確かな時間

 町の小さなホームセンターに

 業務用の鼠捕りを買いに

 休日なのに何だかなあと思いながら


 季節的なものなのか

 特設コーナーが作られていて

 家庭用のものから大掛かりな装置まで

 ネズミの種類を図解したPOPもあった


 体調30cmから最大で50cm程って

 猫じゃん

 思わず二度見して言ったら

 あなたは笑っていた


 あれはデートだったのかな

 家族でもないし

 二人きりで


 鼠捕りを買いに行くなんて

 私の生活には多分ないこと


 ネズミの解説を読んで

 お腹を抱えて笑うなんて

 もう一生ないだろうと思う


 そんなことが思い出になるなんて

 あの日には

 思ってなかった


 本当の家族だったら

 きっと いつまでも楽しかった

 信じていた

 現実は違ったけれど


 今も 信じている

 私達に必要な時間だったと


 あの時があったから

 今があるの


 楽しいことばかりじゃなかった

 それでも大切なリアル

 ほんの少しだけの思い出

 忘れない

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