これぞ文句無しの直球ホラー!

短編連作のような形で始まる、この話。
不思議な、そしてもちろん恐ろしい能力を秘めた「呪物」が、それぞれの作品のテーマです。

「霊に触れられる軍手」や「呪いのメールを送ってくるガラケー」など、怪談話としても魅力的な小物があれこれ登場します。
このアイテムも楽しいのですけども、話が本気で動き出すのは、二部構成の後半です。

読み始めた方は、ぜひこの後半までは辿り着いて欲しい。
緻密に構成され、全ての話が有機的に繋がっていく様が、何より圧巻なのです。
最初はバラバラだった登場人物たちが、やがて一つの主題に引かれて集結していく。
そう、それが「呪物公園」です。

日本的でオーソドックスなホラーを、巧みな構成で描き切った力作、ホラーファンなら見逃せませんよ!

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