第8話

意識が徐々に戻っていき、視界がクリアになる。そうすると見えてきたのが、六花だった。そう、さっき俺のことをおもいっきり殴ってきた六花の顔が、あと数センチで、キスしそうな、距離だった。

だから、直ぐにこの状況から逃れようとして、顔を上げたのが、最後

──俺は、人生初のキスをした。

そして、六花にとっても人生初のキスだったのだろうか、顔をみるみると赤くしていき、

「わ、私の、はじめてを返せぇぇぇぇぇ!!!」

そして、俺は、また殴られ、また意識を失った。

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