委員会7

「局長、全員揃いました」

古谷警備局長の副官が古谷に報告をしていた。

「ご苦労」

古谷が一段高くなった壇上に上がって隊員を眺めてみると、やはり不安や緊張が色濃く出ていた。設立以来初めての出撃なのだから仕方ない。


「詳しい状況は不明だが、本作戦における敵は地下鉄システムだ」

古谷が高らかに宣言すると部隊が騒ついた。

「我々は今まで地下鉄を守るために準備をしてきた。しかし我々が真に守るべきなのは地下鉄に住む人々だ。地下鉄システムが人々に刃を向けた今、システムは我々の敵である!敵は討たねばならない!副長より作戦の概要を説明させる」


「これより作戦概要の説明に移る。本作戦の戦略目標は第一層各都市の制圧、および武装車両からの防護。手順は、パワードスーツ隊が機動展開を行い初期制圧を担当、その後普通科師団が都市内治安維持に従事する。武器の使用は隊長級指揮官の判断により無制限までを想定。警告発令後は民間人への損害もやむなしとする。なお本作戦中は地下鉄破壊活動禁止法の委員会の定める例外にあたるため、流れ弾が内壁に当たっても問題はない。何か質問は?」

若い隊長が手を挙げた。

「本作戦における撤退基準は?」

「本作戦に失敗は許されない、各都市に展開後は死守命令が下る」

「本作戦の総指揮は誰が行われるのですか?」

「古谷警備局長が前線司令部にて総指揮を取られる」


「質問は以上か?では、総員搭乗開始、搭乗後直ちに降下を開始せよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る