第3章_5 大切に伝える
会えば会うほど好きになっていく
あなたに触れたくて
気づけば、いつもその瞳をおいかけてた
私は仕事が終わるとハルの部屋で過ごす日が多くなってた
真っ直ぐに見つめて、いつも私の気持ちをゆっくりと考えるように話してくれる彼
そんなハルと過ごす時間は大切で幸せだった
「幸世、クリスマス…実家に行かない?」
「実家って?ペンション?」
「あっ、もちろん、実家には泊まらないけど、幸世、あの場所に冬に行きたいかなと思って」
「うん、行きたい!」
「じゃあ、決まりね」
「でも、まだ結構先だよ~」
「だって、ずっと先まで幸世の予定に俺を入れときたかったんだ」
「どうして?」
「うーん、何でかな?
いっつも俺のこと忘れないように…かな?#
「ハルさぁ、そんなこと言っててよく、照れないよね~」
「え?うん、改めて言われると…すっごく恥ずかしくなってきた」
大きな手をおでこに当てて苦笑いする彼が愛しくて…
大きな肩にぴたりと寄り添った
何も言わず、腕を伸ばし引き寄せられたと思うとそのまま膝の上に乗せられた
「やだ、おろしてよ」
「やだよっ」
「急に駄々っ子みたい(笑)」
「いいよ、駄々っ子で。
すっごい我が儘言うけど?」
「……」
顔が熱くなって俯いた私を覗きこむ
「あれ?幸世、エロいこと考えてない?
まだ、何にも言ってないけど、」
「もう、ひどーい」
真っ赤になって膨れっ面する幸世の頬に両の手を添えると彼女の目がキラキラと潤んでくる
親指でなぞる唇が薄く開くとそっと舌を浸入させ、遠慮がちに絡める舌を追いかける
抱き上げて、ベッドに沈めるとその細い指を伸ばして、言うんだ
「ハル…大好きだよ」
「幸世…今、そんなこと言ったら優しく出来ないよ?」
「いいよ」
愛してるって言葉はまだ…言わない
俺と幸世の身体が熱くなった時、心と身体すべてで…
大切な人に伝える言葉は
大切に伝えたい
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