第4話 裏切り、アタッシュケース、ネットカフェ

(おい早くしろ、、、、、、、、栃木持ってきたんだろうな。)なんだろう、人の話し声が何処からか聞こえて来る。正は目が覚めた。何時間寝たかわからないが、外は暗い。(約束の物持ってきたんだろうな。、、、、 ああここにある)話し声は一階から聞こえてくる。(わかってるな。1か月だぞ、運の********)声が遠くて聞き取れない。気になった正はもっと近づく事にした。(栃木お前裏切るつもりか)急に大声が響きわたる。(ダン、バサ、パリーン、)なんだなんだ、ケンカか?(う、うう、死ね、バーン、バーン)なんだもしかして、今の音は拳銃。正は生唾を飲み込んだ。ゆっくりと音がしていた方へと近づく。一階へ降りてすぐの大広間に男が二人倒れている。正は柱の影に隠れて様子を見守っている。(寿命がきたのか)、、、、、、、その言葉を最後に二人の男はまったく動かない。こいつら死んだのか。正は動かなかった。近くにあった本を二人に向かって投げる。反応はない。少しづつ二人に近づく。(おい、大丈夫か)正は二人の男を交互に揺らしてみる。、、、、、、死んでる。そうわかった後の正の行動は早かった。二人の間にあったアタッシュケースを取り、二人が着ている服の中から、それぞれ財布を抜いた。それからすぐにその場を離れ、早足で去っていった。ある程度歩いたところで、というより走ったところで、正は財布の中身を見た。一人の財布には3万円、一人の財布には5千7百10円入っていた。とりあえず此処から遠くへ行かないと。正は駅を探した。コンビニはヤバい。防犯カメラに写るからだ。二時間ほどしてなんとか駅まで着いた正は、近くにあったタクシーを拾うと、(早羅義町へ)とそれだけをいい目を閉じた。眠いわけではない。体は信じられない光景を見たはずみで興奮状態だ。ただ何が起こったか頭の中で考えていた。しかしほとんど会話は聞き取れなかった。当然わかるはずはない。せめてこのアタッシュケースに金目のものが入っていたら。正は祈った。何を祈ったかはわからない。一応キリスト教徒だったが、ほとんど集いに参加した事はない。その上困った時には神に祈った。もちろん神が祈りに答えた事はない。(お客さん、そろそろ着きますよ)  (あ、ああ、いくらですか)7210円です。正は盗んだ財布を取りだし、そこから一万円を払った。(ありがとうございます。お忘れものに気をつけて)ここなら安心出来る。早羅義町はこのあたりでは一番都心部で、居酒屋、風俗、ショッピングセンター、と一通りある町だった。正はとりあえずネットカフェを探して歩いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

運のネックレス つぶやき先輩 @hirokazu2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ