第13話

建物へ戻るとまだ誰もいなくて静かだった。

数分してみんな戻ってきた。戻ってきて僕らを見るとなんとなく気まずそうだった。

全員揃ったので会議が始まった。

「紅音ちゃんじゃなかったね。」

「凜々花ちゃん狂人だったね。」

「紅音ちゃんの言うこと正しかったね。」

そんなことが聞こえてくる。

「紅音ちゃんを疑って悪いことしちゃった・・・」

「仕方ないよ。誰が人狼だかわからないんだから。それに人狼が誰だかわかる確率が上がったんだし死んでよかったじゃん。紅音ちゃんたちが死んで僕たちが生きるんだからいいじゃん。」

と、学年で一番金持ちだと言っている銀城ぎんじょう条乃介じょうのすけが言った。

「でも、紅音ちゃんたちは戻ってこないしもう会えないんだよ。」

「僕らには将来が有望でもある。社会のトップに立つこともある。僕らが生きるためには犠牲もいるだろう?それとも君たちが死にたいのかい?ま、僕らは君たち底辺とは違うから生きる価値があるのさ。」

と、町長の息子で権力がある、城野じょうの麻琴まことがそういった。

「僕らは誰が人狼なのか知っているから、反論したら人狼に命令して食べてもらうからな。」と、条乃介の双子の弟、銀城ぎんじょう征乃介しょうのすけが言った。

僕は、頭にきて反論しようと立った瞬間、隣にいた樹希も立ち、水咲も立った。

「紅音が死んで何が良かったんだよ!みんな同じ命だろ!誰が誰の上に立とうと同じ人間ということは変わらない!」と、樹希が言った。

「将来が有望?社会のトップ?そんなもの今はわからないだろ!生きる価値がない人なんていないんだよ!底辺だろうが頂点だろうが誰でも生きる価値はあるんだよ!」と、僕も言った。

「誰が人狼か知ってる。じゃあなんでそのことを言わないんだよ!言えば紅音は死ななかった!命令して食べてもらう。なら次食べられる人を当ててみろや。親が偉いからって威張っているおぼっちゃま達。」と水咲が言った。

そう言われた3人は怒ったように、言ってきた

「うるさい!お前らが人狼に食われてしまえ!」

「そうだ!俺らの親の金と地位で暮らしていけれることを忘れるなよ!」

と、言ってきたが僕は冷たく返した。

「僕らが食べられる前に君たちはいるかな?周りをよく見たら?」

周りの視線は銀城、城野を睨んでいた

それもそのはず、みんなに生きる価値はないといっているようなもの。 そんなことを言う奴らを信用なんかもうできなかった。

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