第12話 懺悔

 邪神の侵略基地、それは人間の到達できぬ、時間と空間に阻まれた、神々の夢の果てにあるという。

 しかし、時に人間は知らぬが故にその地へと迷い込むのであった。


「ボール、ボール……、どこいったかな?」


 また一人、愚かな少年が邪神の基地へと迷い込んでいた。


「秘密基地に入ってはダメなのです」


「公園で、ボール遊びはダメなのです」


「ボールは見つけて置いたのです」


「早く出て行くのです」


「ごめんよー、ボールありがとう」


 触手を振り上げるおぞましい邪神を前にしては、人間は、涙を流し許しを請うしか出来ないのだ!

 警鐘をもって、知らさねば!

 一人でも多くに、知らさなければ!

 無知故に邪神の姿を目にし、精神を崩壊してしまう者を救うために!

 覗いてはならないのだ。

 闇の底に棲む邪神の目を覗いてはならない。

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