宵闇の三日月

藍色の宵闇に染まり始める西の空に

細く浮かんだ三日月アルカイックスマイル


放課後の教室、窓辺に凭れて

いつまでも眺めていたきみの

きみの横顔を、思い出せない


卒業式を目前にして

きみは還らぬ旅路についた


片道切符を握り締めて

軽やかに走り抜けたきみに

きみに青春という響きは似合い過ぎて


あの三日月アルカイックスマイル

きみの目に何を語り掛けたの?


教えて欲しい、ここに来て

朧気にすらない横顔のきみは

あの時、幸福な笑みを浮かべていたと


信じたい僕は

未だあの宵闇の迷路に佇んでいる




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