第7話 俺は早くおっぱいをゲットしたいだけなのに

こんにちは。吉丘かなこです。


私は最近驚き隠せないことがあります。


それは、


「ただいま


「お兄さん!そこは〔①ぽよちゃんの滑らかな肌をさすりながら後ろから優しくおっぱいを揉みしだく〕を選択すべきでしょう!」


「何を言ってる!胡桃沢!ここは〔②ぽよちゃんのおっぱいを前から勢い良く揉みしだく〕一択だろ!」


胡桃沢くんがここ最近ほぼ毎日、家のリビングでお兄ちゃんとおっぱいゲームをしていることです。

確かにお兄ちゃんと友達になって欲しいとは言ったけど、こんな毎日家に来るとは思わなかったよ。しかもリビングでやってるし。

胡桃沢くんはいつもお兄ちゃんと学校の正門で待ち合わせをして一緒に帰っているらしい。


「でもお兄さん!ここはまだぽよちゃんが主人公に心を許したばかりのところなので優しくしてあげるのがベストかと・・!」


「んーぽよちゃんはMっ気があるからいきなり強く揉んだ方がいいとおもったが、そうか、それも一理あるな。」


胡桃沢が選んだ①を選択した。すると、、


〔きゃー!ばか!何考えてんのよへんたい!どうせ私じゃなくておっぱいにしか興味ないんでしょ!もう知らない!!〕

と女の子の声が流れた後女の子は画面から消えてしまった。


「まさか〔③何もしないで笑顔でいる〕だったとは、、まだおっぱいを触るには至らない仲だったか、、ごめんよぽよちゃん、、、」


「俺たちはおっぱいに目が行きまくってぽよちゃんの気持ちをないがしろにしていたんですね、、、ごめんぽよちゃん、、、」


おっぱいゲームをしていた二人が激しく落ち込んでいる。


「心を許したばかりなのに普通おっぱい揉まないでしょ。」


「あ、かなこ、おかえり。」


「なんだ吉丘帰ってたのか。」


「胡桃沢くんまたうちに来てたんだね。」


「ああ。お兄さんと新作のはぴおぱ3を教えてもらいながらいっしょにプレイしてたところだ。」


「てかなんでリビングでやってるの。」


「かなこ〜お前まだまだわかってないなぁ。この大迫力のおっぱいをテレビの大画面でみたいからだよ!親もまだ帰ってこないしな。」


わからないよ。もし親がなんかの都合で早帰りしたらどうするんだか。


「胡桃沢な、今の選択以外全部ルート的に正解だったんだ。こんなに女の子の扱いが上手い男そういないぞ。かなこ、どこの誰かもわからないようなやつにとられないように気をつけろよ。」


お兄ちゃんはまだ勘違いしてたんだね。確かに胡桃沢くんは女の子の扱いは上手いと思うけど、あの最後の選択を間違えた時点でもう終わってるよね。


「やっぱり新作は難しいですねお兄さん。」


「そうだな。合宿らいぶなだけにいろんなやつらがてできていっぱいおっぱいできるけど、ぽよちゃんの好感度をマックスにしてお泊まりイベントをコンプリートするのはまだまだ難しいな。」


「他の子たちのおっぱいルートもやってみましょう。なにかヒントが得られるかも。」


「そうだな。」


お兄ちゃんよかったね。いっしょに楽しくゲームできる友達ができて。こんな楽しそうな顔してるお兄ちゃん久々にみたよ。これも胡桃沢くんのおかげだね。


「おい吉丘、この子たちの女心をいっしょに考えてくれないか?」


「え?自分たちで考えなよ。」


「今みたいに俺たちだけだとおっぱいに目が眩んで間違えた選択をしてしまう可能性が高い。だからお前にも考えて欲しい。大丈夫おっぱいが中途半端な大きさのお前でも考えられることだ。」


胡桃沢くんはあの最後の選択から女の子の扱いが下手になったのかな。


「あ、おい。吉丘、どこに」


私は自分の部屋に戻って明日の授業の課題でもやることにした。



次の日の学校の放課後


「胡桃沢くん、今日はお兄ちゃんと学校から直でどこか行くんでしょ?」


「ああ、そうなんだ。ゲームセンターにね。」


「ゲーセンか〜。いやぁまさかこんなにお兄ちゃんと仲良くなってくれるとはなぁ。嬉しいねぇ。」


そう、俺は今日おっぱいお兄さんと一緒にゲームセンターに行くのだ。はぴおぱのおっぱいクッションがUFOキャッチャーに登場したのでそれを取りに行く。


「まぁ楽しんできてね。」


「お前も行くんだぞ。」


「え、なんで。」


「お兄さんにお前も呼べって言われたんだ。吉丘、UFOキャッチャー得意なんだろ?聞いたぞお兄さんから。いつも取ってあげてるんだってな。」


「お兄ちゃんが下手すぎるんだよ。だから得意ってほどじゃないと思うけど。胡桃沢くんの方が得意なんじゃない?なんでもできるし。」


「俺は、、恥ずかしながら、、、、、、ゲームセンターに行ったことがない、、、だから、UFOキャッチャーのやり方が、、、、、わからないんだ、、、、」


「そこ、別に恥ずかしがらなくていいよ。え、ほんとに?」


「ああ、行く機会がなくてな。」


「まあ確かに胡桃沢くんがゲーセン行ってるイメージないね。」


「だが、今回はゲームセンター限定のクッションが登場したんだ!だからお前のやり方をみて俺も自分で取ってみたい!」


「わかったよ、じゃあちょっとその前に部室寄ってっていい?昨日忘れ物しちゃって。」


「ああ、構わない。」


「かーなこ、今日茶道部ないでしょ?かえろ〜〜」


吉丘と話していると吉丘の友達がやってきた。


「あ、ごめん今日は、」


「悪い、先約があるんだ。」


「あっ、なるほど、、胡桃沢くんとね〜ふ〜〜ん」


またこいつはニヤニヤと。


「おっけ!じゃあね二人とも!ごゆっくり〜〜〜」


かなこの友達はニヤニヤしながら去っていく。


「あいつ絶対誤解してるよな。」


「してるね。ちゃんと否定してるんだけどなぁ。まあ、変な噂とかながすような子じゃないから、大丈夫だよ。」


そして俺たちは茶道部に向かう。



茶道部にて


「失礼しまーす。あれ?咲良先輩?」


そこには一人の女の先輩がいた。


「あれ、かなこじゃんどうしたの?」


「ちょっと昨日忘れ物をしてしまって。」


「あ〜あれかな、、って胡桃沢くん、、、?」


茶道部の先輩は吉丘の後ろにいた俺の存在に気がついた。

なんか俺を見て驚いている。


「はい、俺は胡桃沢ですが、なにか?」


「、、、いや、別に、、、、なんでもないよ。」


なにか言いたそうにしているがなんでもないそうだ。


「、、、あ、かなこ、忘れ物お弁当でしょ?」


「あははは、そうなんです。」


「ちょっと待ってて。あっちにあるからとってきてあげるよ。」


先輩は吉丘が忘れたお弁当を取りに行ってくれた。


「おい、吉丘。弁当忘れたのかよ。残り物とかあったら今頃腐り果ててるぞ。」


「大丈夫だよ。残してないもん。」


「はぁ〜」


部室の奥に行った先輩が戻ってきた。


「これかな。」


「それです!ありがとうございます!そういえば先輩はどうしてここに?」


「今度茶道の先生来るでしょ?その前に必要なものとかないものとかメモっとこうと思ってさ。副部長はこういう雑用もやらなきゃいけないのよ。来週の部活でそれの買い出し行くからね。」


「了解です!じゃあお疲れ様です。」


「じゃあね、、」


俺と吉丘は用事を済ませたので部室を出る。


「吉丘、あの先輩俺を見て驚いてなかったか?」


「有名人の胡桃沢くんがいきなり部室に来たからじゃない?」


「そうか。」


そう言いながら廊下を歩いていると


「やっぱりちょっとまって!!」


後ろから声がした。振り向くとそこにはさっきの茶道部の先輩がいた。


「咲良先輩?」


「胡桃沢くん、、、最近、結と仲良いよね?校門で待ち合わせとかもしてるよね?」


「むすび?」


「お兄ちゃんの名前だよ。吉丘結。知らないで今まで一緒に遊んでたの?」


「ああお兄さんの名前か。そういえば聞いてなかったな。ずっとお兄さんて読んでた。そうですね、仲良いですけど。」


「どうして仲良くなったの?」


「どうしてって言われましても。普通に話してて楽しいから、価値観があったからですかね。俺が誰と仲良くしてようが先輩には関係ないのでは?」


「そうだけど、、その、今日も待ち合わせしてどこか行くの?」


「、、、、行きますけど、何か?」


「っ〜〜〜〜あたしも一緒に行っていいかな!」


「、、、、、、、、、、、、、無理ですけど。」


「なんでよ!」


なんだこいつ何を考えてるんだ?


「残念ですが、俺たちが今から行くとこは先輩が一緒に行って楽しいところではありませんよ。」


「別にいい!結と話がしたいの!」


「学校で話せばいいのでは?」


「、、、話したいけど、話しかけようとしたら逃げるし、私が一方的に話しても相槌してすぐどこか行っちゃうし。。」


「避けられてるのでは?」


「、、うん、避けられてる、、」


「じゃあ尚更一緒には行けないですね。では。」


「まってよ!私、ちゃんと結と話がしたいだけなの。あのことも、、」


「あのこと?事情があるのはよくわかりましたが、今日は無理で


「いいですよ。咲良先輩。」


俺が断ろうとしたら吉丘が割り込んできた。


「え!いいの?」


「おい!吉丘何を言って


「お兄ちゃんと話したいことがあるんですよね。」


「うん。」


「吉丘!お前これから何を取りにあそこに行くかわかっているのか!」


「わかってるよ。先輩、今お兄ちゃん校門にいるんですけど、そこで話せることですか?」


「うん、ちゃんと話せればどこでもいい。」


「じゃあ校門まで一緒に行きましょう。」


「ありがとう!かなこ!」


先輩は俺たちとともに校門まで行くことになった。


「ったく、あの人お兄さんに避けられてるんだぞ?なんかめんどくさいことになるような予感しかしないんだが。」


「咲良先輩があんなにお願いしてるんだから見捨てられないよ。避けられてるんだとしたら尚更話したほうがいいよ。」


「はぁ、、もう知らないぞ。。早くゲームセンター行きたい。。。。」



校門にて


「お兄さんお待たせしました。」


「おお、全然、、、、、、え?!」


お兄さんは吉丘の後ろに隠れている先輩を見つけて、驚いている。


「梅宮、、?なんで?」


「えっと、なんかお兄さんと話がしたいと言っていて、、」


「悪い、胡桃沢、今日は帰る。」


「え?お兄さん?」


お兄さんは先輩を見つけると逃げるように去ろうとする。


「ちょっとまって!結!」


先輩はお兄さんの腕を掴んだ。


「離してくれ。」


「もうあのことは気にしないで。全然もうなんとも思ってないから、だから、、」


「それはもう聞いたよ。別に俺ももうどうだっていい。」


「じゃあなんで私のこと避けてるの?」


「、、うるさい。離せよ。」


「いやだ!」


「離せって言ってるだろ・・!」


先輩はお兄さんの威圧に負けて、手を離してしまった。


「じゃあな。」


お兄さんは去って行ってしまった。


「結、、」


思った以上にこの先輩お兄さんに避けられてるな。


「、、、あたし、前みたいに結としゃべったり、遊んだりしたいだけなのに、」


先輩は等々泣き出してしまった。


「咲良先輩、、!」


うーん本当にめんどくさい展開になりそうだぞ。その前に俺はゲームセンターに


「胡桃沢くん。」


振り向くと吉丘が帰るんだーと言ってるような冷ややかな目で俺を見ている。


「俺は用事があるんだ。」


まだ吉丘は冷ややかな目で俺を見続けている。


「、、、わかったよ。」


俺は先輩の方に向き直る。俺はどうしたらいいんだ。

先輩は泣き続けている。


「咲良先輩、とりあえず、、あそこに座って一旦落ち着きましょう。」


吉丘はここから見えるベンチを指して言った。



ベンチにて


「なんかごめんね、急に。もう大丈夫だから。」


先輩は弱々しい笑顔でそう言った。


「咲良先輩、兄と何かあったんですか?」


「、、、うん、ちょっとね。」


「よかったら話聞かせてください。なんでも相談に乗りますよ!私も胡桃沢くんも」


おい吉丘?


「、、、ありがとう、でも、、もうどうにもならない気がする、、」


うん、俺もあの状態のお兄さん何を言ってもどうにもならない気しかしない。


「そんなこと言わないでください!私も妹として兄がどうして咲良先輩を避けているのか知りたいですし、解決したいです。」


「かなこ、、、」


「それにこちらにいる胡桃沢くんは今兄と一番仲良くしているのでなにかできることがあると思うんです。妹には話せないことでも仲のいい胡桃沢くんになら、兄が何を思ってそうしてるのか話してくれるかもしれません。」


おいおい吉丘?俺には何もできないぞ?


「そうだね、、胡桃沢くん、結と仲よかったよね。、、、、、ごめん胡桃沢くん、君にして欲しいことがあるんだけど、聞いてもらえるかな?」


「え。」


おいおいおいおい、吉丘どうしてくれるんだ。

俺は、お兄さんとおっぱいの話しかできないよ〜〜という目で吉丘の方を見ると

胡桃沢くん、君ならできるよ。と目で言ってきた。こいつ〜〜〜〜〜〜〜

くそ、なんでこんなことになったんだよ。さっさとゲームセンターに行っておっぱいクッションをゲットしてからもみもみして楽しみたいのに、、、、

でもこの先輩とお兄さんの関係をうやむやにしたままでは、お兄さんにとってもよくない気がするな、、ああもうしょうがない


「、、、、わかりました。いいですよ、聞かせてください。」


「、、、!ありがとう!」


ようやく先輩は笑顔になった。


「さっすが胡桃沢くん。胡桃沢くんならそう言うと思ったよ!」


そう言って吉丘は満足した顔で俺を見ている。


吉丘、あとで覚えてろよ。

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