マヌー、キミは誰?

希望を無くし落ち込んだ少年チアキと不思議な少年マヌーの不思議な交流の物語です。
とても素敵な作品で、そう思わされる理由の一つは比喩表現の美しさにあると思います。文章のところどころに散りばめられた比喩はとても自然で美しく気負った表現が全くなくて、比喩の苦手な身としては「どうしてこんなに自然にスルリと出ているのだろう」と思ったのですが、それは多分作者様が日頃から美しい物語に触れたりその出会いを大切にされているからではないかなと想像しました。
光と闇、星時計なるものの存在、2人で見に行った星のかけら、そして魔法。世界を教えてくれたマヌーはチアキにとって特別なのでしょう。
傷つき打ちひしがれた心が徐々に癒されていく再生の物語、夢がありながらも影がありストーリーを追っているうちに思索にふける。不思議な魅力にあふれた作品だと思います。

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