町さんが落としそうになったのとは逆にしっかりと缶をキャッチする。取り方カッコよ過ぎただろ...。


鋭「下手したら仲町さんの評判が下がる事やらせちまったけど大丈夫か?」


俺が念のために確認をする。もしこれで仲町さんの評判が下がるような噂が出回ればそれは俺の問題だ。まぁでもあのストーカー野郎友達いなさそうだし広めたりはしないだろうな。


柚子「ううん!全然大丈夫!むしろストーカーされなくなって安心したし!」


美香「そうか、今回は力になれなくてすまなかったな」


柚子「話聞いてくれただけでも嬉しいよ~」


鋭「まぁまだ何が起こるかわからんけど一件落着って所だな」ウーン


ベンチに座っていた俺は軽く伸びをして立ちあがる。少し遅れて2人も立ち上がる。


柚子「今日は本当にありがとうございました!おかげで助かりました!」ペコッ


仲町さんが頭を下げてお礼を言う。なんか人に感謝されるのも久しぶりだな。悪くない感じだ。


美香「ああ、また何かトラブルがあったらいつでも治安部に来てくれ。いつでも手を貸すぞ」ニコッ


春咲が笑顔で仲町さんを見る。すると仲町さんは何か少し困ったような顔をする。


柚子「あ、ええと...」


鋭「ん?どうしたんだ?」


柚子「あの!私も治安部に入れてもらえませんか?」




「「ええ!?」」



なんと部活動を始めて1週間で新しい仲間ができそうです。



____________________________________________

あとがき!


受験合格しました!しばらくの間受験勉強などで投稿できずすみませんでした。(><)

これからはできるだけ早く投稿しますのでよろしくお願いします!作品のフォローと応援よろしくお願いします!

















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この俺が青春ライフを送っていいのか!? きなこ餅 @kinakomotiren

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ