【3】



 船が人魚の生息する領海へと来た。

「ほら、ボサっとしてんな!!

 人魚の目玉が取れたら100ベールダ金貨で買い取って貰えるんだ! 気合い入れてけよ!」

「おう!!!」



 サーベルを持ち、船からボートへ移動し始めた人間を見た人魚姫は、海上へと躍り出た。




 ────ザバァッ





 勢いがある水音を聞いて、密漁者たちは振り返った。



「向こうからお出ましくださったぞ! 野郎共、準備はいいか??」

「おうよ!!! いつでもOKですぜ、お頭」




 サーベルと網を手に群がる人間を睨みつけ、人魚姫はすぅーっと息を吸った。





(この海は誰にも支配などさせない! 海は誰の物でもありません。人間達よ…………去りなさい)




 爪を光らせるけれど、人間にはそれが何を意味するのか分からない。

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