第39話 濃度も色々

【お久しぶりの】

加藤さん「菊永さん」

菊永さん「ゴメン、ちょっと待って」


……

菊永さん「いいよ、何?」

加藤さん「今日の昼一に集まってくださいって。それは、何をされてたんですか?」


菊永さん「粘度測定。この二つの線の間を落ちるのにかかる時間を、計測するの。古典的な感じでしょ。しかも、はかる液の濃度の単位がg/dLなの」


加藤さん「dLデシリットルなんて、小学校以外で出会うことないと思ってました」



【規定】

菊永さん「加藤さん、1N規定って、1mol/Lでよかったっけ?」

加藤さん「モノによりますね」


加藤さん「何を使うんですか?」

菊永さん「塩酸」


加藤さん「それでしたら、1mol/Lで大丈夫ですよ」

菊永さん「ありがとう」


菊永さん「ちなみに、ダメな例は?」

加藤さん「硫酸とかですね。酸はH+の濃度ですので、硫酸1に対して2ありますから」


※mol(モル):化学で使う個数の単位

H+:「+」は上付き



【ppm】

加藤さん「藤沢さん、ppmってミリオンだから100万分の一ですよね」

藤沢さん「そうですね。どうしたの?」


加藤さん「このサンプルの予想濃度が数十ppmで、いつも通りにすると、検出下限を大きく下回ってますよね」

藤沢さん「前処理の方法を色々やれば検出できなくはないですけど、基本ここではやらないですね」


加藤さん「分析会社に出すと、お値段が大きく上がるやつですよね」

藤沢さん「そう。一度社員さんに依頼者に確認してもらって」


内田さんに確認してもらって、それなら無しでということになりました。



【換算】

濃塩酸の瓶を見ていた加藤さん。ふと、これは何mol/Lなのだろうと思います。


36.8%と書いてありますので、1000g中に368g含まれていることになります。


比重が1であれば、1L中に368gですが、濃塩酸は重いです。


1Lで何gか計算して、そこからHClの重さを算出して、分子量で割って。

(面倒だな、もういいや)

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