06.レポート

 〇アンダーワールドとは

 古来この皇国日本ができた頃からあったといわれる、我々の世界とは別の世界。昔は異界と呼ばれていたが、現在はアンダーワールドと公式名称にされている。探究者からはラビリンスやダンジョンと隠語で言われることが多い。


 アンダーワールド(以後、異界と表記)の入り口(以降、ゲートと表記)は全世界にあり、見つかっていないものも含めると相当数あるといわれる。現状日本国内で発見されているゲートは百に近いほどある。


 異界は複数あり現状で把握できていない。異界へのゲートは一つではなく、複数あるといわれている。別の地域の組織で管理している異界と繋がっていたと発見された例が複数あるためだ。国を越えて繋がっていたという例もある。


 ラノベの異世界もののように現地住民がいたという報告はまだない。代わりに、怪異や異界の者と呼ばれるモンスターは存在する。と説明があったのに異世界人と取り引いをしていると最初に聞いた。矛盾しているのではないだろうか?


 ゲートのある場所に神社仏閣が建立されることが多かった。忍びの隠里もその一つ。パワースポット的な所に多いようだ。



 〇管理組織について

 古来朝廷が主に管理してきたが、実際はその時代の有力者が実質管理していた。明治維新以降は日本政府が一元管理している。探究者は自分の所属する組織をギルドという隠語を使って示すことがある。


 朝廷の陰陽師が最初の管理組織といわれている。聖徳太子の十七条憲法にもそれらしき組織の記載があるが定かではない。文献に残っている最初のものが、平安初期の小野篁になる。下部組織に神社、寺、行者と呼ばれる者がいた。


 室町時代に入ると朝廷に変わり幕府が実質的に管理。以降徳川幕府まで実質的に管理運用していた。


 現在は一応、皇室が最上組織とし国が管理運用している。下部組織は神社、寺は変わらず、ほかに自衛隊、警察、民間組織が増えた。行者は寺組織に統合。忍びは民間組織へと移行した。


 この光明真会は元は寺組織の行者や真言宗の在家組織だったが、明治維新後に民間組織へと移行した。


 どの組織でも人材不足に悩む現状。特に寺や神社は深刻。民間組織はスポンサー企業がいるので金銭面人材面もなんとかなっている。それでも、全然足りないそうだ。



 〇探究者(シーカー)

 アンダーワールド内を探索して資源になりそうな物をサンプリングしたり、こちらの世界で資源となる物を持ち帰ることを生業にする者の総称。


 誰でもなれるが、特殊能力者と呼ばれる能力者は異界で一緒に行動してくれる異界の者と契約することができる。特殊能力者ではないと探索は厳しいらしい。説明は下記、異界の者について参照。


 一般の人に異界のことは伏せられたため、昔から異界のゲートのある場所に神社仏閣が建立され神域として隠されてきた。必然的に、探究者は僧侶、宮司関係者が就いており、神社や寺で管理できない場所にゲートがある場合は、隠里を作りその里長に管理させていた。これが後の忍びになる。


 さらに、人の住めない奥地の場合、行者と呼ばれる修験道の者たちが管理。有名なのが役行者 小角である。彼は異界で身に付けた力で神へと昇華したといわれるほどの人物だ。


 〇異界の者

 異界に住む? 怪異。異界の者と呼ぶ場合もある。住んでいるのか存在だけなのかは不明。生活跡や集落が見つかっていないためだ。探究者はモンスターという隠語で呼ぶことが多い。


 各国によって出現する怪異が変わる。日本やアジア近辺は妖怪などの民間伝承に出てくる怪異が多い。所代わりヨーロッパなどの異界ではファンタジー小説に出てくるモンスターが出現する。その地域のみ存在する地域固定モンスターもいるそうだ。一部の異界では地域関係なく、ありとあらゆる怪異が出る不思議な異界もある。日本だと富士の樹海にあるゲートから行く異界が該当する。


 異界のゲート付近には弱い怪異しかおらず、ゲートから離れるほど強い怪異があらわれる。理由は不明。


 古来より妖怪、化け物、幽霊などのモチーフとなった者たち。昔の探究者たちがいろいろな倫理、道徳の逸話や物語として異界で見たものを広めたらしい。


 敵でもあるが味方でもある。特殊能力者が最初に異界に行こうとすると、必ず手を貸そうとする異界の者が現れる。複数同時に現れることもあり、気に入った異界の者と契約を交わしてパートナーになってもらう。下記マギにて解説。


 敵として現れた場合は好戦的で獰猛。ほとんど話は通じない凶戦士。希に戦いの途中にパートナーになりたいと交渉してきたり、瀕死まで追い込んだ時に土下座してパートナーになったり、宝物を渡してきて見逃してほしいということがあるらしい。宝はほとんどが我々には無価値だそうだ。土下座してきた相手を倒すのが不憫なので、たいていの探究者は見逃すらしい。


 弱い怪異は素手でも倒せる。こちらの世界の武器も使用可能。自衛隊は銃を使って異界を探索している。しかし怪異が強くなるにつれ、こちらの世界の武器が効き難くなる傾向がある。中には物理攻撃が効かない怪異もいる。


 ではどうするのか? マギの力を借りて怪異を倒すのが簡単な方法。マギの力を借りなくても、己を鍛えて技を磨けば倒すことは可能。なのだが、特殊能力者ではない探究者がそこまでになるのが苦労なので、成り手が少ない。


 〇マギ

 特殊能力者が異界に入ろうとすると手を貸そうとしてくる異界の者。契約を交わすことによって得られるパートナー。契約内容は多種多様で簡単なものから無理難題まであるという。断ることも可能で、断るといなくなるがすぐに違う異界の者が現れる。


 マギは戦いに参加するだけでなく契約を交わした相手に、護法(以降、スキルと表記)覚えやすくしてくれる。


 特殊能力者以外もスキルを覚えることは可能だが、特殊能力者に比べて発現し難い。


 スキルはいろいろありその人の行動により発現するスキルは違う。


 希にマギとの絆が強くなると加護を授けてくれることもある。月彩の英気がそれにあたる。自分の場合、ちび猫又からではなく月読様から授けてもらったものだが……。


 マギは戦いなどで力をつけると階位が上がり(以降、レベルアップと表記)身体能力等が上がる。最初は弱い怪異でも探究者と一緒に力をつければレベルアップを繰り返していくと強くなり、希に強い怪異へと昇華(以降、進化と表記)する。レベルアップについては下記資源で解説。


 〇資源

 異界ではこちらの世界には無い資源が多くある。未知の植物、未知の鉱物、多種多様ある。その資源を探究者がサンプリングして国の研究機関で調査し、有用な資源であるか判断。我々にとって有用な資源と判断されれば買取品目に追加される。


 探究者が異界で資源の判断は難しいことから、Confimation Device 通称CDと呼ばれるガラケーサイズの機器を持ち歩き、資源と思われるものにCDを向け検索をかけると資源か資源になりえそうかの簡易判定をしてくれる。かなりハイテク。


 探究者はCD以外のも魂石と呼ばれる物も支給される。魂石は異界で倒した怪異のエネルギーを吸収するもので、機密事項らしく教えてもらえなかったがどこかの異界の者との取引に使われるそうだ。魂石満杯にエネルギーを集めると十万円でギルドが買い取る。


 怪異は倒すと消滅するが一定時間、怪異の存在エネルギーがその場に残る。そのエネルギーを得ることにより探究者やマギはレベルアップする。しかし、一度に多くのエネルギーを吸収すると心と体が耐えられず、妖魔化してしまう。一度妖魔化するとよほどのことがないと元には戻れない。


 その妖魔化を防ぐのが魂石でもある。探究者やマギが吸収する余剰分を魂石が吸収してくれる。妖魔化を防ぎ溜まればお金になる二度美味しい大切なアイテムである。


 〇光明真会

 全国に六ケ所支部を持つ、探究者の民間組織。スポンサーに大手の金属メーカーがいるらしく、武器防具の質がいいものが手に入るのが売り。所属探究者250人を超える中堅組織。前身が行者組織のため管理するゲートは山奥に多い。

 本部はここ東京になる。ここのビル自体が光明真会の所有するビル。



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